【編集者リレー・コラム】各社編集部発のひとりごと【毎週更新】

東京創元社発のひとりごと(編集部・S)

「目録奴隷解放宣言2――俺とお前の総目録。」 ●はじめに みなさまこんにちは。いつも「冒険小説にはラムネがよく似合う」で冒険小説についての記事を書いている東京創元社編集部のSと申します。今回は、私がここ一年ばかり編集に携わっていた、『東京創元社…

集英社発のひとりごと(編集部・Y)

ロンドン ブックフェアで鍛えた(?)楽観力 ここは毎年4月に開催されるロンドンブックフェアのライツセンター。各国の版権権利者(出版社やエージェント)と会い、何か面白い作品はないか、各社のライツリストを見ながら打ち合せをするところ。私Yは数ヶ月…

早川書房発のひとりごと(執筆者・ミステリマガジン編集部・エムやん)

あっしもフグリ豚人生三十四年になりやすが……などと、手前味噌で恐縮ですが、ミステリマガジン2010年8月号の編集後記で書いたのは、もちろん飴村行さんの『粘膜兄弟』が面白かったからでやんす。 だって思っちゃったんです……あ、これって「ビザーロ」だ!と…

二見書房発のひとりごと(PPZ編集部ゾン子、の中の人)

「ゾン子、NYへ逝く〜新人翻訳編集者のブックフェア出張〜」 皆さーん、お久しぶりです。 忘れたころに蘇る、皆さんのゾン子です。 まだまだ御存ビないかたもいらっしゃるかもしれませんね。『高慢と偏見とゾンビ(Pride and Prejudice and Zombies)』略し…

早川書房発のひとりごと(編集部・K)

映画、好きですか? あらためて問いかける必要もないくらい、翻訳ミステリ好きはたいがい映画も好きなようですね。あなたも好きでしょ、映画? この仕事を長くやってると(短くても、あるんだけど)、必然的にぶつかるのが映画関連本。伝統的に宣伝力が弱い…

東京創元社発のひとりごと(編集部・S)

「なんだか怪しいセールス・トーク」 皆さんこんにちは。いつもは「冒険小説にはラムネがよく似合う」で冒険小説についてのコラムを執筆しております、東京創元社編集部のSと申します。毎回変なことばかり書いてしまい、ブログに掲載されるたび「うぉぉ……」…

扶桑社発のひとりごと(執筆者・T)

ジョイス・キャロル・オーツは、どんなイメージをもって受け止められているのでしょう。 作品の幅があまりにも広く、つかみどころがない印象もありますが、ある種の極北である『生ける屍』(井伊順彦訳)などというすさまじい作品を翻訳出版した身としては、…

東京創元社発のひとりごと 第五回(執筆者・東京創元社編集部M)

ブックカバーの話 編集者の日常を綴るこのコラムへの登場は二度目になるので、何を書こうかつらつら考えていたのですが(会社でやってるtwitterの話とか、近ごろのおすすめスイーツの話とか)、職場で本にまつわる私的な体験談を披露したら、同僚ほぼ全員に…

新潮社発のひとりごと(執筆者・わ)

2010年4月20日、火曜日。 私は2日目を迎えたロンドン・ブックフェアの会場、アールズ・コートでひとり、思いを巡らしていた。 アイスランドの火山噴火で、アメリカの権利者とのミーティングは半数以上がキャンセルされている。フェアに参加しているのは、…

武田ランダムハウスジャパン発のひとりごと(編集部A)

皆さま、どうも初めまして。武田ランダムハウスジャパン、編集部のAです。 武田ランダムハウスジャパン? はて、聞きなれない出版社だな。 それって岡田ジャパンみたいなこと? そう思われた方も多いのではないでしょうか。この4月よりランダムハウス講談…

国書刊行会発のひとりごと(国書刊行会編集部A)

皆様はじめまして。国書刊行会のAと申します。 そこそこ年はいっている中途採用社員とはいえ、まだ勤続年数1年という新米が、こんなところで駄文を書き連ねて良いものでしょうか。前回、Iに面接ネタを書かれてしまったし、何を書いて良いのやら。 とりあえず…

ヴィレッジブックス発のひとりごと(ヴィレッジブックス編集部O)

「締め切り、明日の16時だから。よろしく!」 まさかの無茶ぶりで、急遽今回ピンチヒッター登板を果たすことになった私、ヴィレッジブックスの編集O。 そして只今26時過ぎ……。連載ご担当者様、ごめんなさい。 いえいえっ、お酒は飲んでません。本当です…

早川書房発のひとりごと(執筆者・ミステリマガジン編集部A子)

先日行われた翻訳ミステリー大賞の贈賞式&コンベンション、このサイトをご覧の方はいらしていただけたでしょうか。レポートのリンク集もアップされたことですし、そんなに詳しく語る必要もかいかもしれませんが、少しだけご報告です。 大きな企画はいろいろ…

原書房編集部発のひとりごと(編集部I)

編集者の娘の話をしよう。 って僕の娘さんのことなんだけど、僕のせいでちょっと面白くなってしまったので、このあたりでさらしておこうと思う。 思えば彼女の幼稚園時代に三津田信三さんの『首無の如き祟るもの』のゲラをせがまれて読み聞かせをしてしまっ…

早川書房発のひとりごと(執筆者・早川書房企画室Y)

私は、昨年秋にこのサイトが開設されて以来、この「各社編集部発のひとりごと」欄の原稿依頼を担当してきましたYと申します。35歳、男性です。ビールが好きです。なぜそんな下働きの私が原稿を書いているかと申しますと、もうお気づきのことと思いますが、…

東京創元社発のひとりごと 第四回(執筆者・東京創元社編集部F)

その腰巻きに用がある 翻訳ミステリと銘打たれたブログにお越しのところ、のっけからだまし討ちするようで大変心苦しいのですが、国内ミステリを主に担当しているFと申します。いちおう時折、翻訳作品も編集しているので、何とか面目は保てると思うのですが…

早川書房発のひとりごと(執筆者・ミステリマガジン編集部A子)

早川書房編集部のH・Kが、年明け早々に早川書房編集部のレイアウト変えを行うらしいと書いていたのを、みなさんは覚えているでしょうか。この噂が流れ始めたとき、大半の編集者は冗談だと思っていました。二月に入り、もうそんなことしないよねー、という…

扶桑社発のひとりごと<執筆者・扶桑社(と)>

1月29日付の「週刊読書人」に『図説 翻訳文学総合事典』全5巻(大空社)が紹介されていました。人が殺されるような小説ばかり手がけていると、こういう本の出版にはほんとうに頭が下がります。 さて、そのなかで、この事典の編集代表のひとりである川戸…

国書刊行会発のひとりごと(執筆者・国書刊行会編集部 I)

国書刊行会編集部のIといいます。昨年の5月に中途で入社し、今月でようやく9ヶ月目のぱりぱりの新人です。社内では丁稚扱いされています。基本的に返事は「Sir,Yes Sir!」です。たまに「全然聞こえないもっと大声で!」といわれ、泣きながら「Sir,Yes Sir!…

二見書房発のひとりごと(執筆者・PPZ編集部ゾン子、の中の人)

皆さんはじめまして。『高慢と偏見とゾンビ( Pride and Prejudice and Zombies)』略してPPZ編集部のゾン子です。 Twitterをご利用の一部の方はすでに御存ビかもしれませんが、2009年12月16日のジェイン・オースティン234回目のお誕生日に突如つぶやき始め、F…

早川書房発のひとりごと(執筆者・早川書房編集部C)

機械オンチのくせに新しいもの好きで、これまでも数々の「ハイテク・ガジェット」を買っては結局、粗大ゴミにしてきました。 PDAの元祖、アップルのNewtonは、今のiphoneの4倍くらいの大きさで日本語対応はしておらず、とても実用的とは言えない代物。当時と…

角川書店発のひとりごと(執筆者・ 角川書店第一編集部TJ)

いつもは、締め切りを設定する側の編集者。 でも、たまにこの場のように、書籍の紹介をする場をいただいたり、エッセイを書かせてもらったりすることもあります。 しかし、どうして人は、他人の締め切りには厳しく接することができるのに、自分の締め切りに…

東京創元社発のひとりごと 第三回(執筆者・東京創元社編集部M)

益体もない話 翻訳ミステリの編集にたずさわるようになって、今年2010年で六年目になりますが、一冊の本が店頭に並ぶまでには、どこかの過程で必ず何かしらの問題が持ちあがって、頭を悩ますことになるものです。紅茶片手に鼻歌まじりで編集してたら、はい一…

早川書房発のひとりごと(執筆者・早川書房編集部H・K)

年末を迎えて、毎度想うこと 社によって違うでしょうが、早川書房は28日までが通常営業。29日午前中は、建前上は業務ですが、午後からの大掃除に備えての「臨戦態勢」に入ります。 入社以来ン十年になりますが、私がもっとも嫌なのが、この大掃除というやつ…

早川書房発のひとりごと その1(執筆者・ミステリマガジン編集部 M・K)

《ミステリマガジン》という翻訳を中心としたミステリ雑誌の編集をしているM・Kです。今回は「ミステリマガジンの作り方」について、少々お話しさせてください。これを読めば、あなたも《ミステリマガジン》が作れる!? さて、《ミステリマガジン》は、大き…

扶桑社発のひとりごと その2.2(執筆者・扶桑社(と))

ジョー・ゴアズ『スペード&アーチャー探偵事務所』(木村二郎/訳、早川書房)が出版されましたね。 この本には、ちょっとした経緯がありましたが、ともかく出てよかったです。http://www.fusosha.co.jp/mysteryblog/2009/03/post_127.html『マルタの鷹』(…

新潮社発のひとりごと (執筆者・新潮社新潮文庫編集部(K))

あっという間に12月も半ば(平凡な出だしですみません)。年末と言えば忘年会ですが、編集者として気になるのはやっぱり各種の「年末ベスト」。海外ミステリ関係者なら、この時期が近づくにつれてじりじりとした気分を感じながら、「このミステリーがすごい…

集英社発のひとりごと(執筆者・集英社翻訳書編集部・D)

「諦めたほうがいいですよ。女ばっかりですから」 4年前、「翻訳書編集部」に異動してきた時に、ある日本人エージェントに言われた言葉。それまでは入社以来13年間、女性誌の編集部にいました。仕事はかなり充実していたのですが、そのぶん低迷しきっていた…

ランダムハウス講談社発のひとりごと (執筆者・ランダムハウス講談社編集部(SS))

半老人の繰り言、でもグチではありません 若い人たちが海外旅行や留学に関心を持たなくなっているという。インターネットを使えば、情報も商品も写真も動画も即座に手に入るのだから、わざわざ時間と金をかけて出かけるまでもないということだろうか。異郷の…

東京創元社発のひとりごと 第二回(執筆者・東京創元社編集部S)

――あなたは熱さ寒さには強いですか? 全国の翻訳ミステリ愛好家の皆様、こんにちは。東京創元社編集部、翻訳ミステリ担当のSと申します。今年の三月に新卒で入社した新米編集者です。 さて、私が書けることってなんだろう・・・・・・と悩んだ結果、まだ記憶にあた…