原書房編集部発のひとりごと(編集部I)
編集者の娘の話をしよう。
って僕の娘さんのことなんだけど、僕のせいでちょっと面白くなってしまったので、このあたりでさらしておこうと思う。
思えば彼女の幼稚園時代に三津田信三さんの『首無の如き祟るもの』のゲラをせがまれて読み聞かせをしてしまったからかもしれない。冒頭数ページを読んでやると、「火の中で首だけが笑ってるー」といって絵を描きはじめた。うれしかったのか? そこがツボか? これがあまりにも面白かったのでブログに貼ってみたら三津田さんにも大うけ。これを娘に伝えると「じゃあさー、ぱぱの会社で売れば?」ときたよ。いきなり目線を上げすぎだろ。
それ以来、読めもしないのに(園児だからね)二階堂黎人さんの『魔術王事件』を勝手に持ってきて「これ読んで。表紙の絵がこわーい」とか、「小説描いたら売ってもいいよ」とかあるいは短い物語を書いてきて「売れるかなあ」とか、そんなんばっかで、小学生になっても『大きな一年生と小さな二年生』には目もくれない日々が続いていた。
いま二年生になってその傾向がさらに強くなって、このところ少し長めの絵物語をしこしこ描いている。タイトルは『地獄目少女』。ちゃんとカバーまで作ってあるんだね。右の目が赤くて左目が青い女子中学生が主人公なんだそうだ。「あのね、『赫眼』を見てて思いついたの」あかまなこ、ってちゃんと読めるのもちょっとびっくりだったが。
地獄目少女の手は死人のように冷たくて、特技は呪い。呪いも藁人形に結びつけた毛糸が切れると相手が死んでしまうというアレンジもあって、意外に凝っている。もちろん彼女の祖母は渋い顔だ。彼女はやはり、「これいくらで売れる?」と訊く。そういう計算をする前に800円の買い物をして1000円出してお釣りは920円だったら店がつぶれるぞ。
この先どこまでいっちゃうのか。とりあえず春休みにはポーあたりを勧めてみよう。「黒猫」のジュブナイルを探してみるよ。
こうして最後に海外ミステリにからめるのだった。
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