2013-01-01から1年間の記事一覧

最新海外ミステリーニュース20131025(執筆者・木村二郎)

2013 CWA Dagger Award Winners Announced (CWA賞受賞作発表) On October 24 in London, The Crime Writers Association of Britain (CWA) announced the winners of the remaining three 2013 Dagger Awards as follows: (CWA賞の残る3賞が発表に…

集英社文庫10月の新刊

ガウディの鍵 (集英社文庫)作者: エステバン・マルティン,アンドレウ・カランサ,木村裕美出版社/メーカー: 集英社発売日: 2013/10/18メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見るガウディの鍵/La Clave Gaudi エステバン・マルティン アンドレウ・カラ…

第6回:いにしえの英国イケメンズに思いを――『暗き炎』(執筆者・♪akira)

全国の腐女子の皆様とそうでない皆様、こんにちは! あの厳しい猛暑もどこへやら。秋の夜長は布団にくるまってぬくぬくと、またはあったかいミルクティーなどお供に、いにしえの英国イケメンズに思いをはせてはいかがでしょうか。というわけで今回取り上げる…

侵入者ボーモント〜チャールズ・ボーモント『予期せぬ結末2 トロイメライ』(執筆者:ストラングル・成田)

予期せぬ結末2 トロイメライ (扶桑社ミステリー)作者: チャールズ・ボーモント,井上雅彦,深町眞理子,宮脇孝雄,村上博基,矢野浩三郎,伊藤典夫,植草昌実出版社/メーカー: 扶桑社発売日: 2013/09/25メディア: 文庫この商品を含むブログ (11件) を見る 早川書房…

第四十六回はジョージ・ペレケーノスの巻(執筆者・東野さやか)

翻訳小説でよくお目にかかる表現に「悪いときに悪いところに居合わせた」というのがあるけれど、ちょっとした間の悪さで事件の加害者にもなれば被害者にもなるものです。行き過ぎた悪ふざけや冗談でも、タイミングしだいではとんでもない悲劇をまねくことだ…

読後そっと空を見あげたくなる一冊――『ステイ・クロース』(執筆者・三角和代)

ステイ・クロース (ヴィレッジブックス)作者: ハーラン・コーベン,田口俊樹出版社/メーカー: ヴィレッジブックス発売日: 2013/09/20メディア: 文庫この商品を含むブログ (13件) を見る ミステリ界隈でスティーヴン・キングの傑作『11/22/63』に登場するアメ…

第6回札幌読書会開催!【再掲】

"Hannibal Festival!Cannibal Carnival!!" 11/16(土)、第6回札幌読書会を行います。 冒頭でピンときた方もいらっしゃると思いますが、課題本は『羊たちの沈黙』です。 地方の読書会として、ご当地色豊かな企画をしてみたいよねーという会話から流れる…

第四回西東京読書会のお知らせ

(10月21日追記)おかげさまで満席となりました。キャンセル待ちをご希望の方は公式アドレス( nishitokyo.dokusho@gmail.com )までご連絡ください。 光陰矢のごとし。年々、この言葉を強く実感するようになっております。年末がもう目の前に見えているなん…

文藝春秋10月の新刊

イン・ザ・ブラッド (文春文庫)作者: ジャックカーリイ,Jack Kerley,三角和代出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2013/10/10メディア: 文庫この商品を含むブログ (18件) を見るイン・ザ・ブラッド/In the Blood (2009) ジャック・カーリイ/三角和代訳 ISBN:…

13.10.18(金) 杉江松恋のガイブン酒場#11(執筆者:杉江松恋)

すいません、まずは宣伝させてください。来週末に『読み出したら止まらない! 海外ミステリー マストリード100 』(日経文芸文庫)が発売されます。現在手に入る本の中から選んだ「今まさに読むべき100冊のミステリーガイド」、読書のお供に役立てていただけれ…

第8回 中国編(執筆者・阿井幸作)

中国のミステリーの歴史は意外と長い。唐代の政治家・狄仁傑や北宋の政治家・包拯を主人公にした公案小説をミステリー小説のジャンルに並べていいのかどうかは未だに議論の余地があるが、中国ミステリーの潮流は20世紀初頭に既に発生している。清代末期から…

第6回「運命の女」が歌うフィルム・ノワールの世界(執筆者:佐竹裕)

Film Noirアーティスト: Carly Simon出版社/メーカー: Sbme Special Mkts.発売日: 2009/04/28メディア: CD クリック: 1回この商品を含むブログを見る 閑話休題。 というわけでもないのだが、今回はミステリー本のご紹介というより、またもやぜひとも聴いてい…

第22回『透明人間の告白』の巻(執筆者・東京創元社S)

透明人間の告白 上 (河出文庫)作者: H・F・セイント,高見浩出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2011/12/03メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (9件) を見る透明人間の告白 下 (河出文庫)作者: H・F・セイント,高見浩出版社/メー…

第7回福島読書会レポート(執筆者:飛鳥栄司)

第7回福島読書会レポート 「 ”モース警部” は推理も恋も ”妄想警部” 」執務中にビールを飲む主役のモース警部と執務中という理由でオレンジジュースしか飲ませてもらえない相方ルイス刑事にちなんで、ビール(ノンアルコールですが・・・)とオレンジジュー…

新潮文庫9月の新刊

死もまた我等なり(上): クリフトン年代記 第2部 (新潮文庫)作者: ジェフリーアーチャー,Jeffrey Archer,戸田裕之出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2013/09/28メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (5件) を見る死もまた我等なり(下): クリフトン年代…

第五回翻訳ミステリー大賞選出にむけて

翻訳者のみなさまへ 記録的な猛暑だった夏が去り(ときおり夏がもどってきている地方もありますが、それでも)いつしか朝夕めっきり涼しく、秋めいてまいりました。 みなさまにはご健勝のことと存じます。 さて、早いもので今年も翻訳ミステリー大賞選出の季…

書評七福神の九月度ベスト発表!

書評七福神とは翻訳ミステリが好きでたまらない書評家七人のことなんである。 おはようございます。めっきり涼しくなりまして……と時候の挨拶を書いていたら、昨日は地方によっては真夏日だったとか。暑くて読書どころじゃないよ! とお嘆きのみなさまに今月…

【特別編】『笑う警官』新訳版のできるまで(角川文庫担当編集者G)

刑事マルティン・ベック 笑う警官 (角川文庫)作者: マイ・シューヴァル,ペール・ヴァールー,柳沢由実子出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2013/09/25メディア: 文庫この商品を含むブログ (24件) を見る 45年ぶりの新訳である。 北欧ミステリの先駆けであり警…

ミステリマガジン11月号ポケミス60周年記念特大号(執筆者:早川書房 M・K)

ミステリマガジン 2013年 11月号 [雑誌]出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2013/09/25メディア: 雑誌この商品を含むブログ (7件) を見る さて、先月末より書店店頭に並んでいたかと思うのですが、ミステリマガジン11月号ポケミス60周年記念特大号について、…

東京創元社 9月の新刊

『氷の娘』/Kuolemanspiraali レーナ・レヘトライネン(Leena Lehtolainen)/古市真由美・訳 創元推理文庫/定価1260円(税込)/9月11日/ISBN:978-4-488-28005-5 買い物を終えた女性が、車のトランクで少女の死体を見つけた。暴行を受けて殺害されたら…

東京創元社 10月の新刊

『天使の死んだ夏』上下/Sommardöden モンス・カッレントフト(Mons Kallentoft)/久山葉子・訳 創元推理文庫/定価各1092円(税込)/10月11日/ISBN:(上)978-4-488-25605-0(下)ISBN:978-4-488-25606-7 夏の天使よ、お前を殺しはしない。甦らせるだ…

第6回横浜読書会のお知らせ

(10月7日追記)おかげさまで満席となりました。キャンセル待ちをご希望の方は公式アドレス(ykhma.rg@gmail.com)までご連絡ください。 横浜読書会は疲れました。 これまでの読書会を振り返ってみましょう。 まず初回から、リディア&ビルとともにチャイナ…

第6回札幌読書会開催!

"Hannibal Festival!Cannibal Carnival!!" 11/16(土)、第6回札幌読書会を行います。 冒頭でピンときた方もいらっしゃると思いますが、課題本は『羊たちの沈黙』です。 地方の読書会として、ご当地色豊かな企画をしてみたいよねーという会話から流れる…

第9回名古屋読書会・そこどけ蜘蛛の会のご案内

10月12日追記【満員御礼】おかげさまで1次会・2次会の両方が満席となりました。キャンセル待ちをご希望のかたは専用アドレスまでご連絡ください。(名古屋読書会世話人:大矢博子) やあ、すまないね。すっかり遅くなってしまった。ヘンリー、まずは芋焼酎…

翻訳ミステリー長屋かわら版・第49号

田口俊樹 空耳ならぬ空目。確か同じ長屋の住人、越前さんのブログかツイッターで見て、わりと最近知ったことばなんですけど、若い人たちの新語かと思ってネットで確かめたら、昔からあることばなんですね。 年配者の常として、そうとわかると、なんかいいこ…

Film 13『ランナウェイ/逃亡者』(執筆者・三橋曉)

ミステリ試写室 film 13 ランナウェイ/逃亡者 失礼ながら、老いてますます盛んとは、まさにこの人のことだろう。かつてウェストレイク原作の〈ホット・ロック〉でドートマンダー役を演じたことや、コンゲーム映画の大傑作〈スティング〉におけるポール・ニ…

初心者のためのクリストファー・プリースト入門(執筆者・古沢嘉通)

いきなり引用からはじめます。牧眞司氏によるクリストファー・プリースト『夢幻諸島から』の書評―― 飛びきりイキの良い海外SFを届けてくれる《新☆ハヤカワ・SF・シリーズ》第一期(全11冊)の最終巻。いちばん最後にいちばん最高の作品がきた。文句なし…

Carpe diem(執筆者・北川和代)

語学の勉強には(もちろん翻訳の仕事にも)辞書は必須。昨今は、電子辞書やらオンライン辞書やら、持ち運びにも便利で効率よく調べることができ、とても重宝している。で、ラテン語となると……私の通う日伊協会のクラスでは、イタリアの高校教科書を使ってい…

ソフトバンク・クリエイティブ9月の新刊

脅迫(上) (ソフトバンク文庫)作者: ノア・ボイド,Noah Boyd,寶村信二出版社/メーカー: SBクリエイティブ発売日: 2013/09/18メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る脅迫(下) (ソフトバンク文庫)作者: ノア・ボイド,Noah Boyd,寶村信二出版社/メーカ…

第11回大阪読書会レポート

9月6日 関西ミステリー読書会主催 第11回 ギリアン・フリン著『冥闇』読書会レポート ――3時10分にいったいなにが、あるいはデイ家の没落の物語 大阪読書会も11回。軽いものが続いたので、この辺でヘビーで嫌な後味の残る話を採りあげようと、ギリアン・フ…