2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

アガサ・クリスティー攻略作戦 第六十一回(執筆者・霜月蒼)

エルロイ酒場・浅井ラボ選「これがノワールだ!」(執筆者・文藝春秋N)

さる8月24日、《ミステリ酒場》第2弾として、新作『アンダーワールドUSA』の刊行を機に《ジェイムズ・エルロイ酒場》が開かれました。 メインのゲストとして、暗黒ライトノベル作家の異名をとる浅井ラボさんと《アンダーワールドUSA三部作》の翻訳者…

悩み多き翻訳者の災難(執筆者・対馬妙)

悩み多き翻訳者の災難 第4回 エヴァン・バーチの巻 ここまで、私の翻訳ミステリライフ(?)をホームズ、マープル、ケラーとともに振り返ってきたが、きょうは私自身の訳書、ジョージ・ハラの『悩み多き哲学者の災難』の主人公、エヴァン・バーチについて書…

ヴィレッジ・ブックス8月の新刊

ビューティ・キラー3 悪心(あくしん)/Evil at Heart(2009) チェルシー・ケイン(Chelsea Cain)/高橋恭美子訳 定価903円(税込)/2011年8月20日発売 ISBN978-4-86332-336-0ビューティ・キラー3 悪心作者: チェルシー・ケイン,高橋恭美子出版社/メーカー: …

2011年8月度カンパご報告

以下の方よりカンパをちょうだいしました。 ナワカオリ様 ヨダヨウ様 心よりお礼申し上げます。 翻訳ミステリー大賞シンジケート事務局

【再掲】『チャイルド44』のトム・ロブ・スミス来日!

『チャイルド44』のトム・ロブ・スミス来日! レオ・デミドフ三部作完結編『エージェント6』(新潮文庫)刊行を記念して、著者のトーク&サイン会が催されます。ゲストは翻訳者の田口俊樹氏! ■開催日時:2011年9月6日(火)19:00〜 (開場18:30) ■場所:丸…

扶桑社発のひとりごと 20110826(執筆者・扶桑社T)

第18回 前回は、著作権におけるアメリカの特殊な立場を概観しました。今回は、アメリカと日本との関係をたどってみたいと思います。 アメリカがベルヌ条約に加入しなかったため、ヨーロッパをはじめとする国々はアメリカと個別に著作権の取り決めをしなけれ…

この思い、あの人に届け! 第1回『検屍官』(執筆者・狭名紅治)

「スー・グラフトンの次は、サラ・パレツキーじゃないの???」そう思った人、手を挙げて。はあい、実は私もシンジケート上層部からの命令が下った時に、そう思いました。そもそも、P・コーンウェルの「検屍官」シリーズが3Fミステリーにカテゴライズさ…

第2回翻訳ミステリ酒場いよいよ本日。今回はジェイムズ・エルロイ酒場!

杉江松恋(以下、杉江) いよいよ明晩(というか今夜)開催ということですがミステリ酒場第二弾「ジェイムズ・エルロイ酒場」。豪華ゲストを招聘して、私の中ではだいぶ盛り上がっているわけですよ。※プロモーションビデオはコチラ 霜月蒼(以下、霜月) 改…

初心者のためのP・G・ウッドハウス入門(執筆者・森村たまき)

「ああ、ジーヴス。ちょっといいかな?」 「はい、ご主人様」 「いま書いてるこの小論なんだが、できたら助言をもらえないかなあ」 ペンを置き、ひたいを押さえながら、僕は言った。おそらくひどく途方に暮れた顔をしていたにちがいない。僕の顔を見て二ミリ…

悩み多き翻訳者の災難(執筆者・対馬妙)

悩み多き翻訳者の災難 第3回 ジョン・ケラーの巻 月日は流れ、30代もなかばをすぎて翻訳者養成学校に通いはじめた私が寝食を忘れて読み耽った翻訳ミステリがある。恩師、田口俊樹氏の翻訳によるローレンス・ブロックの作品だ。そこできょうはブロックが創…

講談社文庫8月の新刊

デーモン(上・下)/ Daemon (2009) ダニエル・スアレース (Daniel Suarez)/上野元美訳 上下各定価(税込):860円/発行年月日:2011/08/12 ISBN:978-4-06-277029-3 (上)/ISBN:978-4-06-277030-9 (下)デーモン(上) (講談社文庫)作者: ダニエル・スアレー…

最新海外ミステリーニュース20110820【その2】(執筆者・木村二郎)

2011 CWA DAGGER AWARD SHORTLISTS (Part 2) The Crime Writers' Association of Britain has announced the shortlists for the second batch of the 2011 CWA Dagger Awards as follows: Gold Dagger: Crooked Letter, Crooked Letter, by Tom Franklin (M…

最新海外ミステリーニュース20110820【その1】(執筆者・木村二郎)

2011 SHAMUS AWARD NOMINEES The Private Eye Writers of America has announced the nominees for the 2011 Shamus Awards as follows: Best Hardcover P.I. Novel: No Mercy, by Lori Armstrong (Touchstone) The First Rule, by Robert Crais (Putnam) Vo…

翻訳ミステリー長屋かわら版・第18号

田口俊樹 最高級短パンを新調しました。 田口家御用達のイトーヨーカ堂で。 店員さんに勧められるまま新素材のやつを買いました。 いやあ、これが実に快適。 店員さんの言ってたとおりとても涼しい。 通気性が抜群なんですね。 日夜こういう生地の研究をして…

第2回『過去からの弔鐘』の巻(後篇)(田口俊樹+H書房N&Y)

■シリーズ第1作『過去からの弔鐘』の巻・後篇です。前篇はこちら。過去からの弔鐘 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)作者: ローレンス・ブロック,田口俊樹出版社/メーカー: 二見書房発売日: 1987/04/21メディア: 文庫この商品を含むブログ (8件) を見…

アガサ・クリスティー攻略作戦 第六十回(執筆者・霜月蒼)

クルーガー『闇の記憶』を読め!(執筆者・矢口誠)

ぼくはシリーズ物のミステリがキライである。 とはいっても、昔のシリーズ物は話がべつだ。ポアロ物とかリュウ・アーチャー物とかモース警部物なんかは、作品がどれも完全に自立している。シリーズの4作目から読もうと12作目から読もうとぜんぜん問題ない。…

TVを消して本を読め!第二十二回(執筆者・堺三保/挿絵・水玉螢之丞)

第22回 3人のクルト・ヴァランダーと4人のマルティン・ベック 『ミレニアム』三部作のスティーグ・ラーソン(お亡くなりになったのが残念)、『催眠』『契約』のラーシュ・ケプレル、『悪童』などのエリカ&パトリック事件簿シリーズのカミラ・レックバリ…

武田ランダムハウスジャパン8月の新刊

天使の護衛/The Watchman (2007) ロバート・クレイス (Robert Crais) /村上和久訳 定価:998円(税込)/刊行日:2011/08/10 ISBN:978-4-270-10393-7天使の護衛 (RHブックス・プラス)作者: ロバートクレイス,村上和久出版社/メーカー: 武田ランダムハウス…

悩み多き翻訳者の災難(執筆者・対馬妙)

悩み多き翻訳者の災難 第2回 ジェーン・マープルの巻 小6で翻訳ミステリの魅力に目覚めた私(※詳しくは第1回をご参照ください)が、中高生のころ夢中になったのはアガサ・クリスティー。最初に読んだのがたまたま『パディントン発4時50分』だったせい…

【再掲・予告】「読書の秋の名探偵」(仮称)開催準備中!

みなさん、夏休みをいかがお過ごしですか? 翻訳ミステリー大賞シンジケートにとって、夏と言えば――昨年おこなわれたあの企画、今年はどうなるのかと待ちかねていたかたもたくさんいらっしゃるでしょう。 そう、「真夏の読書探偵」です! 「挑戦状 真夏の読…

『チャイルド44』のトム・ロブ・スミス来日!

『チャイルド44』のトム・ロブ・スミス来日! レオ・デミドフ三部作完結編『エージェント6』(新潮文庫)刊行を記念して、著者のトーク&サイン会が催されます。ゲストは翻訳者の田口俊樹氏! ■開催日時:2011年9月6日(火)19:00〜 (開場18:30) ■場所:丸…

扶桑社発のひとりごと 20110812(執筆者・扶桑社T)

第17回 前回は、国際的な著作権の取り決めであるベルヌ条約と日本の関係についてお話ししましたが、最後にすこし触れたように、アメリカはこのベルヌ条約に1989年まで加入しませんでした。 今回は、そのアメリカの著作権状況について考えます。 19世紀…

第十九回 スー・グラフトンを総括する!(執筆者・挟名紅治)

この間、ある知人がニッキ・フレンチの新作『生還』についてこんな感想を漏らしていた。「第一部の監禁されて逃げるところまではいいんだけどねえ、その後の主人公の私生活の場面が冗長で、途中でダレちゃったんだよねえ」 おっ、と私は思ってしまった。『生…

新潮文庫8月の新刊

生、なお恐るべし/The Terror of Living (2011) アーバン・ウェイト(Urban Waite)/鈴木恵訳 税込価格:820円/2011年07月28日発売 ISBN:9784102179215 生、なお恐るべし (新潮文庫)作者: アーバンウェイト,Urban Waite,鈴木恵出版社/メーカー: 新潮社…

アガサ・クリスティー攻略作戦 第五十九回(執筆者・霜月蒼)

第十九回はケイト・チャールズの巻(執筆者・東野さやか)

ふとしたはずみで、「そういえばあの作家はいまどうしているんだろう?」と気になることがあります。もちろん、自分がこれまで手がけた作家や大好きな作家は定期的にウェブサイトに目を通し、ニュースレターを受信するなどチェックを怠りませんが、これまで…

悩み多き翻訳者の災難(執筆者・対馬妙)

悩み多き翻訳者の災難 第1回 シャーロック・ホームズの巻 私が生まれて初めて読んだ翻訳ミステリは、忘れもしない、コナン・ドイルの『緋色の研究』。ワトソンを見るなり「アフガニスタン帰りですね」とその経歴を言い当てるシャーロック・ホームズにいたく…

東京創元社 7月の新刊 

『感謝祭の勇敢な七面鳥』/Turkey Day Murder レスリー・メイヤー(Leslie Meier)/高田惠子・訳 創元推理文庫/ 定価966円(税込)/7月9日/ISBN: 978-4-488-24809-3 週刊新聞の記者として、(ニワトリの)大量殺戮犬の聴聞会の取材をしていたルーシーだ…