2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

第8回大阪読書会開催!

【10月7日追記】おかげさまで満席となりました。 第8回 関西翻訳ミステリー読書会主催(翻訳ミステリー大賞シンジケート後援) ヘニング・マンケル『殺人者の顔』読書会 夏が永久に終わらないのでは思えるほど暑い日が続いていましたが、関西はお彼岸をすぎ…

集英社文庫9月の新刊

靄の旋律 国家刑事警察 特別捜査班/Misterioso (1999) アルネ・ダール(Arne Dahl)/ヘレンハルメ美穂・訳 定価:1029円(税込)/刊行日:2012/9/20 ISBN: 978-4-08-760654-6靄の旋律 国家刑事警察 特別捜査班 (集英社文庫)作者: アルネ・ダール,ヘレン…

第1回埼玉読書会レポート(執筆者・東野さやか)

三十三本の歯 (老検死官シリ先生)作者: コリン・コッタリル,雨沢泰出版社/メーカー: ヴィレッジブックス発売日: 2012/05/19メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 21回この商品を含むブログ (19件) を見る 5人集まれば御の字だと思ってたんです。だって、埼玉…

往事茫々 2 翻訳者と話す(執筆者・染田屋茂)

あたりまえだが、編集者駆け出しの頃にはいまのようなメールは存在しなかった。つまり原稿は直接の受け渡しか、お願いして(ヤマトも佐川もなかったので)郵送してもらうしかなかった。遅筆の翻訳者の原稿をただ待っているだけでは埒が明かないので、自然、…

#8『殺人は広告する』

連載も後半戦第二回。前回、『死体をどうぞ』でハリエットとともに捜査することにより、(おそらくは自分でも思いがけず)喜劇的な仮面と傷つきやすく繊細な本来の魂の乖離を意識せざるを得なくなったピーターだが、今回および次回の作品にはハリエットは登…

アガサ・クリスティー攻略作戦 第八十八回(執筆者・霜月蒼)

第三十三回はアン・ペリーの巻(その5)(執筆者・遠藤裕子)

アン・ペリーのモンク・シリーズ、今回は7作目の《Weighed in the Balance》(1996)です。タイトルは、旧約聖書のダニエル書第5章にある一節" weighed in the balance and found wanting(測ってみたら足りないことがわかった)"から来ているものと思われます…

今週のお題(執筆者・野口百合子)

3 もし もし、である。 もし、あの宝くじが当たっていたら……もし、この人と結婚していなかったら……ではなく、もし、織田信長が本能寺の変で死ななかったら、もし、南北戦争で南軍が勝っていたら、という、歴史改変小説の話だ。 もし、第二次大戦でナチ・ド…

ソフトバンククリエイティブ9月の新刊

アトランティス殲滅計画を阻め!(上・下)/ The Hunt for Atlantis (2007) アンディ・マクダーモット Andy McDermott /棚橋志行訳 定価:798円(税込・上下)/発売日・2012年9月21日 ISBN: 上:978-4797367898、下:978-4797367904アトランティス殲滅計画…

第2回札幌読書会開催!

7月に華々しく(?)デビューを飾った札幌読書会。 参加して下さった方々から「実に楽しかった。もっと固い内容を予想していたので・・・」「当分の間は読書会で飛び出たタイトルを追いかけることに時間を費やしそうです」「一人で本を読んでいたのでは気が…

翻訳ミステリー長屋かわら版・第37号

田口俊樹 遅まきながら、アーナルデュル・インドリダソンという著者名がどうしても覚えられない『湿地』(柳沢由美子訳)を読みました。 面白かったあ! いいですねえ、この主人公のエーレンデュル捜査官。頑固おやじで、辛辣すぎて受けないジョークを言った…

恐怖の鎖が読者をがんじがらめ――『天使のゲーム』(執筆者・宮崎真紀)

天使のゲーム 上 (集英社文庫)作者: カルロス・ルイス・サフォン,木村裕美出版社/メーカー: 集英社発売日: 2012/07/20メディア: ペーパーバック購入: 3人 クリック: 137回この商品を含むブログ (34件) を見る天使のゲーム 下 (集英社文庫)作者: カルロス・ル…

ローレンス・ブロック酒場part2についての追加お知らせ&お願い

こんにちは、杉江松恋です。 すでにご案内おりますが、来週9月28日(火)に都内新宿で「ローレンス・ブロック酒場」の第2弾が開かれます。 詳細はこちら。 早川書房の泥棒バーニー・シリーズと、二見文庫の殺し屋ケラー・シリーズについて語りあうのが主な…

ただいま平積み展開中!ベリンダ・バウアー『ブラックランズ』(執筆者・猫谷書店)

知恵を使い、勇気を振り絞って、十二歳の少年は獄中の殺人犯に手紙を送る。家族の幸せを取り戻したい、ただそれだけのために。 突然ですが、あなたは“家族”という単語に何をイメージしますか? 愛すべき関係? 信頼すべき関係? それとも、戸籍に縛られただ…

第十七回『殺意の海へ』の巻(執筆者・東京創元社S)

第十七回『殺意の海へ』の巻 みなさんこんにちは。前回の『踊らされた男たち』では、あまりにテンションが高かったからか、なんと10人以上の方がamazonの中古本をポチってくださったようです! いやぁ、驚きました。ありがたいことです。今後とも頑張ります…

東京創元社 9月の新刊

『月に歪む夜』/The Pull of the Moon ダイアン・ジェーンズ(Diane Janes)/横山啓明・訳 創元推理文庫/定価1260円(税込)/9月11日/ISBN:978-4-488-15823-1 1972年、大学生のわたしと恋人のダニー、その友人のサイモンは、親元を離れサイモンの叔父…

第5回名古屋読書会特別編「ミステリーキッチン」のご案内

A・B両コース、ともに満席となりました! 翻訳ミステリー。それは謎の食べ物の宝庫。ライスプディング、キドニー&ステーキパイ、ブリスケット、ビーフティ。美味いのかマズいのか、家庭料理なのかごちそうなのかもわからない。翻訳家さんたちのご苦労も察…

原書房《コージーブックス》9月の新刊

はちみつ探偵(2) 家出ミツバチと森の魔女/ Mind Your Own Beeswax ハンナ・リード(Hannah Reed)/立石光子訳 定価 本体876円+税/発売日・9月10日 ISBN: 978-4-562-06007-8家出ミツバチと森の魔女―はちみつ探偵〈2〉 (コージーブックス)作者: ハンナリード…

中学生男子に本を読ませる小作戦--親ばか注意(執筆者・吉井知代子)

やまねこ翻訳クラブは「月刊児童文学翻訳」というメールマガジンを発行しています。そのなかで、わたしは2000年6月から約4年間、「親ばか絵本日誌」というエッセイを連載し、息子が生後3か月から5歳ころまで、ふたりで絵本を楽しんだ記録を親ばかモード…

書評七福神の八月度ベスト発表!

書評七福神とは翻訳ミステリが好きでたまらない書評家七人のことなんである。 季節は秋になったとはいえ、まだまだ暑い日が続きます。体調を崩しがちだと思いますので、みなさんお気をつけてくださいね。では、今月も七福神のお薦めを見てみましょう。 (ル…

アガサ・クリスティー攻略作戦 第八十七回(執筆者・霜月蒼)

わが愛しのゲイ・ミステリ・ベスト5◆パート2(執筆者・柿沼瑛子)

前回の〈わが愛しのゲイ・ミステリ・ベスト5〉が思わぬご好評をいただいて、またしても調子に乗って出てきてしまいました。パート1ではどちらかといえば「お手本」となるべきゲイ・ミステリのスタンダードという基準で作品を選びましたが、今回はむしろわ…

今週のお題(執筆者・野口百合子)

2 尼 尼、である。密林ともいう。 翻訳者がリーディングを頼まれたとき、作品の評価にはもちろん自分のすぐれた洞察力と豊富な読書経験をもってあたるわけだが(ゴホゴホ)、すでに本国で発売されている作品の場合、どうしても、ちょっとだけ、ちょっとだけ…

新潮文庫9月の新刊

暴力の教義/ The Creed of Violence (2009) ボストン・テラン Boston Teran /田口俊樹訳 定価:670円(税別)/発売日: 2012/09/01 ISBN: 978-4-10-218231-4暴力の教義 (新潮文庫)作者: ボストンテラン,Boston Teran,田口俊樹出版社/メーカー: 新潮社発売…

第3回「"真夏の"読書探偵」作文コンクール、締め切り迫る!【再掲】

「真夏の読書探偵」作文コンクール開催! 〜海外の小説や絵本を読んで、おもしろさを伝えよう!〜 今年で3回目、「真夏の読書探偵」作文コンクールを開催中です。締め切りは9月18日(火、消印有効)。対象は18歳以下ぐらいの小中高生のみなさん。ぜひご参…

翻訳ミステリー長屋かわら版・第36号

田口俊樹 話題としてはまさしく十日の菊の感なきにしもあらずのオリンピックですけど、見ていて思ったことなどを。 勝者の美学ってありますよね。 フェンシングでは太田選手が雄叫びをあげてましたけど、日本の剣道では勝った選手がガッツポーズをしただけで…

ネレ・ノイハウス『深い疵』(執筆者・挟名紅治)

深い疵 (創元推理文庫)作者: ネレ・ノイハウス,酒寄進一出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2012/06/22メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 41回この商品を含むブログ (72件) を見る 何だよ、“重苦しい社会派ミステリ”って看板が立てられた敷地にいたと思っ…

TVを消して本を読め!第三十四回(執筆者・堺三保/挿絵・水玉螢之丞)

第34回 番外篇その2:コミコンに行ってきた! どもども。ロサンゼルス生活が全然軌道に乗らず、けっこう大変な感じの堺です。 なんかアメリカも大変な感じだったりしますよねー。『ダークナイトライジング』の上映初日に映画館で銃撃事件が起こったりして。…

デイヴィッド・ピース特別インタビュー 《死の工場》より生中継〜 Live from the Death Factory

このたび刊行された『占領都市 TOKYO YEAR ZERO II』。これは東京在住のイギリス人ノワール作家デイヴィッド・ピースが、『TOKYO YEAR ZERO』に続いて放つ《東京三部作》第二作です。描かれているのは「帝銀事件」。1948年1月26日、東京都豊島区の帝国銀行…

文藝春秋・8月の新刊

占領都市 TOKYO YEAR ZERO II/Occupied City デイヴィッド・ピース/酒井武志訳 ISBN:9784163755700 発売中/文藝春秋単行本:定価2100円占領都市 TOKYO YEAR ZERO II作者: デイヴィッドピース,David Peace,酒井武志出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2012/…