【エッセイ】鎌田三平の翻訳だらだら話【随時更新】

第十だらだら(空港管制官はどうしゃべる?)

プライベートのほうで(まるで消火器詐欺みたいな書き方ですが)いろいろとあったものだから、まるまる一年あまりもこのコラムをお休みしてしまった。もう死んだのかな、と思った読者も多かったでしょう。安心してください、まだしばらくは生きてます。 ま、…

第九だらだら(AKBファンの気持ちがわかるとき)

半年以上のご無沙汰になってしまった。別に大病をしたとか刑務所に入っていたとか、そういう訳ではないからご安心を。まあ、誰も心配していなかっただろうが。今回はちょっと趣向を変えて雑談を。もっとも、いつも雑談といえば雑談なのだが。 今回は「翻訳者…

第八だらだら(続・訳注という地雷)

前回は訳注について、途中までしか書けなかったので、今回はその続き。(と思ったが、またずるずるになってしまった。反省^^;) 前回は訳注を本文中に吸収させるという方法を書いた。その時も書いたが、セリフの中では難しいが、地の文の中なら比較的容易な…

第七だらだら(訳注という地雷)

「来週卒業試験がある」という文章を書くなら、わたしならむしろ「来週から卒業試験だ」とか「来週は卒業試験がある」という書き方をしたい。そのほうが読者にとっては読みやすく、誤解しにくく、理解しやすいだろうと考えるから。そのあたりは感性と片付け…

第六だらだら(正しい訳者あとがきとは)

このコラムの最初のほうで、原文の流れを読むことにからんで以下のように書いた。 ただし、流れと言ってもあくまで作業仮説に過ぎない。証拠を取捨選択して無理矢理に仮説に合わせたりするのではなく、仮説に合わない証拠が出てきたら軽視せず、躊躇せずに新…

第五だらだら(完全ペーパーレスへの道)

前回「甘い! アマンドのミルクココアより甘い!(というようなセリフが『パタリロ!』になかったっけ?)」と書いたら 「 甘い甘い!まるでルノアールのココアのようだ」 江口寿史「すすめ!パイレーツ」です というコメントをいただいた。ご指摘ありがとう…

第四だらだら(とりあえず突っ走れ)

前々回は、翻訳の速度を便宜的に上げるためのやり方を書くと言いながら、ずいぶん時間が経ってしまったし、寄り道もしてしまったし。その間に締切り地獄を味わった同業者諸君には、大いに同情を禁じ得ない。(おお、上から目線!) さて、翻訳速度を上げるた…

第三だらだら(リズムの乱れは訳の乱れ)

うう忙しい。この前にちょっと書いた修羅場ですが、いよいよのっぴきならなくなって、ちょっとお休みしちゃいました。もともと「だらだら話」なんだから、それもありかなと……いえいえ、反省してますって。 いや、どのくらい忙しかったかというと、忙しさの山…

第二だらだら「けつカッチンという名の修羅場」

このエッセイのタイトルを見て、なんてだらしないタイトルだと思ったひとも多いだろう。わたしのせいじゃないよ。『関口苑生の翻訳ヒソヒソ話』に対抗しただけなんだから。もっとも、なんであんな男に対抗するんだという突っこみには返す言葉がないが……。 *…

第一だらだら「構文解析とは鑑識である」

もう振り返るのもいやになるほど長いことエンターテインメント翻訳を生業にしているのだが、仕事の時に心がけていることとか、今ごろになってやっと気がついた(汗)こととか、だらだらと書いてみようかと思う。お付き合いいただければ幸いです。 翻訳をする…