2009-01-01から1年間の記事一覧
ジョー・ゴアズ『スペード&アーチャー探偵事務所』(木村二郎/訳、早川書房)が出版されましたね。 この本には、ちょっとした経緯がありましたが、ともかく出てよかったです。http://www.fusosha.co.jp/mysteryblog/2009/03/post_127.html『マルタの鷹』(…
『幽霊の2/3』 ヘレン・マクロイ/駒月雅子訳 創元推理文庫幽霊の2/3 (創元推理文庫)作者: ヘレン・マクロイ,駒月雅子出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2009/08/30メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 21回この商品を含むブログ (37件) を見る ヘレン・…
『水時計』 ジム・ケリー/玉木亨訳 創元推理文庫水時計 (創元推理文庫)作者: ジム・ケリー,玉木亨出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2009/09/05メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 15回この商品を含むブログ (32件) を見る ジム・ケリーは、二〇〇六年に…
『パイレーツ―掠奪海域―』/Pirate Latitudes マイクル・クライトン/Michael Crichton 酒井昭伸訳 ISBN:978-4-15-209091-1 刊行日:2009/12/09 46判上製 定価1,995円(税込) クライトン甦る! 急逝した巨匠のパソコンの中から発見された遺作。スピルバー…
『静かなる天使の叫び』 R・J・エロリー/佐々田雅子訳 集英社文庫/上下各・本体705円静かなる天使の叫び (上) (静かなる天使の叫び) (集英社文庫)作者: R・J・エロリー,佐々田雅子出版社/メーカー: 集英社発売日: 2009/06/26メディア: 文庫 クリック:…
『ピザマンの事件簿 デリバリーは命がけ』 L・T・フォークス/鈴木恵訳 ヴィレッジブックスピザマンの事件簿 デリバリーは命がけ (ヴィレッジブックス)作者: L ・T ・フォークス,鈴木恵出版社/メーカー: ヴィレッジブックス発売日: 2009/05/20メディア: 文…
『シェイクスピア・シークレット』 ジェニファー・リー・キャレル(Jennifer Lee Carrell)/布施由紀子訳 角川書店 発売日:2009/5/30シェイクスピア・シークレット 上作者: ジェニファー・リー・キャレル,布施由紀子出版社/メーカー: 角川書店(角川グループ…
小路幸也さんをお招きしての「週末招待席」第四回。前回はクイーン談義から意外なところに話が発展しましたが、今回も小路さんの作品世界についてお聞きするところから始めたいと思います。さらに小路さんの読書体験について、もう少し根掘り葉掘り聞いてし…
『暁に消えた微笑み』/GOOD MORNING DARKNESS ルース・フランシスコ(Ruth Francisco)/芹澤恵・訳 定価987円(税込)/09年12月19日/ISBN:9784863322042 朝焼けの浜辺に流れついた一本の腕。ダイヤの指輪をはめたその腕の主はいったい――。時同…
小路幸也さんをお招きしての「週末招待席第三回」。前回小路さんが挙げられた〈エラリイ・クイーンベスト5〉は、1『ダブル・ダブル』、2『九尾の猫』、3『十日間の不思議』、4『シャム双生児の秘密』、5『真鍮の家』でした。今回は、それぞれの作品を…
(編集部より) 既報のとおり、第1回翻訳ミステリー大賞の最終候補作は以下に決定しました。 投票第1位 『犬の力』ドン・ウィンズロウ/東江一紀訳(角川文庫) 投票第2位 『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』スティーグ・ラーソン/ヘレンハルメ美…
あっという間に12月も半ば(平凡な出だしですみません)。年末と言えば忘年会ですが、編集者として気になるのはやっぱり各種の「年末ベスト」。海外ミステリ関係者なら、この時期が近づくにつれてじりじりとした気分を感じながら、「このミステリーがすごい…
本日、渋谷のフォーラム8で開催されたミステリー系翻訳者の懇親会の席上を借りて、翻訳ミステリー大賞第1次選考通過5作品を発表しました。この懇親会は、毎年末に開催される、(おそらく)国内最大の、由緒正しき翻訳者の集いです。本年度も翻訳者、評論…
原稿の〆切りがなかなか守れない。労働意欲がないわけじゃない。日々の仕事がはかどらないのはテレビドラマのせいである。なるべくミステリー系に絞るようにしているが、それでも日に3、4時間ついやしてしまうのは、数年前から海外ものもチェックするよう…
【都内某所における開票作業。写真・左:田口俊樹、右:杉江松恋】 2009年に刊行された翻訳ミステリーの中から最優秀作を選ぶ翻訳ミステリー大賞は、いよいよ明日9日に最終候補5作が発表されます。ネット上での報告は、10日未明になる予定。どんな作…
『片腕をなくした男』(上・下)/Red Star Rising ブライアン・フリーマントル(Brian Freemantle)/戸田裕之・訳 新潮文庫/定価:本体各629円(税別)/ ISBN:上巻=978-4-10-216560-7 下巻=978-4-10-216561-4 チャーリー・マフィン完全復活! モスクワ…
スティーグ・ラーソンのミレニアム三部作は、多くのプロの書評家が絶賛し、web上で見かけるアマチュアのレビューも大半が肯定的だ。 このブログでも状況は同じである。北上次郎氏いわく、今年の翻訳ミステリは、スティーグ・ラーソンのミレニアム三部作で決…
(承前) 以上のように構成だけでも十分やばいのに、ミレニアム三部作はキャラクター造形でもやらかしてしまっている。 三部作に統一感は希薄だが、実は一つだけ、全体を結合し得る要素がある。それが主人公リスベット・サランデルである。彼女は三部作全体…
(承前) 以上、長々と書いて来たが、私の見解を簡単にまとめると、構造・キャラクターいずれの面から言っても、ミレニアム三部作は志が低い。女性への暴力や国家権力の理不尽、そして最終的に打ち出される社会正義の実現など、三部作に用いられた各モチーフ…
ミステリー・ファンの皆様方へ: 自称ミステリー研究家/翻訳家の木村二郎です。 「マルタの鷹協会日本支部」の入会勧誘委員を務めています。 (「マルタの鷹協会日本支部」は1982年に発足したハードボイルド/私立探偵小 説・映画ファンの集まりです) …
『クリスマスのフロスト』 R・D・ウィングフィールド 創元推理文庫 He thrust forward a carefully aimed, stubby finger. “How’s that for center?” フロストは慎重に狙いを定めると、太くて短い指を標的に突き立てた。「浣腸は好きかい?」 担当編集者か…
小路幸也さんをお招きしての「週末招待席」第二回。第一回では、ジュヴナイル版エラリイ・クイーンとの出会いについて語っていただきました。デューセンバーグでしたか。あれはかっこいいですよね。第二回は、大人向けミステリーとの出会いについて。最初に…
今月から「翻訳ミステリー大賞シンジケート」では、「週末招待席」と題して翻訳ミステリー愛好者をお招きし、読書歴や偏愛する作品などについて語っていただきます。土・日曜日にインタビュー記事を掲載していくので、これまで週末にアクセスしていなかった…
「諦めたほうがいいですよ。女ばっかりですから」 4年前、「翻訳書編集部」に異動してきた時に、ある日本人エージェントに言われた言葉。それまでは入社以来13年間、女性誌の編集部にいました。仕事はかなり充実していたのですが、そのぶん低迷しきっていた…
ジェフリー・ディーヴァー=ジェットコースター・ミステリー。 いきなり断言してしまいましょう。この看板に偽りはありません。ディーヴァー作品の表紙を開くのは、遊園地のジェットコースターの、あの狭苦しくも安心なシートにおさまり、安全バーをぐっと握…
有隣堂トレッサ横浜店様が、毎月の「書評七福神お薦め本」を陳列するコーナーを作ってくださいました。近くにお越しの方は、ぜひお立ち寄りください。 お店の情報は以下のURLからご覧になれます。 http://www.yurindo.co.jp/shop/tressa.html 有隣堂トレッサ…
翻訳ミステリー大賞および宣伝媒体である翻訳ミステリー大賞シンジケートは、スポンサーに依存せず、ボランティアによる運営を行っております。大賞およびその授賞式のための準備資金や、サイトの継続にともなう固定費(人件費を除く)は、すべて有志のカン…
こんなに原作とキャラが違ってていいわけ? 今、医学者探偵といえば、誰のことだと思います? 元祖法医学者探偵のソーンダイク教授?(『赤い拇指紋』とか、古典過ぎますかね、やっぱ(笑)) スケルトン探偵ギデオン・オリヴァー?(初期作品『暗い森』は、…