2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧
今回紹介するシリーズの著者であるノア・ボイドは現役のFBI捜査官とのことで、はみ出し者の元捜査官、スティーヴ・ヴェイルを主人公とする作品を二冊上梓しています。 デビュー作 The Bricklayer (2010)では、殺人を繰り返しながらFBIを恐喝する〈ルバーコ・…
前編はこちら ピザマンの事件簿 デリバリーは命がけ (ヴィレッジブックス)作者: L ・T ・フォークス,鈴木恵出版社/メーカー: ヴィレッジブックス発売日: 2009/05/20メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (30件) を見る(承前) 二次…
第4回 ここ2、3年、イクメンという言葉をよく聞く。 最初聞いたときは、イクメンてなんだ、イってしまう男? ソウロウ男のことか、などとよからぬ連想をしてしまったものである。 加齢臭をカレーのにおいと思い込んでしまうのといっしょだ。 正解はいうま…
名古屋。それは喫茶店でコーヒーを注文すると頼んでもないのにお菓子がついてくる街。カツもうどんもおでんも味噌で食べる街。スパゲティに薄焼き卵を敷く街。トーストに餡を塗る街。常識の右斜め上を行く食文化の名古屋で、26日(土)夕刻、「ピザを食べな…
Mystery Writers of America (MWA) has announced the 2012 recipients of its Grand Master, Raven and Ellery Queen Awards as follows: Grand Master: Martha Grimes (of Richard Jury series fame) Raven Awards: M Is for Mystery (a mystery bookstore…
■翻訳ミステリー大賞とは何ですか? 2009年10月1日に設立された翻訳ミステリーの年間ベスト1を選ぶ賞です。海外作品の原著者と日本の読者の架け橋となる翻訳家が選ぶ翻訳ミステリーという点を一番の特徴にしたいと考えております。 賞の正式名称:「翻訳ミ…
翻訳ミステリー大賞シンジケートは、スポンサーに依存せず、ボランティアによる運営をおこなっております。翻訳ミステリー大賞や読書探偵作文コンクールなどの各種イベントの運営費や、サイトの継続にともなう諸費用は、すべて有志のカンパと本サイトのアフ…
シャーロック・ホームズの影の下に ドイル傑作集5『ラッフルズ・ホーの奇蹟』(創元推理文庫)がいよいよ来月刊行となります。ミステリ、怪奇、東洋、冒険と、ゆるやかなテーマ別編集で刊行してきたこのシリーズも、今回の科学ロマンス篇で完結。第1巻が2004…
■シリーズ第2作と第3作『冬を怖れる女』『一ドル銀貨の遺言』の巻・後篇です。前篇はこちら。 冬を怖れた女 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)作者: ローレンスブロック,田口俊樹出版社/メーカー: 二見書房発売日: 1987/11/01メディア: 文庫この商品…
冬を怖れた女 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)作者: ローレンスブロック,田口俊樹出版社/メーカー: 二見書房発売日: 1987/11/01メディア: 文庫この商品を含むブログ (5件) を見る1ドル銀貨の遺言 (二見文庫―ザ・ミステリコレクション)作者: ローレン…
先日募集したアガサ・クリスティー読書会は、参加者が少なかったらどうしようという不安をよそに、おかげさまで想像以上に早く定員に達しました。 好評につき、感謝の意味もこめまして『牧師館の殺人』読書会を追加開催することになりました。師走の忙しさを…
今年の「秋の読書探偵」作文コンクールにご協力くださってありがとうございます。まったくの偶然ではありますが、折よく、昨年の第1回「真夏の読書探偵」コンクール受賞作が、このたびラジオの番組で紹介されることになりました。 日時: 12月1日(木) 午…
第25回 またも主役が交代した『CSI』の人気は? てか、3シリーズ計6人の主人公のうち、誰が一番好き? ども、kindleにたまってる原書を読むのに手一杯で、全然和書が読めないでいる堺です。というか、新しいkindleがあまりに軽くて小さいので、ついつい…
こたつミカンに、エヴァン・ディレイニー・シリーズ! どうもどうも、皆さんご無沙汰しております。前回こちらにお邪魔した時には、冒険小説のことなんざべらべらと語りまして、今回いきなりメグ・ガーディナーを語っちゃう、というのもなんだか節操があるよ…
第3回 チャンドラーの『長いお別れ』ほど何回も読んだ小説はない。 翻訳でも原文でも読んでいて、本はもうボロボロである。この本が好きだから翻訳家になったと自信をもって言い切れる。 もちろん、それは清水俊二さんのカッコいい翻訳に負うところが大きい…
昨日に引きつづき、「秋の読書探偵」作文コンクールで受賞なさったかたの作品の全文を掲載します。最終審査の選考の模様はこちらに掲載されています。 中高生の部は、最優秀賞と優秀賞の受賞者がそれぞれ1名いらっしゃいました。 最優秀賞 黒田國裕さん(中…
先日募集したアガサ・クリスティー読書会は、参加者が少なかったらどうしようという不安をよそに、おかげさまで想像以上に早く定員に達しました。 好評につき、感謝の意味もこめまして『牧師館の殺人』読書会を追加開催することになりました。師走の忙しさを…
きのう「秋の読書探偵」作文コンクールの最終審査結果を発表しましたが、きょうとあすに分けて、最優秀賞を受賞なさったかたの作品全文を掲載します。きょうはまず小学生の部。 小学生の部は最優秀賞受賞者が2名いらっしゃいます。 小平采果さん(小3・神…
来る11月23日の勤労感謝の日、慶應義塾大学三田キャンパスにおいて、当シンジケートの編集人である杉江松恋、書評家川出正樹・文藝春秋編集者・永嶋俊一郎が出演するトークショーが開催されます。ゼロ年代以降に日本で刊行された翻訳ミステリーの優れた作品…
みなさん、お待たせしました! 今年度の「秋の読書探偵」コンクールの最終審査結果を発表します。 今年の応募総数は108作(小学生91作、中高生17作)。11月上旬の予選委員による選考によってまず15作(小学生11作、中高生4作)の1次選考通過作が選出された…
この連載、ここんとこ「お仕事小説」だの国内ミステリーとの関連だのと、あれこれ考えては袋小路に入ってしまうというパターンだったが、大事なことをすっかり忘れていたよ。この読書日記の目的は、西田ひかるにもう一度P・コーンウェルを語ってもらえるよ…
犬猫物だってだけでコージー・ミステリに入れちゃっていいのか? うーむ、微妙なところなんだよなー、というところで前回終わっていた〈黒ラブ探偵・ランドルフ〉シリーズ。今回は二作目になってランドルフ君の遭遇するおかしなシチュエーションもパワーアッ…
ミスター・クラリネット/ Mr.Clarinet (2006) ニック・ストーン Nick Stone/熊谷千寿訳 945円(上巻・税込)966円(下巻・税込)/2011年11月10日発売 ISBN:(上) 978-4-270-10398-2 (下) 978-4-270-10399-9ミスター・クラリネット 上 (RHブックス・プラス)作…
冷血の彼方 (創元推理文庫)作者: マイケル・ジェネリン,林啓恵出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2011/02/24メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (11件) を見る 会社づとめのころ、ある同僚がいつもスーツに綿ソックスで会社にき…
第2回 7年ほど前に腎臓がんになった。 腎臓がんというとマイナーなので、肺がんや胃がんと違って、あまり話題になることもないが、意外にこの病気で亡くなっている有名人も多いのである。 作家の中上健次氏、作詞家の阿久悠さん、元大関北天佑、哲学者の池…
『緋色の十字章』/Bruno, Chief of Police マーティン・ウォーカー(Martin Walker)/山田久美子・訳 創元推理文庫/定価987円(税込)/11月11日/ISBN:978-4-488-27309-5 名物はフォアグラ、トリュフ、胡桃。人口三千人、風光明媚なフランスの小村で、…
みなさん、お待たせしました! 「秋の読書探偵」作文コンクールの1次選考の結果を発表します。 中高生の部17通、小学生の部91通の応募作文を、3人の予選委員(やまねこ翻訳クラブ会員1名、当シンジケート事務局メンバー2名)が今月上旬にじっくり読み、…
第20回 ごぶさたです。 「翻訳編集って、どんな仕事?」を解説しようという、なんだか自分の首を締めそうな話をはじめてしまったこのコラム、前回はゲラを作るところまで説明しましたので、そのつづきです。 原稿をゲラにしたら、いよいよ肝心の、訳文のチェ…
書評七福神とは翻訳ミステリが好きでたまらない書評家七人のことなんである。 そろそろ年間ランキングの噂がもれ聞こえてくる時期になりましたが、そういうことは一切無視して七人の好きな小説のことだけを書きます。ランキングに入ろうが入るまいが、いい小…