2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

集英社文庫10月の新刊

クッキング・ママのダイエット/Fatally Flaky ダイアン・デヴィッドソン(Diane Davidson)著/加藤洋子訳 集英社文庫/定価:860円(税込)/発売日:2010年10月20日 ISBN:9784087606133 クッキング・ママのダイエット (クッキング・ママ) (集英社文庫)作者: ダイ…

翻訳ミステリー長屋かわら版・第1号

田口俊樹 先月、今年86歳になる母親が大腿骨骨折をやっちまいました。 早朝、姉から電話があり、即、寝たきり→ボケ、という図が頭に浮かんだのだけれど、幸い、手術がうまくいって、ほぼ入院前の生活に戻れました。 その数日後、ほっとして久しぶりに立ち…

第2回翻訳ミステリー大賞一次投票のご案内

■翻訳ミステリー大賞とは何ですか? 2009年10月1日に設立された翻訳ミステリーの年間ベスト1を選ぶ賞です。海外作品の原著者と日本の読者の架け橋となる翻訳家が選ぶ翻訳ミステリーという点を一番の特徴にしたいと考えております。 ・賞の正式名称:「翻訳…

文藝春秋10月の新刊

ロードサイド・クロス/Roadside Crosses (2009) ジェフリー・ディーヴァー/池田真紀子訳 ISBN:9784163297200/10月28日発売 文藝春秋/定価2500円 ロードサイド・クロス作者: ジェフリー・ディーヴァー,池田 真紀子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2010/…

アガサ・クリスティー攻略作戦 第三十六回(執筆者・霜月蒼)

原書房10月の新刊

パニック・パーティ/Panic Party アントニイ・バークリー(Anthony Berkeley)/武藤崇恵訳 原書房・単行本/定価2520円(税込)/発行年月日:2010/10/15 ISBN:9784562045983 ロジャー・シェリンガム最後の事件! クルーザーの「故障」から無人島に取り残さ…

 萌える海外ミステリ・ベスト5(執筆者・図子 慧)

インフルエンザで熱をだして判断力がおちているのを見透かしたように、「無料奉仕どうですか〜」なメールをいただきました。理性病んでます。 依頼人は、わたしのような腐海の住人の食性が知りたいのだそうです。しかし百人いれば百通りの好みがありますから…

講談社文庫10月の新刊

ヴェロシティ(上下)/Velocity(2005) ディーン・クーンツ(Dean Koontz)著/田中一江訳 講談社文庫/定価・上下各880円(税込)/発行年月日:2010/10/15 ISBN(上):978-4-06-276684-5 ISBN(下):978-4-06-276793-4 巨匠D・クーンツが描き出す“最凶の恐怖” 誰を…

中村有希の翻訳者はつらいよ・その4

これまでに「三次元の男に興味はない!」だのなんだのと書いてきましたが、このゆがんだ恋愛感というか趣味はいつごろ生まれたのか、と思い返してみると、すでに中学生のころから、わたしはそんなようなことを言っていたのでした。 偶然、書店で手にとった『…

最新海外ミステリーニュース20101022(執筆者・木村二郎)

アンソニー賞発表The 2010 Anthony Award winners were announced on October 17 at the Bouchercon brunch as follows: BEST NOVEL: THE BRUTAL TELLING - Louise Penny [Minotaur Books] BEST FIRST NOVEL:A BAD DAY FOR SORRY - Sophie Littlefield [Mino…

扶桑社発のひとりごと(執筆者・T)

アイスランドのミステリーなどというのを検討する機会があったので、ちょっとご披露を。 アイスランドといえば金融恐慌で一躍有名になりましたが、最近ではなんといっても、火山灰でヨーロッパの空を「ライト兄弟以来の静けさ」にしてしまいましたよね(その…

TVを消して本を読め!第十二回(執筆者・堺三保)

第12回「吸血鬼ロマンス×猟奇ミステリ=『トゥルー・ブラッド』」 今、アメリカでは、女性読者を中心に、ホラー風味のロマンス小説、いわゆる「パラノーマル・ロマンス」が大流行しています。 その源流は、アン・ライスの『夜明けのヴァンパイア』に始まる…

アガサ・クリスティー攻略作戦 第三十五回(執筆者・霜月蒼)

第十回はアン・ペリーの巻(その2)(執筆者・遠藤裕子)

先日、アリアナ・フランクリンの『エルサレムから来た悪魔』(舞台が12世紀のイギリスで、主人公がシチリアから来た女医という歴史ミステリ)を読み返しながら、「シチリアではこの時代にもう女のお医者さんがいたんだよね、イギリスとは大違いだなぁ」とし…

中村有希の翻訳者はつらいよ・その3

さて、エッセイ二回書いたところでネタもつきたので(お題が自由って、難易度高いよ!)、翻訳家の生活、みたいなものをたらたら書いてみます。 翻訳家志望の若いかたは幻滅するかもしれませんが。 だって、テレビや小説に出てくる翻訳家はステキすぎるよ...…

最新海外ミステリーニュース20101017(執筆者・木村二郎)

シェイマス賞発表(アメリカ私立探偵作家クラブ主催)The Private Eye Writes of America has announced the winners for the 2010 Shamus Awards as follows: Shamus Awards Best Hardcover P.I. Novel: Locked In, by Marcia Muller (Grand Central) Best …

最新海外ミステリーニュース20101016(執筆者・木村二郎)

バリー賞&マカヴィティ賞発表 THE BARRY AWARDS Don Sandstrom Award for Literary Achievement in Mystery Fandom: Len & June Moffatt; and Captain Bob Napier Best Novel: THE LAST CHILD, by John Hart (Minotaur) Best First Novel: THE SWEETNESS AT…

武田ランダムハウスジャパン10月の新刊

黒猫ルーイと猫屋敷の怪/Cat on a Blue Monday キャロル・ネルソン・ダグラス(Carole Nelson Douglas)著/甲斐理恵子訳 武田ランダムハウスジャパン/定価 998円/刊行日:2010/10/08 ISBN:9784270103661 怪電話から始まった老女の悲劇。目撃者は70匹の猫…

新潮文庫10月の新刊

ぼくを忘れたスパイ(上下)/Once a Spy キース・トムスン(Keith Thomson)著/熊谷千寿訳 新潮文庫/定価・上下各620円(税込)/発行年月日:2010/10/01 ISBN(上):978-4-10-217681-8 ISBN(下):978-4-10-217682-5 辣腕スパイがボケた! 吉野仁氏大絶賛! まっ…

最新海外ミステリーニュース20101014(執筆者・木村二郎)

CWA Dagger Award Winners Gold Dagger: 『ブラックランズ』リンダ・バウアー Blacklands, by Belinda Bauer (Corgi) Ian Fleming Steel Dagger: A Loyal Spy, by Simon Conway (Hodder & Stoughton) John Creasey (New Blood) Dagger: Acts of Violence, by…

アガサ・クリスティー攻略作戦 第三十四回【番外編】(執筆者・霜月蒼)

本コラムは、アガサ・クリスティー作品を早川書房の《クリスティー文庫》の第一巻『スタイルズ荘の怪事件』から順番に読んでゆく、というものである。となると、前回ご紹介した33巻『カーテン』の次の34巻は『ブラック・コーヒー〔小説版〕』をとりあげねば…

小学館文庫10月の新刊10月6日発売

2010年CWA賞ゴールドダガー受賞作! ブラックランズ/Blacklands ベリンダ・バウアー(Belinda Bauer)著/杉本葉子訳 小学館文庫/定価 820円(税込)/発行年月日:2010/10/06 ISBN:9784094085501 ブラックランズ (小学館文庫)作者: ベリンダバウアー,Belinda…

初心者のためのポール・アルテ入門(執筆者:平岡敦)

ポール・アルテの特徴をひと言で言いあらわすなら、《クセになる作家》とでもなるだろうか。「読者の魂を揺さぶる名作」だとか「10年に一度の大傑作」とはちょっと違うけれど(そもそもアルテは、毎年ほぼ一作のペースで新作を書いていますしね)、一冊読…

中村有希の翻訳者はつらいよ・その2

「原文通りに訳しなさい」と、むかしむかし、まだ翻訳の勉強を始めたばかりのころに、翻訳学校の先生から、毎回毎回、言われたものですが。 この「原文どおりに訳す」という日本語の意味を理解するまで、およそ五年かかりました(笑)。 トロい。トロすぎる…

書評七福神の9月度ベスト発表!

書評七福神とは翻訳ミステリが好きでたまらない書評家七人のことなんである。 しかし、今年の翻訳ミステリーは本当に傑作揃いですね。八月以降の勢いは少しも衰える気配がありません。このまま年末までラッシュは続くのでしょうか。七福神今月お薦めの一冊を…

最新海外ミステリーニュース20101007(執筆者・木村二郎)

『スミソン氏の遺骨』『インド展の憂鬱』『一寸の虫にも死者の魂』(いずれも創元推理文庫)のスミソニアン博物館ものの著者、リチャード・ティモシー・コンロイが8月6日にメリーランド州アデルファイの老人ホームで心臓病のために死亡。元国務省職員、元…

アガサ・クリスティー攻略作戦 第三十三回(執筆者・霜月蒼)

第二回翻訳ミステリー大賞選出に向けて

翻訳者のみなさまへ ようやく過ごしやすくなりました。 みなさまにはご健勝のことと存じます。 さて、早いもので、また今年も翻訳ミステリー大賞選出の季節がやってきました。 話題作のチェックなど、そろそろ投票の準備にはいっていただければ幸いです。 選…

初心者のためのデニス・ル(レ)ヘイン入門(執筆者:加賀山卓朗)

ルヘインの作品紹介というお題をもらったが、じつはけっこう書きにくい。 なんせ惚れてるので。 冗談など交えつつ愉しく紹介したいのは山々だが、惚れた弱みで地が出てしまう。なんだか恥ずかしい。恥ずかしがっても仕方ないね。ではシリーズ5作とノンシリ…

中村有希の翻訳者はつらいよ・その1

<会心の訳文>という、たいへん書きづらいコーナーに、しょぼいエッセイをおさめてから一年近くたった某日。 師匠からメールが届きました。「お題は自由。なんでもいいからエッセイを四回書いてね。全部猫の話でもいいよ。じゃ、よろしく。ちゅっ!」 ちゅ…