2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

第十回 『裁きのJ』

前回は震災の影響でお休みしてごめんなさい。計画停電や原発事故など、落ち着かない日々が続きますが、そんな時こそ翻訳ミステリを語らうことで英気を養おうではありませんか?というわけでふみ〜、これからもよろしくお願いします。 さてさて、今回は第十作…

集英社文庫2月の新刊●2月18日

魔女遊戯/〓ri〓ja t〓kni〓 イルサ・シグルザルドッティル ( Yrsa Sigur〓ard〓ttir )/ 戸田裕之・訳 集英社文庫/定価980円(税込)/発売日:2011年2月18日 ISBN:9784087606195 魔女遊戯 (集英社文庫)作者: イルサ・シグルザルドッティル,戸田裕之出版…

最新海外ミステリーニュース20110330(執筆者・木村二郎)

2011 Dilys and Lefty Award Winners Louise Penny Wins Dilys The Independent Mystery Booksellers Association has announced that BURY YOUR DEAD, by Louise Penny (Monotaur Books) is the winner of the 2011 Dilys Award for for the book its membe…

アガサ・クリスティー攻略作戦 第四十八回(執筆者・霜月蒼)

TVを消して本を読め!第十七回(執筆者・堺三保/挿絵・水玉螢之丞)

第17回 善人ゼロのバイカーギャングドラマ「サンズ・オブ・アナーキー」 私はどうにもアメリカの田舎が恐いのです。 日本の田舎なんか、比べものにならない恐ろしさが、アメリカの田舎町にはあるような気がしてなりません。 日本の田舎というと、何か牧歌的…

こんな本を読んで、こんな本を訳してきた(その3)(執筆者・白石朗)

――前にもきいた気がするんですけど忘れたのでもう一度。自分が訳したキングの作品のなかでいちばん好きなのは―― 白石 (即答)『アトランティスのこころ』。長篇の長さがある第一部にくわえて、長さも主人公もさまざまな中短篇が組みあわされた変則的な構成…

第2回翻訳ミステリー大賞最終選考 締め切り迫る!

2010年12月8日に発表された第二回翻訳ミステリー大賞の最終候補5作を対象とした二次投票のご案内です。残念ながら授賞式とコンベンションは中止になってしまいましたが、開票と賞の発表は予定どおりにおこないますので、どうぞよろしくお願い申しあげます…

ジム・トンプスン祭り、締め切り。

おかげさまで多くのみなさまからお申し込みいただき、 4月13日のジム・トンプスン祭りは定員に達しました。 誠に申し訳ありませんが、締め切らせていただきます。 今後は、キャンセル待ちとなりますので、 ご了承ください。 翻訳ミステリー大賞事務局 詳細…

翻訳ミステリー長屋かわら版・第10号

田口俊樹 寄付をしました。たぶん生まれて初めて。競馬、パチンコにおける回収不能な額を考えると、あまりにちょびっとなんですが。それでも、なんかいい人になった気分でした。それまた額に見合ってちょびっとながら。 ただ、赤十字のHPを見て、ネットで…

第10回『キングの身代金』

87分署シリーズ攻略作戦、第十回『キングの身代金』です。マクベイン作品の中でも傑作として名高い作品ですが、その小説としての評価に間違いはないという点を確認できました。疵も少ないし。ただ、「警察捜査」小説としては若干物足りない部分も……。 グレン…

ヴィレッジ・ブックス3月の新刊●3/19発売

乾杯は緋色のワインで/BLOOD VINES エリカ・スピンドラー(Erica Spindler)/酒寄晴子訳 定価924円(税込)/2011年3月19日発売 ISBN:9784863323131 乾杯は緋色のワインで (ヴィレッジブックス)作者: エリカ・スピンドラー,酒寄晴子出版社/メーカー: ヴィレッ…

第五の刺客:アンナ・マクリーン(その1)

前回、コージー番長・杉江松恋にコージーの「お仕事小説」としての面を指摘されていたく感得。現代の海外ミステリ・シーンにおける主人公は犯罪者と相対する職業に就いている者(警官、弁護士、私立探偵などなど)がかなりの割合を占める。それが良い悪いと…

【アガサ・クリスティー攻略作戦】ポアロ篇&マープル篇・題名インデックス

霜月蒼氏による当サイトの大人気連載【アガサ・クリスティー攻略作戦】は、3月2日の第46回でエルキュール・ポアロ篇とミス・マープル篇がおわりました。 次回からはトミーとタペンス篇がはじまる予定ですが、ここでポアル&マープル篇で取り上げられた作…

「第2回翻訳ミステリー大賞最終選考」投票期日のお知らせ

2010年12月8日に発表された第二回翻訳ミステリー大賞の最終候補5作を対象とした二次投票のご案内です。残念ながら授賞式とコンベンションは中止になってしまいましたが、開票と賞の発表は予定どおりにおこないますので、どうぞよろしくお願い申しあげます…

第2回「翻訳ミステリー大賞」授賞式およびコンベンション中止のお知らせ

まずはこのたびの未曾有の天災の被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。 さて、かねてより準備してまいりました授賞式およびコンベンションですが、去る3月11日の東北地方太平洋沖地震の発生を受け、今般事務局内で話し合った結果、今年は中止や…

扶桑社発のひとりごと 20110318(執筆者・扶桑社T)

第9回 震災お見舞い申しあげます。 余震のつづく、東京都港区海岸1丁目のビル7階にある扶桑社からお送りします。 前回、エージェント制度のなかでどのように新人がデビューするかを見てきました。 いまとなっては著名な作家も、はじめはエージェントから…

番外篇 休載お詫び

こんにちは、挟名紅治です。本来なら今週『裁きのJ』の読書日記を掲載する予定だったのですが、東日本を襲った震災による事情で、誠に勝手ながら今回は掲載を見送ることになりました。 連載を始めて以来、ツイッター等で多くの方からご感想をいただいており…

最新海外ミステリーニュース20110317(執筆者・木村二郎)

2011 Spotted Owl Awards Announced! Dana Haynes has been named the winner of 2011 Spotted Owl award for his novel Crashers. Haynes has worked for 20 years in Oregon newspaper newsrooms, and is currently the Public Affairs Manager for Portla…

新潮文庫3月の新刊●3/1発売

13時間前の未来(上・下)/The 13th Hour リチャード・ドイッチ(Richard Doetsch)/佐藤耕士・訳 新潮文庫/定価:本体上=629円 下=590(税別) ISBN:上巻=978-4-10-217831-7 下巻=978-4-10-217832-413時間前の未来〈上〉 (新潮文庫)作者: リチャー…

第四の刺客:カレン・マキナニー(その2)

シリーズ第一作の『注文の多い宿泊客』では筆者の中では主人公の行動についての違和感が大きかったためにそこを中心に書いたけれど、私自身がコージー・ミステリのよき読者ではないので内心ビクビクです。本当は何か意味があってわざと主人公のことをエキセ…

第八回『ハンターズ・ラン』の巻(執筆者・東京創元社S)

みなさんこんにちは。最近お仕事で翻訳ミステリ業界のひとに会うと「ああ、あのラムネの……」といわれている東京創元社のSです。大変嬉しいのですが、いつまでも「ラムネの……」じゃいかんだろう、自分。今年は「ラムネとミステリの」といわれるように精進し…

文藝春秋 3月の新刊

『夜の真義を』/The Meaning of Night マイケル・コックス(著)/越前敏弥(訳) ISBN 978-4-16-329990-7/刊行日:2011年3月8日 定価2750円(税込み)/四六判並製 夜の真義を作者: マイケル・コックス,越前 敏弥出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2011…

こんな本を読んで、こんな本を訳してきた(その2)(執筆者・白石朗)

――この翻訳リストのなかで点数の多い作家というとジョン・グリシャムなんですが、この手のミステリーというかサスペンスって前々から読んでたんですか? 白石 これも最初は大学時代かな。お決まりのE・S・ガードナーの〈ペリイ・メイスン〉・シリーズ。点…

第二回翻訳ミステリー大賞二次投票要項

2010年12月8日に発表された第二回翻訳ミステリー大賞の最終候補5作を対象とした二次投票のご案内です。 最終候補5作は以下のとおりです(作品名あいうえお順)。 『音もなく少女は』ボストン・テラン(文春文庫) 『古書の来歴』ジェラルディン・ブルック…

翻訳ミステリー長屋かわら版・第9号

田口俊樹 私は長いこと〈フェロー・アカデミー〉という翻訳の専門学校で講師をしてるんですが、授業のあと、生徒たちと学校の近くで飲むのが、老後の数少ない何よりの愉しみになっています。 その席でのこと。 先生ってセクハラ発言多いですよね、なんて言わ…

第9回『死が二人を』

87分署攻略作戦、第九回は『死が二人を』です。キリスト教の結婚式の決まり文句"Until death do us apart"=「死が二人を分かつまで」(バージョンは色々ありますが)をもじったタイトルです。この文句をタイトルに使ったミステリはそれなりに見かけるような…

アガサ・クリスティー攻略作戦 第四十七回 番外編2(執筆者・霜月蒼)

ついにミス・マープルものを読了し終えた。われながらびっくりである。 『鏡は横にひび割れて』の回で記したように、わたしはいまではミス・マープルのファンとなっている。なんとね。中期以降のエルキュール・ポアロものの作品としての見事さには舌を巻くほ…

書評七福神の2月度ベスト発表!

書評七福神とは翻訳ミステリが好きでたまらない書評家七人のことなんである。 暦の上では啓蟄を過ぎましたが、まだまだ寒さは続くようです。外に出るのはもう少し後かな? そんな室内派のあなたに、今月もこのコーナーをお届けします。 (ルール) この一ヶ…

第七だらだら(訳注という地雷)

「来週卒業試験がある」という文章を書くなら、わたしならむしろ「来週から卒業試験だ」とか「来週は卒業試験がある」という書き方をしたい。そのほうが読者にとっては読みやすく、誤解しにくく、理解しやすいだろうと考えるから。そのあたりは感性と片付け…

2011年2月度カンパご報告

以下の方よりカンパをちょうだいしました。 いつもありがとうございます。 ヨダヨウさま 資金カンパにつきましては、こちらをご覧ください。 翻訳ミステリー大賞シンジケート事務局