2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

アガサ・クリスティー攻略作戦 第七十二回(執筆者・霜月蒼)

第2回名古屋読書会レポート:後編(執筆者・大矢博子)

後編「巷にシモの降るごとく」 クリスマスのフロスト (創元推理文庫)作者: R.D ウィングフィールド,R.D. Wingfield,芹澤恵出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 1994/09/21メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 275回この商品を含むブログ (79件) を見る 第2回…

第十四回『銀塊の海』の巻(執筆者・東京創元社S)

第14回『銀塊の海』の巻 みなさんこんにちは。今年の冬は本当に寒いですね。でもやっと、もうすぐ春がやってきます! でも、うきうきしてくると同時に花粉とコンニチハ。……切ないものです。 銀塊の海 (ハヤカワ文庫 NV 98)作者: ハモンド・イネス,皆藤幸蔵出…

第2回名古屋読書会レポート:前編(執筆者・大矢博子)

前編「巷に霜の降るごとく」 2月25日、土曜日。第2回名古屋読書会当日。 まるで当日の名古屋の空さながらに、幹事の大矢の心は曇っていた。 有能なスタッフたちの獅子奮迅の活躍で素晴らしいレジュメが完成してるし、二次会のセッティングもばっちりだし、…

言葉のまわりで(執筆者・古屋美登里)

第4回 誘拐 二十年ほど前になりますが、幼い子供を連れてアメリカに二週間ほど滞在することになりました。子供連れで行くのは初めてだったので、長年アメリカで暮らしている友人にアドバイスを求め、子連れで行けるレストランなどの情報を聞こうと思ったの…

【再掲】第1回千葉読書会のご案内

千葉読書会スタート! お待たせいたしました。がんばれば東京の会にも行けるけど若干遠いなあとか、横浜でもひらかれているのに千葉は〜?とか思ってらしたかたもたくさん(……いえまあ、少しは)いらっしゃることと思います。千葉読書会、スタートです。 課…

講談社文庫2月の新刊

ゴールデン・パラシュート/ The Sweet Golden Parachute (2006) デイヴィッド・ハンドラー David Handler/北沢あかね訳 定価(税込):990円/発行年月日:2012/02/15 ISBN:978-4-06-277232-7ゴールデン・パラシュート (講談社文庫)作者: デイヴィッド・ハ…

【特別寄稿】ウッドハウス聖地巡礼記・最終回(執筆者・森村たまき)

最終回:ハリウッド・ウッドハウス紀行篇 ニューヨーク、デトロイトと寒い都市を転々としてきた米国大陸横断ウッドハウス聖地巡礼記、最終回は陽光まぶしい南カリフォルニア、ロサンゼルスからお届けします。 今回国際的なお世話になったのはロサンゼルス郊…

藤原編集室通信(出張版) 第6回

悪魔のようなバンコラン 先日、ジョン・ディクスン・カー『蝋人形館の殺人』(創元推理文庫、3月下旬刊)を責了にしたばかりです。旧訳のハヤカワ・ミステリ版が1954年刊ですから、(児童向けのリライト版は数種あったものの)今回がなんと58年ぶりの新訳と…

#1『誰の死体?』

世間には引き受けてしまってから「どうしよう」と思うことは多々ある。いざ手をつけてみてから、自分の手にはあまりにも問題がでかすぎるのではないかという怖れがこんこんとわいてくるのである。 なんと今回、ドロシー・L・セイヤーズのピーター卿シリーズ…

Film4『恋人たちのパレード』(執筆者・三橋曉)

ミステリ試写室 film 4 恋人たちのパレード 不意打ちのような親の死により、暗転する人生。あれ、最近どっかに似たような話があったなと思ったら、オージー産犯罪映画の「アニマル・キングダム」だった。あちらは、十七歳の少年が犯罪者ばかりの一家に引き取…

初心者のためのレジナルド・ヒル入門(執筆者・羽田詩津子)

レジナルド・ヒルの楽しみ イギリスの大御所ミステリ作家レジナルド・ヒルが一月十二日に七十五歳で亡くなった。レジナルド・ヒルというと二十冊翻訳されているダルジール警視シリーズが有名だ。シリーズ最新作は『午前零時のフーガ』で、療養からようやく復…

言葉のまわりで(執筆者・古屋美登里)

第3回 めくばせ 作品のなかで作家が過去の文学作品を彷彿とさせる表現を使ったり、文学作品に登場する言葉を効果的に取り入れたりして、読み手に先人の作品を喚起させることがあります。それをめくばせ(ウィンク)と呼んでいますが、めくばせというのはた…

武田ランダムハウスジャパン2月の新刊

サーカス象に水を〈文庫版〉/ Water for Elephants (2006) サラ・グルーエン Sara Gruen /川副智子訳 定価:998円(税込)刊行日:2012/02/10 ISBN:978-4-270-10405-7サーカス象に水を (RHブックス・プラス)作者: サラグルーエン,川副智子出版社/メーカー…

【再掲】第三回翻訳ミステリー大賞二次投票要項&授賞式のご案内

第三回翻訳ミステリー大賞二次投票要項 2011年12月21日に発表された第三回翻訳ミステリー大賞の最終候補5作を対象とした二次投票のご案内をあらためていたします。 最終候補5作は以下のとおりです(作品名50音順)。 『アンダー・ザ・ドーム』スティーヴン…

【特別寄稿】ウッドハウス聖地巡礼記・第3回(執筆者・森村たまき)

第3回:ウッドハウスさんの墓前に報告篇 こんにちは、二週間のご無沙汰でした。前二回はデトロイトで開催された米国ウッドハウス協会のコンベンションのお話でしたが、残る二回はその前後に行ったニューヨークとロサンゼルス〈ウッドハウス聖地巡礼紀行〉の…

最新海外ミステリーニュース20120217(執筆者・木村二郎)

Frederick Forsyth wins the 2012 CWA DiamondDagger (F・フォーサイスがCWA(英国推理作家協会)ダイヤモンド・ダガー受賞) The CWA has announced the 2012 winner of its prestigious Diamond Dagger award, with the honour going to thriller wri…

翻訳ミステリー長屋かわら版・第27号

田口俊樹 cup his hands around the lighter 英語を読むのは面倒くさいという人もいると思うけれど、そんなに面倒な英語でもないので、ちょっとばかりおつきあいのほどを。 私、翻訳の専門学校で講師をしているんですが、その授業でのこと。上記の英文が出て…

この思い、あの人に届け! 第11回「誰かを愛するために」 『黒蠅』の巻(執筆者・挟名紅治)

えー、最初にお詫びと訂正を。「検屍官」シリーズに度々登場していた殺人鬼ゴールトですが、私、ずっとゴール“ド”と誤記しておりました。申し訳ございませんでした。過去掲載の該当部分はすでに修正済みです。コメントで指摘してくれたnakaさん、ありがとう…

アガサ・クリスティー攻略作戦 第七十一回(執筆者・霜月蒼)

ソフトバンククリエイティブ2月の新刊

無法海域掃討作戦/Shadow Force (2011) マット・リン Matt Lynn/熊谷千寿訳 定価:945円(税込)/2012年2月17日発売 ISBN: 978-4797365474無法海域掃討作戦 (ソフトバンク文庫)作者: マット・リン,Matt Lynn,熊谷千寿出版社/メーカー: SBクリエイティブ発…

底抜けにすばらしいデミル『ゲートハウス』を読め!(執筆者・矢口誠)

「華麗なるギャツビー+ゴッドファーザーの面白さ」として話題になったベストセラー『ゴールド・コースト』の続編が刊行された。ネルソン・デミルの『ゲートハウス』(講談社文庫)である。私も満を持して読んだのだが、これがじつにすごい。底抜けにすばら…

2012年1月度カンパご報告

以下の方よりカンパをちょうだいしました。 心からお礼申し上げます。 東江一紀親衛隊さま 関西翻訳ミステリー読書会 影山実保さま 三橋曉さま 資金カンパにつきましては、こちらをご覧ください。 翻訳ミステリー大賞シンジケート事務局

言葉のまわりで(執筆者・古屋美登里)

第2回 倉橋由美子と翻訳の文体 本に携わっている方は多かれ少なかれ文学的出会いというものを経験していると思います。わたしの場合、最大の「文学的出会い」は、高校二年生のときに倉橋由美子という作家を知ったことでした。 六歳上の従姉に勧められて『暗…

最新海外ミステリーニュース20120212(執筆者・木村二郎)

Deadly Pleasures has announced the nominees of the 2012 Barry Awards as follows: (バリー賞候補作発表) Best Novel THE KEEPER OF LOST CAUSES (in U.K., MERCY), Jussi Adler-Olsen (Dutton)特捜部Q ―檻の中の女― (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 18…

扶桑社文庫2月の新刊

アメリカ本土空爆指令(上・下)/ Plan of Attack (2004) デイル ブラウン Dale Brown /伏見威蕃訳 定価:1050円(上下各・税込)/発売日: 2012/02/02 ISBN: 978-4-594-06541-6(上) 978-4-594-06542-3(下)アメリカ本土空爆指令(上) (扶桑社ミステリー)作者…

東京創元社 2月の新刊

『ミステリーズ!』vol.51 FEBRUARY 2012 東京創元社(雑誌)/定価1260円(税込)/2月11日/ISBN:978-4-488-03051-3 『犯罪』で話題沸騰のドイツミステリの現在を紹介する、特集「もっとドイツミステリ」。酒寄進一(翻訳家)×マライ・メントライン(NH…

子どもと本と震災(執筆者・林さかな)

2011年の「秋の読書探偵」では一次審査をつとめました。子どもたちの感想文を読むのはとても楽しく、本が好きだという気持ちがどの子の文章からも伝わってきました。感想文には震災にふれたものもありました。わたしは福島県会津若松市在住です。福島県の内…

書評七福神の一月度ベスト発表!

書評七福神とは翻訳ミステリが好きでたまらない書評家七人のことなんである。 さて、2012年刊行作品としては初の書評七福神をお届けします。「2月は逃げる」といい、お忙しい時期かとは思いますが、ぜひご一読いただき、読書の参考にしてください。 (ルール…

Film3『ドラゴン・タトゥーの女』(執筆者・三橋曉)

ミステリ試写室 film 3 ドラゴン・タトゥーの女 まずは、この予告編をご覧いただきたい。 昨年の春、忽然とネット上に出現し、目も眩まんばかりの映像と音楽で話題騒然となったデヴィッド・フィンチャー監督の『ドラゴン・タトゥーの女』である。なんでも映…