2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ジム・トンプスン祭り 開催! (満員御礼!) 

このたび翻訳ミステリー大賞シンジケートでは、映画“キラー・インサイド・ミー”の公開にあわせ、ジム・トンプスン祭りを開催することにいたしました。 ゲストを中心にしたトークショー形式で進めますが、会場からの発言も自由です。 本を仲立ちとして人と人…

この翻訳がすごい*個人の感想です(4)(執筆者・加賀山卓朗)

今年の翻訳ミステリー大賞の投票では、ダニエル・ウォレス『ミスター・セバスチャンとサーカスから消えた男の話』を1位に推しました。ふだん翻訳小説をあまり手にしないかたにもぜひ読んでもらいたい、ぜったいに愉しめると思ったので。 サーカスの魅力、と…

第二回翻訳ミステリー大賞二次投票要項・授賞式のご案内

2010年12月8日に発表された第二回翻訳ミステリー大賞の最終候補5作を対象とした二次投票のご案内です。 最終候補5作は以下のとおりです(作品名あいうえお順)。 『音もなく少女は』ボストン・テラン(文春文庫) 『古書の来歴』ジェラルディン・ブルック…

ソフトバンククリエイティブ2月の新刊

暗黒の特殊作戦 Fire Force (2010) マット・リン(Matt Lynn)/熊谷千寿訳 ISBN:9784797361025 定価945円(税込)/刊行日:2011年2月25日暗黒の特殊作戦 (ソフトバンク文庫)作者: マット・リン,熊谷千寿出版社/メーカー: SBクリエイティブ発売日: 2011/02/…

最新海外ミステリーニュース20110225(執筆者・木村二郎)

LAT Book Prize Finalists Announced The Los Angeles Times has announced the finalists for the 2011 LAT Book Prizes. The finalists in the mystery/thriller category are as follows: CROOKED LETTER, CROOKED LETTER, by Tom Franklin (William Morr…

翻訳ミステリー長屋かわら版・第8号

田口俊樹 同じ長屋の住人、鈴木恵さんが去年出会った本のベストワンに挙げておられた『観光』(古屋美登里訳、ハヤカワepi文庫)、それほど言うならと思い、私も読みました。 すんばらしい! のひとこと。久々に短篇集を一気読みしました。 何よりタイ系アメ…

第8回『殺意の楔』

87分署攻略作戦、第八回は『殺意の楔』です。このシリーズ、主な舞台はアイソラの街となっていますが、今回はそれをさらに絞り込み、ほとんどすべてのシーンが87分署の中で起こります。このような際立って動きの少ない作品で、マクベインは何を描こうとして…

ヴィレッジ・ブックス2月の新刊●2/19発売

探偵モデル・マケーデ2 魔性/COVENT タラ・モス(Tara Moss)/高月園子 訳 定価924円(税込)/2011年2月19日発売/ISBN978-4-86332-309-4探偵モデル・マケーデ2 魔性 (ヴィレッジブックス)作者: タラ・モス,高月園子出版社/メーカー: ヴィレッジブックス発売…

第四の刺客:カレン・マキナニー(その1)

さらば大都会ニューヨーク、そしてこんにちはカントリーライフ。そんなわけで「孤島ミステリーだよ」という触れ込みで読むことになったカレン・マキナニー『注文の多い宿泊客 〈朝食のおいしいB&B1〉』なのですが、うーん……孤島かぁ。孤島と言われると、ど…

第十四回はアーリーン・ファウラーの巻(執筆者・東野さやか)

先日、遅まきながら、ジル・チャーチルの『風の向くまま』を読みました。ニューヨークの安アパートで赤貧生活をしている兄妹に、ある日突然、大伯父が残した巨額の遺産相続の話が舞いこむのだけれど、相続対象である屋敷に10年間住むことという条件がついて…

鉄分たっぷりミステリー・ベスト5(執筆者:駒月雅子)

『アンストッパブル』公開記念! 魅惑の鉄分たっぷり翻訳ミステリー 皆様、こんにちは。鉄子です。乗り鉄です。鉄道は、摩訶不思議な方向感覚を持つ(つまり Houkou-Onchi)わたしにとって一番確実な移動手段であるばかりか、読んだり寝たり眺めたりと有意義…

講談社文庫2月の新刊●2/15発売

欺瞞の法則/Rules of Deception (2008) クリストファー・ライク (Christopher Reich) /北澤和彦訳 定価:上下各800円(税込)/発行年月日:2011/02/15 ISBN:(上)978-4-06-276894-8/(下)978-4-06-276895-5欺瞞の法則(上) (講談社文庫)作者: クリストフ…

この翻訳がすごい*個人の感想です(3)(執筆者・加賀山卓朗)

とある読書会で『修善寺物語』を読み、そのキャラの立ちまくりに感動して、岡本綺堂のファンになった。で、半七捕物帳を読みはじめたら、これがまたとても面白い。『筆屋の娘』なんて江戸の話なのにトリックが洋風でうっとり……。 ですがこのコーナーは翻訳が…

最新海外ミステリーニュース20110220(執筆者・木村二郎)

2011年アガサ賞候補作発表 Malice Domestic has announced the nominees for the 2011 Agatha Awards as follows: Lifetime Achievment Award(生涯功労賞) Sue Grafton ◆挟名紅治の、ふみ〜、不思議な小説を読んで頭が、ふ、沸騰しそうだよ〜 略して3F◆ …

東京創元社 2月の新刊

『第二の銃声』/The Second Shot アントニイ・バークリー(Anthony Berkeley)/西崎憲・訳 創元推理文庫/定価987円(税込)/2月12日/ISBN:978-4-488-12307-9 高名な探偵作家ヒルヤードの邸で、ゲストを招いて行われた推理劇。だが、被害者役を演じるス…

扶桑社発のひとりごと 20110218(執筆者・扶桑社T)

第7回 海外と日本の出版システムの大きなちがいとして、アドバンスと実売印税があるとご説明してきました。そしてその根本には、日本の再販制という、これまた大きな制度上のちがいがあったわけです。 ところで、この出版および流通システムの差が、本の売…

第八回 『殺人のH』

あ、あれ、おかしいぞ。前作であれだけ親密な仲になったはずのロバート・ディーツの名前が登場人物表の中にない。キンジーとロバートのその後の関係が気になっていたのだけれど、今回は出番なし? 考えてみればグラフトンって、キンジーの身近な登場人物に対…

第三の刺客:クレオ・コイル(その2)

いまいちというかまだまだというか、コージー・ミステリというジャンルのことがよくわからず日々頭を悩ませていますが、とりあえず今日は前回に引き続きクレオ・コイルの〈コクと深みの名推理シリーズ〉のお話。 前回のラストでコージー番長が「ローレンス・…

書評七福神の1月度ベスト発表!

書評七福神とは翻訳ミステリが好きでたまらない書評家七人のことなんである。 外出するのも億劫な厳寒の季節になりました。何か一冊、長すぎる夜のために、とお考えの方に、今月もこのコーナーをお届けします(遅くなってごめんなさい!)。 (ルール) この…

TVを消して本を読め!第十六回(執筆者・堺三保/挿絵・水玉螢之丞)

第16回 ちょーゆるゆるなおたくスパイアクション「チャック」 「24」のヒット以降、アメリカのテレビドラマには(科学捜査ものほどではないですが)次々にスパイものが登場しています。 たとえば、アメリカの情報機関を突然解雇され、裸一貫で生まれ故郷の…

小学館文庫2月の新刊●2/04発売

ザ・ブリーチ/The Breach (2010) パトリック・リー (Patrick Lee)/瓜生知寿子訳 定価:860円(税込)/発売日:2011/02/04 ISBNコード:9784094084696THE BREACH (小学館文庫)作者: パトリックリー,Patrick Lee,瓜生知寿子出版社/メーカー: 小学館発売日: 201…

この翻訳がすごい*個人の感想です(2)(執筆者・加賀山卓朗)

「ディック・フランシス入門」で五代ゆうさんも書いておられたとおり、あらゆる物書きの夢は、冒頭数行で読者の心を鷲づかみにすることである。 私が鷲づかみにされたのは、たとえば、ジム・トンプスンの代表作『ポップ1280』。こんなふうに始まります。 そ…

第二回翻訳ミステリー大賞二次投票要項・授賞式のご案内

2010年12月8日に発表された第二回翻訳ミステリー大賞の最終候補5作を対象とした二次投票のご案内です。 最終候補5作は以下のとおりです(作品名あいうえお順)。 『音もなく少女は』ボストン・テラン(文春文庫) 『古書の来歴』ジェラルディン・ブルック…

最新海外ミステリーニュース20110211(執筆者・木村二郎)

2011年バリー賞候補作発表!! George Easter of Deadly Pleasures Mystery Magazine has announced the nominees for the 2011 Barry Awards as follows: Best Novel(最優秀長篇賞) NOWHERE TO RUN, C. J. Box (Putnam) CROOKED LETTER, CROOKED LETTER, To…

第二回翻訳ミステリー大賞二次投票要項・授賞式のご案内

第二回翻訳ミステリー大賞二次投票要項 2010年12月8日に発表された第二回翻訳ミステリー大賞の最終候補5作を対象とした二次投票のご案内です。 最終候補5作は以下のとおりです(作品名あいうえお順)。 『音もなく少女は』ボストン・テラン(文春文庫) …

第7回『レディ・キラー』

今夜八時、レディを殺す。どうにかできるかい? 87分署の当直警部補、デイヴ・マーチスンが金髪の少年から上のような予告状を受け取ったことから、物語は幕を開く。一見単なる悪戯にしか見えない予告状、しかし、バーンズ警部はコットン・ホースにレディの捜…

アガサ・クリスティー攻略作戦 第四十五回(執筆者・霜月蒼)

候補じゃないけどこれも読め! 第5回 《ファージング》三部作(執筆者・野口百合子)

英雄たちの朝 (ファージングI) (創元推理文庫)作者: ジョー・ウォルトン,茂木健出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2010/06/10メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 71回この商品を含むブログ (57件) を見る暗殺のハムレット (ファージング?) (創元推理文庫)…

第3回『聖女の遺骨求む』

はぐれ修道士人情派 ─エリス・ピーターズ『聖女の遺骨求む』─ ずいぶん前、友人に「今、修道士カドフェルのシリーズを読んでるんだ」と言うと、「ああ、あの中世はぐれ刑事純情派」と軽く蹴られてなんだか複雑な気持ちになったことがある。(念のために言っ…

扶桑社文庫2月の新刊●2/01発売

策謀の法廷(上・下)/Double Tap (2005) スティーヴ・マルティニ(Steve Martini)/白石朗訳 定価各890円(本体価格各848円+税)/発行:2011/02/01 ISBN:(上)978-4594063504(下)978-4594063511策謀の法廷 (上) (扶桑社海外ミステリー)作者: スティー…