東京創元社 2月の新刊

ミステリーズ!』vol.51 FEBRUARY 2012
東京創元社(雑誌)/定価1260円(税込)/2月11日/ISBN:978-4-488-03051-3
『犯罪』で話題沸騰のドイツミステリの現在を紹介する、特集「もっとドイツミステリ」。酒寄進一(翻訳家)×マライ・メントライン(NHKドイツ語講座リポーター)対談など。

[特集]もっとドイツミステリ
[対談]
●翻訳ミステリ界でいま大注目のドイツミステリの魅力を探る
酒寄進一×マライ・メントライン
[小説]
●『犯罪』のフォン・シーラッハ、単行本未収録短篇登場!
フェルディナント・フォン・シーラッハ「パン屋の主人」酒寄進一◎訳
[エッセイ]
「クライスト賞受賞スピーチ」酒寄進一◎訳
「フォン・シーラッハ流 罪と罰」酒寄進一◎訳
[ブックエッセイ]
杉江松恋 路地裏の迷宮踏査(51) モームの英国式朝食
越前敏弥 私はこれが訳したい(2) THE ALCHMIST'S APPRENTICE by Jeremy Dronfield
[評論]
川出正樹 ミステリ・ライブラリ・インヴェスティゲーション 第二回

ミステリーズ! vol.51

ミステリーズ! vol.51


『知りすぎた犬』/The Dog Who Knew Too Much
キャロル・リーア・ベンジャミン(Carol Lia Benjamin)/阿部里美・訳
創元推理文庫/定価1029円(税込)/2月18日/ISBN:978-4-488-29304-8
たったひと言の遺書を遺して、若く美しいリサは窓から飛び降りた。娘を溺愛していた両親は、どうしても納得がいかず、調査を依頼してきた。リサは秋田犬を飼っていた。自殺だとしたら、どうして犬を見捨てることができたのか? 誰かに殺されたのなら、なぜ忠誠心が強く勇敢な秋田犬が彼女を護らなかったのか? とりあえず私は、犬を預かっているリサの太極拳の師匠に会いにいくことにした。コンビ探偵、アレグザンダー&ダシール。

知りすぎた犬 (創元推理文庫)

知りすぎた犬 (創元推理文庫)


『罪悪』/Schuld
フェルディナント・フォン・シーラッハ(Ferdinand von Schirach)/酒寄進一・訳
東京創元社(単行本)/定価1890円(税込)/2月18日/ISBN:978-4-488-01344-8
罪人になるのは簡単なのに、世界は何も変わらない。──ふるさと祭りの最中に突発する、ブラスバンドの男たちによる集団暴行事件。秘密結社イルミナティにかぶれる男子寄宿学校生らの、“生け贄”の生徒へのいじめが引き起こす悲劇。何不自由ない暮らしを送る主婦が続ける窃盗事件。弁護士の「私」は、さまざまな罪のかたちを静かに語り出す。「このミステリーがすごい!」第二位など、年末ベストを総なめにした『犯罪』に比肩する傑作!

罪悪

罪悪


『シンデレラの罠【新訳版】』/Piège pour Cendrillon
セバスチアン・ジャプリゾ(Sébastien Japrisot)/平岡敦・訳
創元推理文庫/定価777円(税込)/2月28日/ISBN:978-4-488-14206-3
わたし、ミ(ミシェル)は、火事で大火傷を負い、顔を焼かれ皮膚移植をし一命をとりとめたが、一緒にいたド(ドムニカ)は焼死。火事の真相を知るのはわたしだけだというのに、記憶を失ってしまっている。わたしは本当に皆の言うように、大金持ちの伯母から遺産を相続するというミなのだろうか? 死んだ娘がミで、わたしはドなのではないか? わたしは、探偵で犯人で被害者で証人なのだ。ミステリ史上燦然と輝くマニア必読の傑作。

シンデレラの罠【新訳版】 (創元推理文庫)

シンデレラの罠【新訳版】 (創元推理文庫)


『夢宮殿』/Pallati i ëndrrave
イスマイル・カダレ(Ismail Kadare)/村上光彦・訳
創元ライブラリ(文庫)/定価1155円(税込)/2月28日/ISBN:978-4-488-07070-0
迷宮のような建物〈夢宮殿〉、そこには、選別室、解釈室、筆生室、監禁室、文書保存所等が扉を閉ざして並んでいた。国民の見た夢を分類し、解釈し、国家の存亡に関わる夢を選び出す、この機関に職を得た名門出の青年マルク・アレムは、次第にその歯車に組み込まれていく。国家が個人の無意識の世界にまで管理の手をのばす、不条理で不気味な怖るべき物語。バルカン半島の国アルバニア発の幻想と寓意に満ちた傑作。解説=沼野充義

夢宮殿 (創元ライブラリ)

夢宮殿 (創元ライブラリ)