「三人による選書フェア」@青山ブックセンター六本木店のお知らせ（執筆者・田口俊樹）

先週から六本木の青山ブックセンター（ＡＢＣ）で、「三人による選書フェア」という催しが開かれています。
翻訳家の鴻巣友季子さん、作家の堀江敏幸さん、それに私の三人がそれぞれ選んだ三十点、合計九十点のフェアです。
私は新旧取り混ぜて、翻訳ミステリーを中心に翻訳ものだけを選びました。
以下のとおりです。
ご関心の向きは六本木〈ＡＢＣ〉まで足をお運びいただければ幸いです。
どうぞよろしく。

田口俊樹

田口俊樹による選書30冊
１　『ミレニアム２　火と戯れる女』　とにもかくにもヒロイン、リスペットにしびれました。

ミレニアム2 上 火と戯れる女

ミレニアム2 下 火と戯れる女

２　『犬の力』　ただただ物語のスケールの大きさに感嘆喫驚。

犬の力 上 (角川文庫)

犬の力 下 (角川文庫)

３　『郵便配達はいつも二度ベルを鳴らす』　堕ちていく男と女の切実さが悲しいクライム・ノヴェル。

郵便配達夫はいつも二度ベルを鳴らす (ハヤカワ・ミステリ文庫 77-1)

４　『幻の女』　サスペンスに富むほろ苦い友情物語。

幻の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 9-1))

５　『夢果つる街』　愛があれば歳の差なんて……でも、切ない切ない名作です。

夢果つる街 (角川文庫)

６　『法律事務所』　グリシャムの名を世界に知らしめた弁護士ものの傑作。

法律事務所 (小学館文庫)

７　『ロング・グッドバイ』　探偵、フィリップ・マーロウの渋さ炸裂。

ロング・グッドバイ

８　『マルタの鷹』　探偵、サム・スペードのかっこよさ爆発。

マルタの鷹 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

９　『Ａ型の女』　探偵、アルバート・サムスンの心やさしさ爆裂

A型の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

１０『さらば甘き口づけ』　味わいは純文学の淡い叙情が美しい名作。

さらば甘き口づけ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

１１『ミスティックリバー』　後味にいささか難ありながら、読ませます。映画もよかった。

ミスティック・リバー (ハヤカワ・ミステリ文庫)

１２『さむけ』　ほんとうに最後は寒気がする探偵リュー・アーチャー・シリーズの傑作。

さむけ (ハヤカワ・ミステリ文庫 8-4)

１３『警官嫌い』　長寿『８７分署』シリーズの記念すべき第一作。

警官嫌い (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 13‐1))

１４『わが名はレッド』　暴力的でどこかとぼけた味わいが読みどころのノワール。

わが名はレッド (ハヤカワ・ミステリ文庫)

１５『死の接吻』　倒叙ミステリでありながら、犯人探しも愉しめる名作。

死の接吻 (ハヤカワ・ミステリ文庫 20-1)

１６『クリスマスのフロスト』　フロスト警部の愛すべきキャラが読みどころのページターナー。

クリスマスのフロスト (創元推理文庫)

１７『ポップ１２８０』　小説の中身以上に小説の結構の猥雑さが魅力のクライム・ノヴェル。

ポップ1280 (扶桑社ミステリー)

１８『クリスマス・プレゼント』　買って損のない粒ぞろいでツイスト満載の短篇集。

クリスマス・プレゼント (文春文庫)

１９『羊たちの沈黙』　レクター教授の圧倒的存在感とクラリス捜査官のさわやかさの対比が見事。

羊たちの沈黙 (新潮文庫)

２０『血と暴力の国』　純文学作家の書いた暴力的、そして知的ハードボイルド。

血と暴力の国 (扶桑社ミステリー)

２１『古書の来歴』　ミステリーではないけれど、今年刊行で読んだ中のヒット作。

古書の来歴

２２『死の蔵書』　本格とハードボイルドの見事な合体小説。

死の蔵書 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

２３『ロシアから愛をこめて』　やっぱりジェームズ・ボンドはエロカッコいい。

007/ロシアから愛をこめて (創元推理文庫)

２４『緋色の記憶』　文学的抒情豊かなサスペンス。

緋色の記憶 (文春文庫)

２５『時の娘』　安楽椅子探偵（ベッド・ディテクティヴ）ものの不朽の名作。

時の娘 (ハヤカワ・ミステリ文庫 51-1)

２６『チャイナタウン』（探偵リディアがなんとも可愛く初々しいシリーズ第一作）

チャイナタウン (創元推理文庫)

２７『シャーロック・ホームズの冒険』やっぱり一度は読んでみてください。

シャーロック・ホームズの冒険 (創元推理文庫)

シャーロック・ホームズの冒険―新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)

２８『そして誰もいなくなった』　わくわくどきどき驚愕の結末。嘘ではありません。

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

２９『あなたに似た人』　“毒”のさじ加減が絶妙の短篇集。

あなたに似た人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 22-1))

３０『特別料理』　奇妙な味に舌鼓を打ってうなってしびれてください。

特別料理 (異色作家短篇集)