2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

早川書房 1月の新刊

『午前零時のフーガ』/Midnight Fugue レジナルド・ヒル(著)/松下 祥子(訳) ISBN:978-4-15-001843-6/刊行日:2011/01/07 定価1,890円(税込)/ハヤカワ・ミステリ ダルジール警視シリーズ最新作! ダルジールは周囲の反対を押し切って職場に復帰し…

初心者のためのカミ入門 第1回(その3)(執筆者ピエール・アンリ・カミ・高野優)

それでは最後に雑誌《新青年』に掲載されたカミの作品を年代順にご紹介します。 *********************************** 新青年 新青年.複製版 第8巻1号・2号(1927年1月号・新春増刊号)から第9巻5号・6号(1928年4月号…

集英社文庫1月の新刊●1/20発売

虐待 コクウィットラム連邦警察署ファイル/THE FRAILTY OF FLESH (2008) サンドラ・ラタン(SANDRA RUTTAN)/中井京子・訳 集英社文庫/定価1050円(税込)/1月20日 ISBN:9784087606188 虐待 (コクウィットラム連邦警察署ファイル) (集英社文庫)作者: サ…

扶桑社発のひとりごと 20110128(執筆者・扶桑社T)

第6回 前回、海外と日本の出版システムの大きなちがいについてお話ししました。それは、アドバンス(印税前払金)を払うことと、実売で印税を計算することでした。そして、このような異なるシステムの狭間に立つ翻訳出版には、いろいろな困難がともなうので…

武田ランダムハウスジャパン1月の新刊●1/7発売

チェリーパイの困った届け先―卵料理のカフェ2―/Eggs Benedict Arnold (2009) ローラ・チャイルズ/東野さやか訳 ISBN:978-4-270-10374-6/定価:924円(税込) 刊行日:2011/01/07チェリー・パイの困った届け先 卵料理のカフェ2 (RHブックス・プラス)作…

第6回『殺しの報酬』

87分署シリーズ第六作『殺しの報酬』です。前作『被害者の顔』でもかなり好意的な評価をつけましたが、この作品を読んでマクベインも一皮むけたなと確信しました。ことここに至ってもはや前置きは不要でしょう。さっそくあらすじをご紹介したいと思います。 …

アガサ・クリスティー攻略作戦 第四十四回(執筆者・霜月蒼)

候補じゃないけどこれも読め! 第3回『螺旋』(執筆者・羽田詩津子)

螺旋作者: サンティアーゴパハーレス,木村榮一出版社/メーカー: ヴィレッジブックス発売日: 2010/02/27メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 127回この商品を含むブログ (36件) を見る 『螺旋』はスペインの新人作家サンティアーゴ・バハーレスがなんと弱冠…

第十三回はティム・ウィロックスの巻(執筆者・高橋知子)

十数年まえ、ティム・ウィロックスの『グリーンリバー・ライジング』や『ブラッド・キング』に魅せられた方がきっといらっしゃるでしょう。心臓に重い拳を食らわすかのような冒頭、灼熱のクライム街道を突っ走るストーリー、そこに繰りひろげられる人間模様…

収支報告(2010年12月末まで)

翻訳ミステリー大賞シンジケート発足から2010年12月末までの収支報告をいたします。 収入の部金額(円)備考 カンパ資金459,213(郵便振替・現金・金券) 第1回読書会(2/10)参加費14,000 大賞授賞式(3/20)参加費634,000 第2回読書会(9/22)参加費30,4…

初心者のためのカミ入門 第1回(その2)(執筆者ピエール・アンリ・カミ・高野優)

それでは今度は書籍のほうにまいりましょう。 なんとなく文章の調子が真面目になりすぎているのが気になりますが、情報紹介が多くなっているので、なかなか冗談が入りません(←カミを紹介するなら冗談まじりにしなければ、と思いこんでいる生真面目な高野)…

3都市連続読書会、いよいよ開催! 大阪は締め切り間近、東京も残席わずか!

翻訳ミステリー大賞シンジケートが主催する読書会の第3回が、下記の要領で開かれます。 今回はなんと―― 東京、福岡、大阪の3都市での同一週連続開催です! 大阪は満席につき締め切り、東京も残席わずか! 場所日時会場(*)時間(予定) 東京1月25日(火)渋谷駅…

翻訳ミステリー長屋かわら版・第6号(その2)

今回は「よい翻訳、すぐれた翻訳とはどういうものか」というテーマで全員が書きました。メンバーの一員、田口俊樹の文章のみ、ここに分けて掲載します。ほかの6人については、下の(その1)をご覧ください。 田口俊樹 自分のことは棚に上げ、おもに三人称…

翻訳ミステリー長屋かわら版・第6号(その1)

今回は、「よい翻訳、すぐれた翻訳とはどういうものか」というテーマで、7人の翻訳者が書いてみました。こんなふうにお題を決めて書くということを、今年はときどきやっていく予定です。なお、メンバーの一員、田口俊樹の文章のみ、長大なので午後に掲載さ…

最新海外ミステリーニュース20110120(執筆者・木村二郎)

MWA(アメリカ探偵作家クラブ)エドガー賞 最終候補作発表 2011 Edgar Award Nominees Announced Mystery Writers of America is proud to announce on the 202nd anniversary of the birth of Edgar Allan Poe, its Nominees for the 2011 Edgar Allan P…

第六回 『逃亡者のF』

前作『証拠のE』ではキンジーの悲しき「おひとりさま」の姿をたっぷりと堪能することができた。さて、『逃亡者のF』で寂しきキンジーの心は癒されているのでしょうか?逃亡者のF (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: スー・グラフトン,嵯峨静江出版社/メーカー:…

アガサ・クリスティー攻略作戦 第四十三回(執筆者・霜月蒼)

候補じゃないけどこれも読め! 第2回『ラスト・チャイルド』(執筆者・古屋美登里)

ラスト・チャイルド(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: ジョン・ハート,東野さやか出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/04/30メディア: 文庫 クリック: 16回この商品を含むブログ (45件) を見るラスト・チャイルド(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: ジ…

TVを消して本を読め!第十五回(執筆者・堺三保/挿絵・水玉螢之丞)

第15回 ホームズ譚を現代化した、野心的なリメイク作品「シャーロック」 ちょうど去年の今頃、この連載で、シャーロック・ホームズについて書いていたのですが、皆さんご記憶でしょうか? あの頃は、ちょうどガイ・リッチー監督版の映画「シャーロック・ホー…

初心者のためのカミ入門 第1回(その1)(執筆者ピエール・アンリ・カミ・高野優)

執筆者近影? こんにちは、ピエール・アンリ・カミ・高野(←今、勝手に名乗った)こと、高野優です。このコーナーではフランス文学界が生んだ奇才、あのチャップリンが「世界最高のユーモア作家」と呼んだピエール=アンリ・カミについて、お気楽に紹介した…

第3回読書会、開催迫る!

翻訳ミステリー大賞シンジケートが主催する読書会の第3回が、下記の要領で開かれます。 今回はなんと―― 東京、福岡、大阪の3都市での同一週連続開催です! 場所日時会場(*)時間(予定) 東京1月25日(火)渋谷駅近辺18:30開場 19:00開始 21:00終了 福岡1月27日…

新潮文庫1月の新刊

遥かなる未踏峰(上・下)/Paths of Glory (2009) ジェフリー・アーチャー(Jeffrey Archer)/戸田裕之・訳 新潮文庫/定価:本体上=667円 下=590(税別) 発売日: 2011/01/01 ISBN:上巻=978-4-10-216130-2 下巻=978-4-10-216131-9遥かなる未踏峰〈上…

扶桑社発のひとりごと 20110114(執筆者・T)

第5回 この連載では、いろいろと出版の裏側をお話ししています。 なんだか不景気な内容ですみません。でも、こういった点を知っていただければ、いわゆる「出版不況」についても理解を深めていただけるのではないかと思うのです。 さて、前回までは、出版社…

第5回『被害者の顔』

87分署シリーズ第五作『被害者の顔』です。英題は"Killer's Choice"、つまり「殺人者の選択」ですが、色々な意味で邦題の方が作品の本質を指しているように思えます。タイトルについての具体的な説明はさておき、先にあらすじを紹介してしまいましょう。被害…

第二の刺客:J・B・スタンリー(その3)

明けましておめでとうございます。日本にコージー・ミステリがあればおせち料理なんかが格好のネタになるのかしら、などと思いながら正月を過ごしていました。と、そんなこととは全く関係なく〈ダイエットクラブ・シリーズ〉の第三作、J・B・スタンリー『…

東京創元社 1月の新刊

『ディーン牧師の事件簿』/The Mysteries of Reverend Dean ハル・ホワイト(Hal White)/高橋まり子・訳 創元推理文庫/定価1050円(税込)/1月8日/ISBN:978-4-488-22003-7 八十歳を迎えたのを機に牧師の任を退き、愛犬とともに静かな老後を送るはずだ…

角川文庫12月の新刊●12/25発売

シャーロック・ホームズの回想/The Memoirs of Sherlock Holmes (1894) コナン・ドイル (Conan Doyle) /駒月雅子訳 定価(税込):620円発売日:2010年 12月 25日 ISBN 978-4-04-298214-2シャーロック・ホームズの回想 (角川文庫)作者: コナン・ドイル,え…

候補じゃないけどこれも読め! 第1回『逆光』(執筆者・大森望)

第2回翻訳ミステリー大賞の最終候補作5作が選出されましたが、昨年度は5作ではおさまりきらないほど傑作や話題作が数多く刊行されました。そのことは1月9日に当サイトに掲載した「【再掲】第2回翻訳ミステリー大賞 一次投票の結果全公開!」でもおわか…

初心者のためのディック・フランシス入門(執筆者・五代ゆう)

数年前、私は自分が審査員を務めていたとあるライトノベル新人賞のパーティの二次会で、となりに座った受賞者の若い作家に、「これから読んでおくといいお薦めの本はありますか」と訊かれた。私はすぐに答えた。 「ああ、それならディック・フランシスがお薦…

2010年12月度カンパご報告

以下の方よりカンパをちょうだいしました。 心からお礼申し上げます。 ヨダ・ヨウさま 合計金額(2011年1月8日現在)――445549円 カンパは以下の口座にお願いいたします。 ゆうちょ銀行口座番号――00140−4−654951口座名称(漢字)――翻訳…