2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧

最新海外ミステリーニュース20130131(執筆者・木村二郎)

2013 Dilys Award Nominees (ディリス・ウィン賞候補作発表) The Independent Mystery Booksellers Association has announced the nominees for the 2013 Dilys Winn Award as follows: Granddad, There’s a Head on the Beach, Colin Cotterill (Minotau…

仄暗い場所で朽ちていった人間の魂について――『冥闇』(執筆者・三門優祐)

冥闇 (小学館文庫)作者: ギリアンフリン,Gillian Flynn,中谷友紀子出版社/メーカー: 小学館発売日: 2012/10/05メディア: 文庫この商品を含むブログ (23件) を見る はじめまして、あるいはお久しぶりです。三門優祐です。 今回は、ギリアン・フリン『冥闇』に…

「日本のエンターテインメント(特にミステリー)小説は世界に通用する!」(執筆:清涼院流水)

2012年、日本人作家・東野圭吾の『容疑者Xの献身』英訳版がアメリカ探偵作家クラブ最優秀長篇賞の最終候補作になりました。桐野夏生『OUT』以来、2回目の快挙です。しかし、最終的に賞レースを制したのはモー・ヘイダー『喪失』でした。賞を逸すの報を…

2012年収支報告

2012年1月〜12月の収支報告をいたします。 収入の部金額(円)備考 前年繰り越し508,059 カンパ金392,530郵便振替・現金 「大賞授賞式」会費633,000 アフィリエイト133,733 小計(収入)1,667,322 支出の部金額(円)備考 「大賞授賞式」経費624,692 旅費交…

第三十七回はテス・ジェリッツェンの巻(執筆者・辻早苗)

実はずっとずっとテス・ジェリッツェンのファンをやっています。ジェリッツェンのサスペンスは日本でも紹介されているのですが、残念ながらノン・シリーズものは二作、〈リゾーリ&アイルズ〉のシリーズは三作で邦訳が止まってしまっています。 そんな状態な…

The long and winding road(執筆者・尾之上浩司)

(3)これから 前回は、ついムキになってしまって、だらだらと書いてしまったので、反省。 言いたかったのは、世の中、予想もできないようなトラブルがあっちこっちに転がっているので、それにつまずいて転ぶことがある。でも、一度転べば、二度と同じよう…

第6回名古屋読書会、開催!

満席となりました。キャンセル待ちをご希望の方は専用アドレスまでご連絡ください。 第6回名古屋読書会〈途中のレヘイン〉のご案内 寒いですね。こんな寒い季節には味噌煮込み。まず半熟卵を崩す、あの瞬間がたまりません。え、あなたは卵は最後までとって…

第四回翻訳ミステリー大賞・候補作推薦者対抗トークバトル開催!

第四回翻訳ミステリー大賞・候補作推薦者対抗トークバトル「私の翻ミス本命馬はこれだ!」(仮)が、東京・新宿 LiveWire BiriBiri酒場において、以下の要領で開催されます。当・翻訳ミステリー大賞シンジケート関係の翻訳者たちが、第四回大賞の最終候補作…

翻訳ミステリー長屋かわら版・第42号

田口俊樹 近所の「松屋」でオリジナル・カレーを食べて店を出ようとしたときのこと。 片言の日本語で「あしたやりますか?」と呼び止められました。振り向くと、フィリピン人の女性店員(名札が胸についているのだけれど、名前がどうしても覚えられない)が…

第十九回『大洞窟』の巻(執筆者・東京創元社S)

みなさんこんにちは。あけましておめでとうございます。2013年も「冒険小説ラムネ」をどうぞよろしくお願いいたします。 大洞窟 (文春文庫)作者: クリストファーハイド,田中靖出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1989/07メディア: 文庫 クリック: 1回この商品…

アガサ・クリスティー攻略作戦 第九十七回(執筆者・霜月蒼)

クリスティーの小説、これにて攻略完了。次回は『アガサ・クリスティー自伝』であることを予告しておきます。 さて最後の小説は『フランクフルトへの乗客』(クリスティー文庫)である。本連載をあたたかく見守ってくださっているかたがたが異口同音に「最後…

出るのよ待望のシリーズ3作目が!――『護りと裏切り』(執筆者・遠藤裕子)

護りと裏切り 上 (創元推理文庫)作者: アン・ペリー,吉澤康子出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2013/01/29メディア: 文庫この商品を含むブログ (25件) を見る護りと裏切り 下 (創元推理文庫)作者: アン・ペリー,吉澤康子出版社/メーカー: 東京創元社発売…

The long and winding road(執筆者・尾之上浩司)

(2)時限爆弾処理員の日常 前回、「ともかく努力し勉強すること」に尽きると思う、と書いた。といっても、翻訳の基本的なノウハウについては識者のみなさんが、いろいろと語ってこられたので、ぼくのような生半可な人間が口をはさむ余地は残っていない。 …

東京創元社 1月の新刊

『偽りのアンティークベア事件』/The Crafty Teddy ジョン・J・ラム(John J. Lamb)/阿尾正子・訳 創元推理文庫/定価1155円(税込)/1月11日/ISBN:978-4-488-26406-2 ことのはじまりは、我が家に入った泥棒。そいつはわたしたち夫婦の貴重なアンティ…

第3回札幌読書会 開催!

満席となりました。キャンセル待ちをご希望の方は専用アドレスまでご連絡ください。 「ご主人さま、翻訳ミステリー札幌読書会より招待状が届いております」 「招待状?」 「来る2月16日土曜日午後より読書会を行うのでご出席あられたしとのことでございま…

書店での読み聞かせは、スリルとサスペンスに満ちている!(執筆者・武富博子)

「絵本を訳したいと思うなら、実際に絵本を子どもたちに読んでみるといいですよ。子どもは正直だから、その絵本をおもしろいと思っているかどうかすぐにわかります」。何年も前に、児童文学翻訳家である恩師こだまともこ先生に、そんなアドバイスをいただい…

最新海外ミステリーニュース20130117(執筆者・木村二郎)

MWA賞(エドガー賞)候補作発表 Mystery Writers of America is proud to announce, as we celebrate the 204th anniversary of the birth of Edgar Allan Poe, its Nominees for the 2013 Edgar Allan Poe Awards, honoring the best in mystery fiction…

書評七福神の十二月度ベスト発表!

書評七福神とは翻訳ミステリが好きでたまらない書評家七人のことなんである。 十二月の七福神をお届けします。年末ということで刊行点数は少なかったように思いますが、どのような作品名が挙げられているのでしょうか。今月もさっそくご紹介しましょう。 (…

物語で生きている人のために――『宙の地図』(執筆者・中野善夫)

宙の地図 (上) (ハヤカワ文庫NV)作者: フェリクス・J.パルマ,F´elix J. Palma,宮崎真紀出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2012/11/22メディア: 文庫 クリック: 11回この商品を含むブログ (20件) を見る宙の地図 (下) (ハヤカワ文庫NV)作者: フェリクス・J.パ…

第三十六回はシンシア・バクスターの巻(執筆者:片山奈緒美)

獣医は探偵に向いている? 犬や猫の飼い主なら、ワクチン注射やちょっとした体調不良のたびにペットを動物病院に連れていくたいへんさを一度ならず感じているはず。狭い待合室で吠え続ける犬やバリケンのなかで怯え続ける猫。そんな場所で長く待たねばならず…

第4回横浜読書会開催!

満席となりました。キャンセル待ちをご希望の方はykhma.rg@gmail.comまでご連絡ください。 埼玉、東東京、福島、大阪と読書会開催の知らせが続々と届いていますが、横浜でも2月8日(金)に第4回読書会を開催します!! 課題本はチャイナ・ミエヴィル『都市と…

第9回大阪読書会開催!

【1月24日追記】おかげさまで満席となりました。 第9回 関西翻訳ミステリー読書会主催(翻訳ミステリー大賞シンジケート後援) アーロン・エルキンズ『古い骨』読書会 関西翻訳ミステリー読書会の2013年第1弾は、アーロン・エルキンズの『古い骨』です。古…

最速!海外ミステリー先読みスニークプレビュー始動!(執筆者・若林踏)

翻訳ミステリー大賞シンジケートをご愛読の皆様、お久しぶりです、若林踏です。 って誰だ、お前は! と思った方、失礼しました。以前、「ふみ〜、不思議な小説を読んで頭が、ふ、沸騰しそうだよ〜」というコーナーを書かせていただいた際には、挟名紅治と名…

第四回翻訳ミステリー大賞二次投票要項&授賞式のご案内

■第四回翻訳ミステリー大賞二次投票要項 2012年12月20日に発表された第四回翻訳ミステリー大賞の最終候補6作を対象とした二次投票のご案内です。 最終候補6作は以下のとおりです(作品名50音順)。 『解錠師』スティーヴ・ハミルトン/越前敏弥訳(早川書…

初心者のためのレイモンド・チャンドラー入門(執筆者・加藤篁)

「しっかりしていなかったら、生きていられない。やさしくなれなかったら、生きている資格がない」 「ギムレットには早すぎる」 「さよならをいうのは少し死ぬことだ」 チャンドラーを読んだことのない方でも、フィリップ・マーロウという探偵の名前と、上の…

アガサ・クリスティー攻略作戦 第九十六回(執筆者・霜月蒼)

TVを消して本を読め!第三十八回(執筆者・堺三保/挿絵・水玉螢之丞)

第38回 現代のロビン・フッドか、仕置き人か? 緑色の射手が悪を撃ち抜くアクションドラマ『アロー』 年末年始を実家で過ごそうと日本に帰ってきて、いきなり夏服のまま真冬の寒さにさらされている堺です。皆さま、風邪にはご注意ください。 それはさておき…

The long and winding road(執筆者・尾之上浩司)

(1)紆余曲折の向こう側 突貫仕事に追われていた初秋、翻訳ミステリー大賞シンジケートから不意のメールがとどいた。「翻訳家エッセイの執筆者が底をつきかけているので、ご協力いただけないか」という打診だった。 これといった突出した訳業がそんなにあ…

第4回福島読書会開催!

第4回翻訳ミステリ福島読書会のお知らせ 課題図書は「ABC」からスターとして「XYZ」まで網羅する、翻訳ミステリー読書会と国内作品読書会との二本立てでミステリー読書会に万里の長城を築くと、往年の新間寿氏並の大言壮語ではじまった福島読書会、2…

第二回東東京読書会のご案内

満席となりました。キャンセル待ちをご希望の方は専用アドレスまでご連絡ください。 みなさま、あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。 さて、第一回に好評をいただいた東東京読書会、第二回の準備が整いましたのでお知ら…