2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

新潮社 5月の新刊

『カストロ謀殺指令』(上・下)/The Betrayal Game デイヴィッド・L・ロビンズ(David L. Robbins)/村上和久・訳 新潮文庫/定価:本体各590円(税別)/ ISBN:上巻=978-4-10-221930-0 下巻=978-4-10-221931-7 完全無欠な暗殺計画。歴史を変えた一発…

新潮社発のひとりごと(執筆者・わ)

2010年4月20日、火曜日。 私は2日目を迎えたロンドン・ブックフェアの会場、アールズ・コートでひとり、思いを巡らしていた。 アイスランドの火山噴火で、アメリカの権利者とのミーティングは半数以上がキャンセルされている。フェアに参加しているのは、…

集英社文庫4月の新刊

『ER 研修医たちの現場から』/Bloodletting & Miraculous Cures ヴィンセント・ラム(Vincent Lam)/雨沢泰・訳 集英社文庫/ 定価950円(税込)/4月20日/ISBN: 978-4-08-760602-7 「じっくり読み込んでみたい期待の一冊」 都立墨東病院救命救急センター…

20100427(執筆者・木村二郎)

2010 Arthur Ellis Award Nominees The Crime Writers of Canada has announced the 2010 Arthur Ellis Awards Shortlist as follows:Best Crime Novel Anthony Bidulka - Aloha, Candy Hearts (Insomniac Press) R.J. Harlick - Arctic Blue Death (RendezV…

『パイは小さな秘密を運ぶ』(執筆者・上條ひろみ)

『パイは小さな秘密を運ぶ』 アラン・ブラッドリー/古賀弥生訳 創元推理文庫パイは小さな秘密を運ぶ (創元推理文庫)作者: アラン・ブラッドリー,古賀弥生出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2009/11/20メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 8回この商品を含…

会心の訳文・第十四回(執筆者・日暮雅通)

う〜む。これは推理作家協会のリレーコラムで加藤さんを指名したリベンジだろうか(笑)……一番書きたくないコラムに連れて来られちゃったなぁ……。 ホームズもので「会心の訳文」? それは畏れ多いというか、うるさい人が多いからねぇ……。ついでながら、ひと…

クリストファー・ブルックマイア『殺し屋の厄日』その1(執筆者・杉江松恋)

殺し屋の厄日 (ヴィレッジブックス)作者: クリストファーブルックマイア,Christopher Brookmyre,玉木亨出版社/メーカー: ヴィレッジブックス発売日: 2007/04メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (4件) を見る 史上最低最悪の殺人現場へようこ…

クリストファー・ブルックマイア『殺し屋の厄日』その2(執筆者・杉江松恋)

(承前) 二つめは、アメリカ製のクライム・コメディの要素だ。特にカール・ハイアセン。突拍子もない奇人が物語の中をうろつきまわり(ヒーローさえも奇人だ)、真っ直ぐに進むべきプロットをねじ曲げていくというやり方は、明らかにハイアセンの影響を受け…

早川書房 4月の新刊

『ラスト・チャイルド』/The Last Child ジョン・ハート(著)/東野さやか(訳) 〈ハヤカワ・ミステリ1836〉定価1680円(税込) ISBN: 978-4-15-001836-8 ハヤカワ・ミステリ文庫 上下巻 定価・各840円(税込) ISBN: 978-4-15-176703-6 ISBN: 978-4-15-17…

『アガサ・クリスティーの秘密ノート』刊行記念 杉江松恋の○○トーク(まるまるとーく) VOL.1 ゲスト:羽田詩津子さんと、クリスティートーク・リポート

2010年4月20日、青山ブックセンター六本木店にて、]『アガサ・クリスティーの秘密ノート』刊行記念 杉江松恋の○○トーク(まるまるとーく) VOL.1 ゲスト:羽田詩津子さんと、クリスティートークが開催されました。アガサ・クリスティーの秘密ノート(上)(ハヤ…

東京創元社 4月の新刊

『僧正殺人事件【新訳版】』/The Bishop Murder Case S・S・ヴァン・ダイン(S. S. Van Dine)/日暮雅通・訳 創元推理文庫/ 定価945円(税込)/4月11日/ISBN: 978-4-488-10314-9 だあれが殺したコック・ロビン? 「それは私」とスズメが言った──。四…

産経新聞に翻訳ミステリー大賞に関する記事が掲載されました。

4月19日朝刊に第1回翻訳ミステリー大賞がドン・ウィンズロウ『犬の力』に決定したことなどの記事が掲載されました。 プロの翻訳家が選ぶ異色のミステリー大賞 第1回受賞作に「犬の力」 また、現在発売中の「本の雑誌」五月号では当サイト管理人兼編集人…

SRの会による2009年度のベスト・ミステリ発表

ミステリ愛好者の会である「SRの会」による 2009年度のベスト・ミステリの投票が行なわれ、 会誌《SRマンスリー》4月号(369号)にその結果が発表された。 対象となったのは、2009年1月1日から12月末日までに日本国内で刊行された国内外のミステリであ…

嶋田洋一のイチ押し本

主戦場はSFなのだが、ミステリー戦線にもときどき顔を出すことがある。SFミステリー的な作品や、クロス・ジャンル作家の作品ということが多い。ミステリー専業作家が書いたミステリーというのは、実はほとんど翻訳した経験がない。 ご紹介したいのはマイ…

武田ランダムハウスジャパン発のひとりごと(編集部A)

皆さま、どうも初めまして。武田ランダムハウスジャパン、編集部のAです。 武田ランダムハウスジャパン? はて、聞きなれない出版社だな。 それって岡田ジャパンみたいなこと? そう思われた方も多いのではないでしょうか。この4月よりランダムハウス講談…

講談社文庫 4月の新刊

『エコー・パーク』上・下/Echo Park マイクル・コナリー/古沢嘉通訳 ISBN 978-4-06-276627-2(上)978-4-06-276628-9(下)/4月15日発売 講談社文庫/定価・上下各800円 ボッシュ・シリーズ最高傑作! 殺人鬼は不敵に告白する 司法取引で明かされた衝撃…

20100413(執筆者・木村二郎)

Spotted Owl Award Winner AnnouncedFriends of Mystery, the mystery fan group based in Portland, Oregon, has announced that Alan Bradley is the winner of the 2010 Spotted Owl Award for THE SWEETNESS AT THE BOTTOM OF THE PIE (Delacorte Press)…

アガサ・クリスティー攻略作戦 第十四回(執筆者・霜月蒼)

初心者のためのマイクル・コナリー入門その1(執筆者:古沢嘉通)

〈序〉 もしもあなたが国産、海外を問わず、ミステリ系の娯楽小説が好きな人で、なおかつコナリーを一度も読んだことがないなら、あなたは幸運だ。 最新刊、2010年4月刊行の『エコー・パーク』まで、17冊の邦訳長篇があなたを待っている。そのほぼすべてが水…

初心者のためのマイクル・コナリー入門その2(執筆者:古沢嘉通)

〈急〉 さて、ここから赤裸々な話をするが、日本でコナリーの翻訳が出なくなる可能性がある。少なくともわたしの翻訳ではなくなるかもしれない。後者に関して言えば、おまえの翻訳でなんか読みたくない、もっと上手な翻訳家の流麗な訳文で読みたいと思ってお…

会心の訳文・第十三回(執筆者・加藤洋子)

だいぶ昔、大橋巨泉が司会を務める『クイズダービー』(最盛期の1979年から81年にかけて平均視聴率30パーセント!)という番組があったのを、憶えておられる方も多いだろう。いまでも忘れられない一問がある。南極観測隊の越冬隊員に新婚の妻が打っ…

文藝春秋 4月の新刊

『沼地の記憶』/Master of the Delta トマス・H・クック/村松潔訳 ISBN 9784167705850/4月9日発売 文春文庫/定価860円 あの名作《記憶シリーズ》の哀切と慟哭、ふたたび! 過ぎ去った日の悲劇が、いまもわたしを苦しめる。 かの《記憶シリーズ》で日本…

国書刊行会発のひとりごと(国書刊行会編集部A)

皆様はじめまして。国書刊行会のAと申します。 そこそこ年はいっている中途採用社員とはいえ、まだ勤続年数1年という新米が、こんなところで駄文を書き連ねて良いものでしょうか。前回、Iに面接ネタを書かれてしまったし、何を書いて良いのやら。 とりあえず…

TVを消して本を読め!第六回(執筆者・堺三保)

第6回「騙しあいにご用心」 翻訳ミステリファンの皆さんならコン・ゲームという言葉はご存じですよね。「騙すか、騙されるか」という詐欺師に代表される知能犯の犯罪を描いた作品のことで、基本的に暴力を使わないこともあって、ユーモラスなコメディ仕立て…

『アガサ・クリスティーの秘密ノート』刊行記念 杉江松恋の○○トーク(まるまるとーく) VOL.1 ゲスト:羽田詩津子さんと、クリスティートークのお知らせ

2004年、世界的ミステリ作家アガサ・クリスティーの別荘だったグリーンウェイ・ハウスが整理され、そこから未発表の短篇2篇を含む、クリスティーの創作ノートが発見されました。 クリスティー研究家ジョン・カランが、5年の歳月をかけてそれらのノートを読み…

アガサ・クリスティー展の内覧会リポート

2010年はアガサ・クリスティーの生誕120周年にあたります。3月16日、その120周年記念プロジェクトの一環で行なわれたアガサ・クリスティー展の内覧会に行ってきました。いきなりうしろからナマ孫(クリスティーの孫マシュー・プリチャード)! 幅のよい上品…

20100406(執筆者・木村二郎)

2010 Thriller Award Nominees The International Thriller Writers (ITW) organization has announced its nominees for the 2010 Thriller Awards as follows: Best Hardcover Novel Vanished, by Joseph Finder (St. Martin's Press) Long Lost, by Harla…

 ご近所ミステリの逆襲──本当は怖いコージーミステリ・ベスト5(執筆者・大矢博子)

『ピーナッツバター殺人事件』(「老人たちの生活と推理」シリーズ) コリン・ホルト・ソーヤー/中村有希訳 創元推理文庫ピーナッツバター殺人事件 (創元推理文庫)作者: コリン・ホルト・ソーヤー,中村有希出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2005/06/11メ…

渡辺庸子のイチ押し本

古時計の秘密 (創元推理文庫)作者: キャロリンキーン,Carolyn Keene,渡辺庸子出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2007/11メディア: 文庫 クリック: 14回この商品を含むブログ (26件) を見る もともと面白ければなんでもありの乱読派ではあるけれど、どのジ…

『億万長者の殺し方教えます』(執筆者・上條ひろみ)

『億万長者の殺し方教えます』 ナンシー・マーティン/戸田早紀訳 ハヤカワ・イソラ文庫億万長者の殺し方教えます―ブラックバード姉妹の事件簿 (イソラ文庫)作者: ナンシーマーティン,Nancy Martin,戸田早紀出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/02/10メデ…