2009-11-10から1日間の記事一覧

クラシック音楽の扱いがマトモなミステリ、ベスト5・その1(執筆者・酒井貞道)

この手の記事を書く場合、「クラシック音楽はミステリによく似合う」などと適当に論旨をでっち上げて始めるのが王道だろう。しかし嘘を書くには、私はあまりにもクラシック音楽とミステリの双方を愛し過ぎている。だから正直に書くことにしよう。 クラシック…

クラシック音楽の扱いがマトモなミステリ、ベスト5・その2(執筆者・酒井貞道)

(承前) 今回は、そのような使用にとどまらず、クラシック音楽がもっと魅力的な扱いを受けている作品で、ミステリとしても水準以上の作品を5つ選んでみた。番号は振りますが、順位ではありません。1ジョン・ガードナー『マエストロ』(創元推理文庫) マ…

クラシック音楽の扱いがマトモなミステリ、ベスト5・その3(執筆者・酒井貞道)

ジョン・フランクリン・バーディンの『悪魔に食われろ青尾蠅』は1948年の作品で、サイコ・サスペンスの先駆として名高い。クラシック音楽の観点から注目したいのは、この作品の主人公エレンがチェンバロ奏者であること、および主に弾かれるのがバッハの《ゴ…