2011-01-01から1年間の記事一覧

2011年「秋の読書探偵」作文コンクール 最終審査結果発表!

みなさん、お待たせしました! 今年度の「秋の読書探偵」コンクールの最終審査結果を発表します。 今年の応募総数は108作(小学生91作、中高生17作)。11月上旬の予選委員による選考によってまず15作(小学生11作、中高生4作)の1次選考通過作が選出された…

この思い、あの人に届け! 第6回「プン プン プン」 『私刑』の巻(執筆者・狭名紅治)

この連載、ここんとこ「お仕事小説」だの国内ミステリーとの関連だのと、あれこれ考えては袋小路に入ってしまうというパターンだったが、大事なことをすっかり忘れていたよ。この読書日記の目的は、西田ひかるにもう一度P・コーンウェルを語ってもらえるよ…

第八の刺客:J・F・イングラート(その2)

犬猫物だってだけでコージー・ミステリに入れちゃっていいのか? うーむ、微妙なところなんだよなー、というところで前回終わっていた〈黒ラブ探偵・ランドルフ〉シリーズ。今回は二作目になってランドルフ君の遭遇するおかしなシチュエーションもパワーアッ…

武田ランダムハウスジャパン・11月の新刊

ミスター・クラリネット/ Mr.Clarinet (2006) ニック・ストーン Nick Stone/熊谷千寿訳 945円(上巻・税込)966円(下巻・税込)/2011年11月10日発売 ISBN:(上) 978-4-270-10398-2 (下) 978-4-270-10399-9ミスター・クラリネット 上 (RHブックス・プラス)作…

モテない男の白ソックス〜ジェネリン『冷血の彼方』を読め〜(執筆者・図子慧)

冷血の彼方 (創元推理文庫)作者: マイケル・ジェネリン,林啓恵出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2011/02/24メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (11件) を見る 会社づとめのころ、ある同僚がいつもスーツに綿ソックスで会社にき…

さよならを言うたびに(執筆者・大久保寛)

第2回 7年ほど前に腎臓がんになった。 腎臓がんというとマイナーなので、肺がんや胃がんと違って、あまり話題になることもないが、意外にこの病気で亡くなっている有名人も多いのである。 作家の中上健次氏、作詞家の阿久悠さん、元大関北天佑、哲学者の池…

東京創元社 11月の新刊

『緋色の十字章』/Bruno, Chief of Police マーティン・ウォーカー(Martin Walker)/山田久美子・訳 創元推理文庫/定価987円(税込)/11月11日/ISBN:978-4-488-27309-5 名物はフォアグラ、トリュフ、胡桃。人口三千人、風光明媚なフランスの小村で、…

「秋の読書探偵」作文コンクール 1次審査結果発表!

みなさん、お待たせしました! 「秋の読書探偵」作文コンクールの1次選考の結果を発表します。 中高生の部17通、小学生の部91通の応募作文を、3人の予選委員(やまねこ翻訳クラブ会員1名、当シンジケート事務局メンバー2名)が今月上旬にじっくり読み、…

扶桑社発のひとりごと 20111111(執筆者・扶桑社T)

第20回 ごぶさたです。 「翻訳編集って、どんな仕事?」を解説しようという、なんだか自分の首を締めそうな話をはじめてしまったこのコラム、前回はゲラを作るところまで説明しましたので、そのつづきです。 原稿をゲラにしたら、いよいよ肝心の、訳文のチェ…

書評七福神の十月度ベスト発表!

書評七福神とは翻訳ミステリが好きでたまらない書評家七人のことなんである。 そろそろ年間ランキングの噂がもれ聞こえてくる時期になりましたが、そういうことは一切無視して七人の好きな小説のことだけを書きます。ランキングに入ろうが入るまいが、いい小…

アガサ・クリスティー攻略作戦 第六十五回(執筆者・霜月蒼)

第十二回『エニグマ奇襲指令』の巻(執筆者・東京創元社S)

みなさんこんにちは! なんだかもう、この「ラムネ」の記事はきちんとご挨拶をしないと書けないような体になっている気がします。しかーし! 今回は挨拶もそっちのけで作品の紹介をしたいと思います。のっけからテンション高いです! さて、今回の課題はマイ…

2011年10月度カンパご報告

以下の方よりカンパをちょうだいしました。 心からお礼申し上げます。 ヨダヨウ様 資金カンパにつきましては、こちらをご覧ください。 翻訳ミステリー大賞シンジケート事務局

さよならを言うたびに(執筆者・大久保寛)

第1回 9月に父が84歳で亡くなった。 この父は警視庁の元警察官で、主に公安畑を歩んだコチコチの刑事だった。 口癖のように言っていたのが、「テレビや小説のミステリはでたらめだ。警察がこんな馬鹿なやり方をするはずがない」という言葉だった。 せっ…

秋の読書探偵・応募者の読んだ全作品リスト

先日開催した「秋の読書探偵」作文コンクールへのご協力ありがとうございました。おかげさまで、今年は小学生・中高生の両部門合わせて100名を超えるかたからの応募がありました。現在、事務局メンバーと協力のやまねこ翻訳クラブ会員による1次審査を進めて…

作品社10月の新刊

ハニー・トラップ探偵社/ The Honey Trap (2007) ラナ・シトロン(Lana Citron)/田栗美奈子訳 定価:1900円(税別)/発売日: 2011/10/31 ISBN: 978-4861823480ハニー・トラップ探偵社作者: ラナ・シトロン,田栗美奈子出版社/メーカー: 作品社発売日: 20…

集英社文庫10月の新刊

パンチョ・ビリャの罠/ HEAD GAMES (2007) クレイグ・マクドナルド(Craig McDonald)/池田真紀子・訳 定価800円(税込)/2011年10月20日発売 ISBN: 978-4-08-760634-8 パンチョ・ビリャの罠 (集英社文庫)作者: クレイグ・マクドナルド,池田真紀子出版社/…

翻訳ミステリー長屋かわら版・第22号

田口俊樹 先月の翻訳者エッセイで、高橋佳奈子女史がことば遊びをなさっていたので、私も真似して。 朝っぱらからなんなんですけど。よくあるワープロの変換ミス・ネタなんですけど。 レイプ被害者の女性が医師の診察を受けるシーンを訳してたんですよね。 …

第1回名古屋読書会のご案内(執筆者・大矢博子)【再掲】

満席のため締め切りました 東京や大阪はもう5回目をやるっつーし、福岡でもやってるし、こないだは横浜でもやったっつーのに、名古屋は何しとるんだ出遅れとるでにゃーかドタワケが! と思ってらした在名翻訳ミステリ好きの皆さん、お待たせしました。ホン…

第5回東京読書会開催!(再掲)

第5回東京翻訳ミステリー読書会を開催します。 満席のため締め切りました●日時:11月29日(火) 18:30開場、19:00開始、21:00終了予定 ●会場:渋谷駅近辺 (駅から徒歩5分程度。詳細は参加申込者に直接連絡します) ●課題作品:『この町の誰かが』創元推理…

関西アガサ・クリスティー読書会のお知らせ

関西翻訳ミステリー読書会主催 (翻訳ミステリー大賞シンジケート後援)満席につき締め切りました 第1回 アガサ・クリスティー読書会〜ティールームでミステリを〜 開催日 11月20日(日) 場所 大阪駅(梅田駅)近辺(徒歩5〜10分程度)のティールーム 時…

巻の1・アルセーヌ・ルパン躍動す。『アバンチュリエ』

アバンチュリエ(1) (イブニングKC)作者: 森田崇,モーリス・ルブラン出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/06/23メディア: コミック クリック: 27回この商品を含むブログ (30件) を見る「ミステリマガジン」でコミックレビュー(小財満氏と隔月交代)を担当し…

第三回翻訳ミステリー大賞一次投票のご案内

■翻訳ミステリー大賞とは何ですか? 2009年10月1日に設立された翻訳ミステリーの年間ベスト1を選ぶ賞です。海外作品の原著者と日本の読者の架け橋となる翻訳家が選ぶ翻訳ミステリーという点を一番の特徴にしたいと考えております。 賞の正式名称:「翻訳ミ…

第二十二回はシンシア・ロビンソンの巻(執筆者・片山奈緒美)

「公園デビューって勇気がいるのよね。ほら、新人ははいりにくいでしょ」 うんうん、たしかに、たしかに。ただし、そうわたしに言った友人が連れているのは幼児ではなく子犬。念願の子犬を飼いはじめて、さてお散歩に近所の公園まで……と思って出かけてみても…

翻訳者のことば遊び(執筆者・高橋佳奈子)

前回、オヤジギャグについて書き、そろそろまたオヤジギャグ満載の小説を読みたいなと思っていたら、友人が新刊を送ってくれた。ここにエッセイが載る前だったから、わたしがそう思っていたことは知らなかったはずなのに。これぞ以心伝心? 「ブラッド、今回…

東京創元社 10月の新刊

『夜を希(ねが)う』/Envy the Night マイクル・コリータ(Michael Koryta)/青木悦子・訳 創元推理文庫/定価1008円(税込)/10月8日/ISBN:978-4-488-11703-0 【LAタイムズ最優秀ミステリ賞受賞作】 「デヴィンが戻ってくる」──父の友人から連絡を…

第1回横浜読書会レポート(執筆者・寳村信二)

大阪、福岡に続き、10月7日(金曜日、奇しくも鮎川賞授賞式と同じ日)には横浜で第1回の読書会が開催されました。場所はみなとみらい線の終点、元町・中華街駅から少し歩いた公共施設の会議室。 課題図書は地元横浜に相応しく、S・J・ローザンの『チャイナタ…

藤原編集室通信(出張版) 第2回

小学校の図書室の方へ The past is a foreign country(過去はひとつの異国である)とは、 L・P・ハートリーの『恋を覗く少年』冒頭の有名な一文ですが(※1)、当編集室今月の新刊、森英俊・野村宏平編著『少年少女 昭和ミステリ美術館』(平凡社)は、そう…

この思い、あの人に届け! 第5回 オーマイゴッド!!だね 『死体農場』の巻(執筆者・狭名紅治)

『死体農場』! コーンウェルの作品を読んでいなくても、このタイトルだけは鮮烈な印象で頭の中に残っている。『死体農場』! それは女性アイドルや人気声優さんが好きというには、あまりにも不似合な響きの小説の題名。『死体農場』! 何度でも声に出して読…

Film 1 『ゴーストライター』(執筆者・三橋曉)

書評家・三橋曉氏の映画評がはじまります。 記念すべき第一回は『ゴーストライター』。お楽しみください。 ミステリ試写室 film 1 ゴーストライター もしかすると、今年はミステリ映画の当たり年なのかもしれない。夏の終わりから秋にかけての公開作品だけで…