【編集者リレー・コラム】各社編集部発のひとりごと【毎週更新】

扶桑社発のひとりごと 第二回(執筆者・扶桑社(と))

翻訳出版において、重要な版権ビジネスの場に、ブックフェアがあります。 読者のみなさんのなかにも、東京国際ブックフェアに行かれたかたもいらっしゃると思いますが、ああいったイヴェントが世界各都市で開催されているのです。みなさんが見るのは、おもに…

東京創元社発のひとりごと(執筆者・東京創元社 い)

増殖する本について想うこと、あるいは老化現象に関する嘆き 翻訳編集者の皆さん、本はどうしていらっしゃいますか? ひたすら増える蔵書のことです。ふと気がついたのです。翻訳ものの編集者は、普通の編集者より本の増えるスピードがはやいのだと……。 原書…

新潮社発のひとりごと(執筆者・新潮社出版部(わ))

ロンドンの教会で和歌を詠むという風変わりな使命を果たし、今年もフランクフルトへ向かった。 フランクフルト・ブックフェアは世界最大の書籍見本市である。“見本市”と書くと、業界外の方には誤解を招くかも知れない。世界の各出版社・エージェントがディス…

フリーランス編集者のひとりごと(執筆者・坂本久恵)

ううむ、まずい、まずすぎる……。 その強烈な作品に出会ったのは、フリーランスになってまだ間もないころ。翻訳書の依頼を受けたのは数冊目というときのことだった。 いまでこそ、「うっわー、下手すぎる」などと率直に頭をかかえられるものの、当時はそのす…

ヴィレッジブックス編集部発のひとりごと(執筆者・ヴィレッジブックス編集部(ふ))

翻訳ってすごいな――翻訳ものの編集に携わるようになってかれこれもう20年になろうとしていますが、いまだにしみじみそう思う瞬間があります。 ついこのあいだもそんなことがありました。アリス・シーボルトの『ラブリー・ボーン』という作品を担当したときの…

早川書房発のひとりごと その1(執筆者・ミステリマガジン編集部 ナガノ)

こんにちは。編集者エッセイ第二弾ということで大変緊張しています。早川書房のナガノです。翻訳ミステリーの雑誌《ミステリマガジン》や書籍に関わっております。 編集者と言われると、どういう職場を想像されるでしょうか。担当するジャンルによって仕事の…

扶桑社発のひとりごと その2.1(執筆者・扶桑社(と))

このサイトが立ちあがったので、さっそく出版情報を見ていたら、いきなり驚きましたよ。 おお、ついに「ミッドナイト・ルーイ」が出るのか! さすが、ランダムハウス講談社! そう思った翻訳ミステリー編集者は多いんじゃないでしょうか。 これは、海外では…

扶桑社発のひとりごと その1(執筆者・扶桑社 (と))

いま、アメリカのミステリー界は、もとい、出版界全体が、ここ数年なかったような盛りあがりを見せています。そう、ダン・ブラウンの新作“The Lost Symbol”が発売されたのですね。なにしろ累計8000万部という『ダ・ヴィンチ・コード』の続編ですよ。初版500…

扶桑社発のひとりごと その2(執筆者・扶桑社 (と))

(承前) ところが、ウチの会社では、このカンヅメ作業をやったことがあります。しかも、2回も。それは、サッカー選手デイヴィッド・ベッカムの自伝『ベッカム:マイ・サイド』のときと、映画『ダイ・ハード4.0』のノヴェライゼーションのとき(笑)。どち…