2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

アガサ・クリスティー攻略作戦 第二十一回(執筆者・霜月蒼)

最新海外ミステリーニュース20100629(執筆者・木村二郎)

2010 Nero Wolfe Award Nominees The Wolfe Pack has announced the nominees for the 2010 Nero Wolfe Award as follows: THE FLEET STREET MURDERS, by Charles Finch (St. Martin's Minotaur) THE CRACK IN THE LENS, by Steve Hockensmith (St. Martin's…

野口百合子のイチ押し本

翻訳もののシリーズを長く続けるのはむずかしい。 大御所の人気作品はともかく、派手ではないけれど読んで面白い質の高いシリーズを息長く続けるのが、ほんとうにむずかしい時代になってしまった。一作目で注目されても、巻を重ねるにしたがって自然と部数が…

早川書房発のひとりごと(執筆者・ミステリマガジン編集部・エムやん)

あっしもフグリ豚人生三十四年になりやすが……などと、手前味噌で恐縮ですが、ミステリマガジン2010年8月号の編集後記で書いたのは、もちろん飴村行さんの『粘膜兄弟』が面白かったからでやんす。 だって思っちゃったんです……あ、これって「ビザーロ」だ!と…

私設応援団・これを読め! 『沼地の記憶』(執筆者:山口裕之)

今回の「私設応援団」は、趣向を変えて「書評の愉悦」発の特別版でお届けします。 「書評の愉悦」は、書評家・豊崎由美さんが主宰されている文章講座で、東京・池袋コミュニティカレッジにおいて月一回、課題作を複数冊決めて受講生が書評に挑戦するという形…

アガサ・クリスティー攻略作戦 第二十回(執筆者・霜月蒼)

第七回はデイヴィッド・エリスの巻(執筆者・白石朗)

ミステリの一サブジャンルに《倒叙もの》があります。おおざっぱにいえば冒頭で犯人が犯行におよび、その犯行を探偵がどうやって解明していくのかに主軸を置いた小説。フランシス・アイルズの『殺意』とかF・W・クロフツの『クロイドン発12時30分』といっ…

講談社文庫6月の新刊

押しかけ探偵/Death of Riley リース・ボウエン(Rhys Bowen)著/羽田詩津子・訳 講談社文庫/定価:920円/発行年月日:2010/06/15 ISBN:9784062766760 私は探偵。警察には頼らない! 探偵修業のために強引に弟子入りしたばかりの師匠ライリーが殺された…

会心の訳文・第十八回(執筆者・三浦玲子)

どこをどう間違ったのか、文章の達人たちの目に触れるこのコラムに何か書け、などという恐ろしい指令が回ってきた。いくら怪奇ものが好きな私といえども、これは相当ホラーな出来事だ。訳書がほとんどない万年かけだしの身が、諸先輩方に紛れ込んでこんなと…

新潮社 6月の新刊

『P2』(上・下)/LA MUERTE DEL PAPA ルイス・ミゲル・ローシャ(Luis Miguel Rocha)/木村裕美・訳 新潮文庫/定価:本体各590円(税別)/ ISBN:上巻=978-4-10-217471-5 下巻=978-4-10-217472-2 フリーメイスンすら侵蝕する闇の組織の全貌。 在位33…

告知・SFファン交流会6月例会のご案内

SFのみならずミステリーのジャンルでも多大な功績を残された翻訳者・浅倉久志さんを偲び、「SFファン交流会」で以下のようなイベントが今週の土曜日に開催されます。ご興味のあるかたは、下記連絡先にお問い合わせください。なお、当サイトに掲載した浅…

東京創元社 6月の新刊

『英雄たちの朝 ファージングI』/Farthing ジョー・ウォルトン(Jo Walton)/茂木健・訳 創元推理文庫/定価1218円(税込)/6月11日/ISBN: 978-4-488-27905-9 1949年、副総統ルドルフ・ヘスの飛来を契機に、ナチスと手を結ぶ道を選んだイギリス。和平…

アガサ・クリスティー攻略作戦 第十九回(執筆者・霜月蒼)

「三人による選書フェア」@青山ブックセンター六本木店のお知らせ(執筆者・田口俊樹)

先週から六本木の青山ブックセンター(ABC)で、「三人による選書フェア」という催しが開かれています。 翻訳家の鴻巣友季子さん、作家の堀江敏幸さん、それに私の三人がそれぞれ選んだ三十点、合計九十点のフェアです。 私は新旧取り混ぜて、翻訳ミステ…

最新海外ミステリーニュース20100615(執筆者・木村二郎)

2010 CWC Arthur Ellis Award Winners On May 27 in Toronto, The Crime Writers of Canada (CWC) annouced the winners of its 2010 Arthur Ellis Awards as follows: Derrick Murdoch Award: Peter Robinson Best Crime Novel: High Chicago, by Howard Sh…

猪俣美江子のイチ押し本

『夢の破片』 モーラ・ジョス / 猪俣美江子訳 ハヤカワ・ミステリ1762 夢の破片(かけら) (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)作者: モーラジョス,猪俣美江子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2004/12/16メディア: 新書 クリック: 1回この商品を含むブログ (7件)…

二見書房発のひとりごと(PPZ編集部ゾン子、の中の人)

「ゾン子、NYへ逝く〜新人翻訳編集者のブックフェア出張〜」 皆さーん、お久しぶりです。 忘れたころに蘇る、皆さんのゾン子です。 まだまだ御存ビないかたもいらっしゃるかもしれませんね。『高慢と偏見とゾンビ(Pride and Prejudice and Zombies)』略し…

TVを消して本を読め!第八回(執筆者・堺三保)

第8回「そろそろ新番組情報の季節。この秋の話題を独占するミステリドラマはどれ?」 先月は更新が遅れてすいませんでした。 いやー、期末試験だ、卒業式だ、送別会だなんだと、やたらとドタバタしていたもので(知らない方もたくさんおられると思いますが…

アガサ・クリスティー攻略作戦 第十八回 (執筆者・霜月蒼)

殊能将之の選ぶ変態本格ミステリ・ベスト5(執筆者・殊能将之)

本格ミステリー小説の醍醐味はやはり〈密室〉にあるように、本格のSM小説にかかせないものは〈鞭〉だろう。――蘭光生『SM博物館』 変態本格とは単に変態が登場する本格ミステリではなく、本格ミステリの醍醐味であるトリックやどんでん返しに変態性が深く…

文藝春秋6月の新刊

『ノンストップ!』/Relentless サイモン・カーニック(Simon Kernick)/佐藤耕士・訳 文春文庫/定価860円/ISBN: 978-4-16-770586-2 刊行日:6月10日 平穏な日常は17行目で破壊される。 そして44行目からラストまでノンストップ! 「七福神」で村上貴史…

会心の訳文・第十七回(執筆者・駒月雅子)

会心のつもりだった訳文がどこを掘っても見つかりません。幻だったか、でなければ土に還ったのでしょう。そんな事情ですので、会心の訳文の代わりに訳者がじたばたした箇所をいくつかご覧いただこうと思います。 その前に少しだけ現場の事情を。異なる言語の…

早川書房発のひとりごと(編集部・K)

映画、好きですか? あらためて問いかける必要もないくらい、翻訳ミステリ好きはたいがい映画も好きなようですね。あなたも好きでしょ、映画? この仕事を長くやってると(短くても、あるんだけど)、必然的にぶつかるのが映画関連本。伝統的に宣伝力が弱い…

書評七福神の5月度ベスト発表!

書評七福神とは!? 5月29、30日はどこの地域でも運動会だったと思います。それで疲れてしまったわけではありませんが、更新が遅れました。5月度の七福神ベストをお届けします。 早速今月の一冊を見てみましょう。 (ルール) この一ヶ月で読んだ中で…

アガサ・クリスティー攻略作戦 第十七回 (執筆者・霜月蒼)

第一ヒソヒソ

海外ミステリの書評をしているからといって、翻訳家と知り合う機会が多くなるとは限らない。いやほかの方はいざ知らず、わたしの場合は、会った途端に唾を吐きかけられたり、殴りかかられたりする可能性もあるので、パーティーなどに出席することはあまりな…

20100601(執筆者・木村二郎)

2010 Dagger Award Shortlists The Crime Writers' Association of Britain (CWA) has annouced the first batch of nominees for the 2010 Dagger Awards as follows: CWA International Dagger: Badfellas, by Tonino Benacquista (Bitter Lemon), Transla…