【隔週更新】小財満の、俺、このコージー連載が終わったら彼女に告白するんだ……【読書日記】

第九の刺客:アーロン&シャーロット・エルキンズ(その1)

自分探しの旅に出ようと思ったものの自分を探すためにはどこに行けばいいのか、そもそも自分とは探すもんなのかと疑問に思いつつ温泉に入ったりご当地グルメを堪能したりしていたところ、ずいぶんとご無沙汰な更新になってしまいました。どうも小財満です。 …

番外篇:コージー番長よりひとこと

みなさま、あけましておめでとうございます。 本日は小財満氏のコージー連載を更新する予定ですが、事情により来週回しになってしまいました。急遽ピンチヒッターで私、杉江松恋がご機嫌伺いにやってまいりました。 お寒うございますが、風邪など召されてい…

第八の刺客:J・F・イングラート(その2)

犬猫物だってだけでコージー・ミステリに入れちゃっていいのか? うーむ、微妙なところなんだよなー、というところで前回終わっていた〈黒ラブ探偵・ランドルフ〉シリーズ。今回は二作目になってランドルフ君の遭遇するおかしなシチュエーションもパワーアッ…

第八の刺客:J・F・イングラート(その1)

こんなことで一席ぶつのも何ですが、私の実家では犬を飼っております。黒のラブラドール・レトリバー。と言って分かる方は多少犬に対する知識もおありでしょう。大型犬の部類に入る犬種で盲導犬とか麻薬捜査犬なんかによく採用されるアレです。 で、まあなん…

第七の刺客:リヴィア・J・ウォッシュバーン(その2)

そういえばつい先日かぼちゃプリンを食べました。素材のドッシリ感にプラスされたカラメルソースがなんか……しつこかったですね。はい、特に脈絡が無い気はしますが引き続き今日は『かぼちゃケーキを切る前に[お料理名人の事件簿2] 』リヴィア・J・ウォッシュ…

第七の刺客:リヴィア・J・ウォッシュバーン(その1)

しばらく猫が続いたのでなかなか頭が切り替わりませんが、今回はレシピものらしいですよ。というわけで『桃のデザートには隠し味 [お料理名人の事件簿1] 』リヴィア・J・ウォッシュバーンのお話。桃のデザートには隠し味 [お料理名人の事件簿1] (RHブックス…

第六の刺客:リタ・メイ・ブラウン&スニーキー・パイ・ブラウン(その3)

前回までの「小財満の俺(以下略)」ではトラ猫マーフィー・シリーズの1作目、2作目を扱ってきました。2作目の時点で杉江・コージー番長・松恋氏に「ダレてるね」などとつっこまれていますが、えー、これは若干言いにくいんですが……事実ダレてます。 シリ…

第六の刺客:リタ・メイ・ブラウン&スニーキー・パイ・ブラウン(その2)

今回は前回に引き続きトラ猫・ミセス・マーフィー・シリーズで『雪のなかを走る猫』リタ・メイ・ブラウン(ハヤカワ文庫HM)でございます。 ところで既読の方に素朴な疑問。前回「猫はいいよなぁ……」なんて言っておきながら何ですが、この猫……というかこのミ…

第六の刺客:リタ・メイ・ブラウン&スニーキー・パイ・ブラウン(その1)

猫……そうか。猫か。 ペットに猫を飼っている主人公はいたけど題名に「猫」ってピックアップされた小説はこのコーナーじゃ初めてでないかしらん? というわけで今回のお題は『町でいちばん賢い猫―トラ猫ミセス・マーフィ』 (ハヤカワ・ミステリ文庫)リタ・メ…

第五の刺客:アンナ・マクリーン(その3)

ああっ、前回の異論については話すと色々とネタバレの線を越えてしまいそうで恐いなあ。というわけですみません。スルーさせていただいて若草物語の作者ルイザ・オルコットを主人公にしたコージー・ミステリ、シリーズ三作目『ルイザと水晶占い師』にいって…

第五の刺客:アンナ・マクリーン(その2)

そっかー。あんまり”コージー・オア・ノット”ということを意識していなかったのでなかなか新鮮ですね。と、突然何を言い出したのかわからない方のために説明しておきますと、前回の課題作『ルイザと女相続人の謎(名探偵オルコット1)』(創元推理文庫)を…

第五の刺客:アンナ・マクリーン(その1)

前回、コージー番長・杉江松恋にコージーの「お仕事小説」としての面を指摘されていたく感得。現代の海外ミステリ・シーンにおける主人公は犯罪者と相対する職業に就いている者(警官、弁護士、私立探偵などなど)がかなりの割合を占める。それが良い悪いと…

第四の刺客:カレン・マキナニー(その2)

シリーズ第一作の『注文の多い宿泊客』では筆者の中では主人公の行動についての違和感が大きかったためにそこを中心に書いたけれど、私自身がコージー・ミステリのよき読者ではないので内心ビクビクです。本当は何か意味があってわざと主人公のことをエキセ…

第四の刺客:カレン・マキナニー(その1)

さらば大都会ニューヨーク、そしてこんにちはカントリーライフ。そんなわけで「孤島ミステリーだよ」という触れ込みで読むことになったカレン・マキナニー『注文の多い宿泊客 〈朝食のおいしいB&B1〉』なのですが、うーん……孤島かぁ。孤島と言われると、ど…

第三の刺客:クレオ・コイル(その2)

いまいちというかまだまだというか、コージー・ミステリというジャンルのことがよくわからず日々頭を悩ませていますが、とりあえず今日は前回に引き続きクレオ・コイルの〈コクと深みの名推理シリーズ〉のお話。 前回のラストでコージー番長が「ローレンス・…

第三の刺客:クレオ・コイル(その1)

なんだか前回の記事でコージー番長に私の恋愛観を心配されてしまい、「恋愛に疎い人間ってロマンスのことを言及するのに最も不適切な人間なのではないだろうか。鬼門だなあ。」などと自分でボヤいていたことが現実のものとなりましたが、えー……えーとですね…

第二の刺客:J・B・スタンリー(その3)

明けましておめでとうございます。日本にコージー・ミステリがあればおせち料理なんかが格好のネタになるのかしら、などと思いながら正月を過ごしていました。と、そんなこととは全く関係なく〈ダイエットクラブ・シリーズ〉の第三作、J・B・スタンリー『…

第二の刺客:J・B・スタンリー(その2)

シリーズは二作目が肝要である。それは「ロボコップ」シリーズが名作扱いされ、「スターシップ・トゥルーパーズ」シリーズ*1がB級映画の扱いをされていることからも分かる。二作目でコケると三作目はどんなに面白く作っても見てもらえないわけだ。いや、『…

第ニの刺客:J・B・スタンリー(その1)

どうも、頭の中が高校生以下で「告白→即付き合えてラッキー」だと思っているので大人の恋愛には程とおい小財満です。*1 大人の恋愛は置いといて、今回の課題本はJ・B・スタンリー『ベーカリーは罪深い ダイエットクラブ1』。ダイエットクラブ、ダイエット…

第一の刺客:ジル・チャーチル(その2)

前回の掲載のあと、さすがに第一回なものだから反応が恐くて一応友人には尋ねてみるわけですよ。「ど、どうだった?」と。すげえビクビクしながら。 で、意外に多かったのが「あのコージー・ミステリってやつ、何なの?」という肩すかしを食らう反応で。 い…

第一の刺客:ジル・チャーチル(その1)

あるとき七福神の一人、川出正樹氏に尋ねられた。 「君、一番苦手な作家はなんだ」 苦手……苦手な作家と言われても返答に困る。 クロフツは、カーはどうだ、と言われる。どうにも妙な具合で作品数が多い古典本格ものの作家を挙げられるのだが、まあこの辺は私…