新潮文庫9月の新刊

死もまた我等なり(上): クリフトン年代記 第2部 (新潮文庫)

死もまた我等なり(上): クリフトン年代記 第2部 (新潮文庫)

死もまた我等なり(下): クリフトン年代記 第2部 (新潮文庫)

死もまた我等なり(下): クリフトン年代記 第2部 (新潮文庫)

 
死もまた我等なり(上・下)The Sin of the Father ()
ジェフリー・アーチャー(Jeffrey Archer)/戸田裕之・訳
 新潮文庫/定価:630円/630円
 ISBN:上巻=978-4-10-216135-7 下巻=978-4-10-216136-4
  
 お待たせしました! 大反響『時のみぞ知る』から5ヶ月――。
 遂に、クリフトン年代記第2部刊行です。
 三部作構成という触れ込みではじまったこのシリーズ、本国ではその好評ぶりからなんと七部作に構想が拡大しているとの情報も!
 第1部より物語が展開し、もっともっと面白くなってきています。
 
 主人公ハリーの身にまさかの事態が……という衝撃のラストで『時のみぞ知る』下巻が幕切れし、「続きが気になる」「続刊はいつ出るのか」というお声をたくさん頂きました。5ヶ月もお待たせして本当にすみません。前もって謝罪申し上げます。今作『死もまた我等なり』を読んでいただければまた、「第3部が早く読みたい!!」と皆様を悩ませてしまうかと思います。申し訳ありません。
 
 アメリカ上陸と同時に思いがけず窮地に追いつめられたハリー。本国イギリスには、ハリーが死んだという報せまで届きます。
 皆が打ちひしがれるなか、愛する彼の生存を信じ続けるエマ。真相を探るため、単身米国に乗り込みます。そこで、重大な真実を秘めたある本に出会い……。
 
 社会状況としては第二次世界大戦が勃発。金策に苦しむヒューゴーは過ちを重ねたり、ハリーの母メイジーとの取引を目論んだり、戦地に赴くジャイルズに災難が降りかかったり……。
 エマが必死に行方を追うハリーもまた、予想だにせぬ場所で生死を賭けた試練を迎えます――。「生きて再会したい」エマの願いは届くのでしょうか。 
 今回はこのエマをはじめ、メイジー、エマの大叔母フィリスなど、逆境と戦う女性たちのしなやかな強さも見所です。
 
 やがて彼らは、英国中を巻き込む大論争の的となっていくのですが……。
 ついついネタバレしてしまいそうになるほど、展開が満載のシリーズ2作目。金、権力、身分、愛、友情……変化する人間模様に、ページをめくる手が止まりません。
 
 今回解説を担当してくださった作家・山本一力
「70歳を過ぎて、今までで一番面白い作品を読ませてくれるとは! 脱帽の一言」
 と評しました。
 73歳のアーチャー、自身最高傑作を描こうという気合がひしひしと伝わってきます。
 是非、『時のみぞ知る』と合わせて読書の秋のお供にしてください。
 
新潮文庫編集部 T)
 
 
キャリー (新潮文庫)

キャリー (新潮文庫)

 
  
キャリー(改版復刊)Carrie (1974)
 スティーヴン・キングStephen King)/永井淳・訳
 新潮文庫/定価745円(税込)
 2013年10月1日発売/ISBN: 978-4-10-219304-4
 解説:風間賢二
 
入手不能だったキングのデビュー長篇にして永遠の名作が
三度目の映画化を機に改版&復刊!
加えて、風間賢二氏渾身の書き下ろし解説!
 
プロムの夜に何かが起こる。
スクールカーストも一変させる何かが。
 
 かわいそうなキャリー。
 美しく愛らしかった少女は変貌してしまった。宗教に取り憑かれてしまった母のせいか。幼い頃から続くイジメのせいか。
 あるいは、彼女に潜む超絶的な力のゆえか……。
「キャリー・ホワイトはうんこを食べる。」
 強烈な一文で始まる本書は言わずとしれたモダン・ホラーの巨人キングのデビュー長篇です。
 スクールカーストの最下層に置かれた彼女の日々は読むものの心に重くのしかかってきます。「いまいましいキャリー」と陰口を叩かれ、「間抜けという言葉は CARRIE と綴る」などと笑われ、家に帰れば性的なものを徹底的に忌避する母親から「おまえは悪魔の申し子だよ」「神に祈ればおまえの罪は洗い清められるかもしれないよ」などと言われます。
 学校生活というものの閉塞感、未知の自分と未来に対するとまどい、イラ立ちは、そこを通り過ぎてきた人なら誰でもが思い当たることでしょう。そんな出口なしに見える毎日を送るキャリーにも、かすかに現れる周囲の変化がやがて、彼女に思わぬ機会を与えます。
 ハイスクール最大のイベント、最高学年のプロム。
 人々はいったいそこに何を見るのか。
 そして、なぜ彼女の住む小さな町が凄絶な運命に襲われることになるのか――。
 ブライアン・デ・パルマ監督に始まり、これまで何人もの映像作家を魅了してきた巨匠キングの瑞々しくも鮮烈なデビュー長篇が映画化されるのは今回で3度目。キャリー役はキック・アスヒット・ガールのクロエ・モレッツです!
新潮文庫編集部・K)
 
●『キャリー』予告編

 
●映画公式サイト http://www.carrie-movie.jp/
 (11月8日公開)
 
時のみぞ知る〈上〉: クリフトン年代記 第1部 (新潮文庫)

時のみぞ知る〈上〉: クリフトン年代記 第1部 (新潮文庫)

時のみぞ知る〈下〉: クリフトン年代記 第1部 (新潮文庫)

時のみぞ知る〈下〉: クリフトン年代記 第1部 (新潮文庫)