2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

クラシック音楽の扱いがマトモなミステリ、ベスト5・その3(執筆者・酒井貞道)

ジョン・フランクリン・バーディンの『悪魔に食われろ青尾蠅』は1948年の作品で、サイコ・サスペンスの先駆として名高い。クラシック音楽の観点から注目したいのは、この作品の主人公エレンがチェンバロ奏者であること、および主に弾かれるのがバッハの《ゴ…

早川書房 11月の新刊

『プロフェッショナル』/The Professional ロバート・B・パーカー/ Robert B. Parker 加賀山 卓朗(訳) ISBN:978-4-15-209081-2 刊行日:2009/11/06 46上製判単行本 定価1,995円(税込) 〈ハヤカワ・ノヴェルズ〉スペンサー、強請屋を追う! 情欲と金に…

会心の訳文・第三回(執筆者・横山啓明)

『著者略歴』ジョゼフ・コラビント(ハヤカワ・ミステリ文庫)著者略歴 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: ジョンコラピント,John Colapinto,横山啓明出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2005/11/01メディア: 文庫この商品を含むブログ (12件) を見る 翻訳をして…

文藝春秋 11月の新刊(文庫化)

12番目のカード ジェフリー・ディーヴァー/池田真紀子訳 The Twelfth Card, Jeffery Deaver 文春文庫上下二巻 リンカーン・ライム・シリーズ第6作、文庫化! 140年前に解放奴隷の男を襲った悲運と 少女をつけ狙う冷血の殺人者とのつながりは? 自身のル…

『ビューティ・キラー2 犠牲』(執筆者・霜月蒼)

『ビューティ・キラー2 犠牲』チェルシー・ケイン/高橋恭美子訳(ヴィレッジブックス) ビューティ・キラー2 犠牲 (ヴィレッジブックス)作者: チェルシー・ケイン,高橋恭美子出版社/メーカー: ヴィレッジブックス発売日: 2009/06/20メディア: 文庫 クリッ…

東京創元社発のひとりごと(執筆者・東京創元社 い)

増殖する本について想うこと、あるいは老化現象に関する嘆き 翻訳編集者の皆さん、本はどうしていらっしゃいますか? ひたすら増える蔵書のことです。ふと気がついたのです。翻訳ものの編集者は、普通の編集者より本の増えるスピードがはやいのだと……。 原書…

初心者のためのスティーヴン・キング(執筆者・白石朗)

ここでいう初心者とは、本サイトをごらんになるほど読書好きなのに、なぜかキング作品にふれたことのない方や、そびえるキング山脈を見あげてボリュームに圧倒され、手を伸ばさずにいた幸運な方々のことです。そんな方々にキング作品を薦めるのは、ある意味…

2009年、私のベスト10暫定版第6回・その1(執筆者・中辻理夫)

1『静かなる天使の叫び』R・J・エロリー(集英社文庫) 静かなる天使の叫び (上) (静かなる天使の叫び) (集英社文庫)作者: R・J・エロリー,佐々田雅子出版社/メーカー: 集英社発売日: 2009/06/26メディア: 文庫 クリック: 4回この商品を含むブログ (20件) を見…

2009年、私のベスト10暫定版第6回・その2(執筆者・中辻理夫)

(承前) 同じことが2位のドン・ウィンズロウ『犬の力』にも当てはまる。メキシコの麻薬ビジネス撲滅を魂の底から目指す捜査官、犯罪組織、彼らのあいだで炸裂する闘争を、粘っこくもドライに描いている。怒りの絶え間ないぶつかり合いが、やはり三十年にも…

最新海外ミステリーニュース20091104(執筆者・木村二郎)

011/Lionel Davidson Dies 『モルダウの黒い流れ』(ハヤカワ・ミステリ)、『シロへの長い道』(ハヤカワ・ミステリ文庫)『チェルシー連続殺人事件』(集英社)で3度もCWAゴールド・ダガー賞を、 2001年にはダイアモンド・ダガー賞(生涯功労賞)…

アガサ・クリスティー攻略作戦 第三回 (執筆者・霜月蒼)

最新海外ミステリーニュース20091103(執筆者・木村二郎)

010/2009 CWA Historical Dagger Award winner The Crime Writers Association of Britain announced on October 29 in London that Philip Kerr won the 2009 CWA Ellis Peters Historical Award for IF THE DEAD RISE NOT (Quercus, 2009), the sixth Bern…

驚きの共感を味わえるのがミステリー劇の醍醐味・・・・極私的ミステリー劇ベスト5・その1(執筆者・松坂健)

のっけから私事にわたってしまうことをお許し願いたいのだが、僕の家内がフーダニットという名のミステリー劇専門の劇団活動をやっていることはご存じの方が多いと思う。今年2009年で活動10年目、板に乗せたお芝居も20近くの演目数を数えている。中…

驚きの共感を味わえるのがミステリー劇の醍醐味・・・・極私的ミステリー劇ベスト5・その2(執筆者・松坂健)

(承前) 第1位「罠」(ロベール・トマ) 我が劇団でも処女公演と十周年記念公演と二回トライさせてもらったお芝居。 もうネタを知っている方も多いと思うが、このラストで陰画と陽画が見事に反転する鮮やかさは、やはり並みではない。役者さんたちに聞くと…

驚きの共感を味わえるのがミステリー劇の醍醐味・・・・極私的ミステリー劇ベスト5・その3(執筆者・松坂健)

(承前)第4位 十二人の怒れる男(レジナルド・ローズ) これまた知らぬ人のない名作。十二人の陪審員たちが、ひとりの少年の殺人をめぐって白熱した論議を繰り返すドラマ。 シドニー・ルメットが演出したヘンリー・フォンダ主演の映画は何度見ても面白い。…

黒原敏行の自薦イチ押し本

ソフィー (創元推理文庫)作者: ガイバート,Guy Burt,黒原敏行出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2009/11/20メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 81回この商品を含むブログ (30件) を見る『ソフィー』ガイ・バート(創元推理文庫) ミステリーの「自薦イチ押…