東京創元社 6月の新刊

ミステリーズ!』vol.65 JUNE 2014
東京創元社(雑誌)/本体価格1200円(税抜)/6月12日/ISBN:978-4-488-030650
東京創元社60周年記念】
トークイベント
有栖川有栖×似鳥 鶏「わたしの東京創元社ベスト5」 司会:瀧井朝世
連載
「わたしと東京創元社
北村 薫、加納朋子大倉崇裕藤野恵美、乾石智子、松崎有理、宮内悠介、酉島伝法
【読切短編】
ピーター・トレメイン 化粧ポウチ フィデルマ最初の事件 甲斐萬里江◎訳
●ブレホンのモランの学問所に入った若きフィデルマにふりかかる試練
【エッセイ】
小林宏明 銃の細道──見る、読む、訳す GUNの世界 第十二回
【ブックエッセイ】
深緑野分  私の一冊『ソフィー』 ガイ・バート
田中亜希子 私はこれが訳したい The Ghost's Child Sonya Hartnett
【評論】
川出正樹 ミステリ・ライブラリ・インヴェスティゲーション 第十六回

ミステリーズ!  vol.65

ミステリーズ! vol.65


『規格外ホテル』/Lucky Stiff
デボラ・クーンツ(Deborah Coonts)/中川聖・訳
創元推理文庫/本体価格1340円(税抜)/6月12日/ISBN:978-4-488-23704-2
カジノホテル〈バビロン〉で働くラッキーのもとには、絶えず無理難題が持ち込まれる。大通りを占拠したミツバチの大群を撃退したと思ったら、今度は容疑者となった友人を救うため、悪名高きオッズ屋がサメの水槽に投げ入れられて殺された事件を独自に調べることに。だが、被害者に関する思わぬ事実が判明して……!? 歓楽の都を颯爽といく行動派ヒロインの活躍、シリーズ第二弾。訳者あとがき=中川聖

規格外ホテル (創元推理文庫)

規格外ホテル (創元推理文庫)


『怪奇文学大山脈 I 西洋近代名作選 19世紀再興篇』
荒俣宏・編
東京創元社(単行本)/本体価格2400円(税抜)/6月28日/ISBN:978-4-488-01020-1
西洋怪奇小説の山脈は、無尽蔵の宝の山である――豊饒なる鉱脈に眠る傑作群の紹介と翻訳に尽力した、21世紀を代表する碩学荒俣宏。その幻想怪奇にまつわる膨大な知識の集大成ともいうべき巨大アンソロジーをお届けする。飽くなき探求の果てに見出された、幽霊、妖(あやかし)、呪い、怪物、そして運命の恐怖を描く、稀なる名作を全三巻に集成した。第一巻には本邦初訳作を中心とした14篇と編者による詳細なまえがき・作品解説を収録。

【収録作品】
ビュルガー「レノーレ」南條竹則
ゲーテ「新メルジーネ」垂野創一郎
ルートヴィヒ・ティーク「青い彼方への旅」垂野創一郎
無名氏「フランケンシュタインの古塔」南條竹則
キャサリン・クロウ「イタリア人の話」青木悦子訳
クレメンス・ハウスマン「人狼」竹上昭訳
E・ブルワー=リットン「モノスとダイモノス」南條竹則
シェリダン・レ・ファニュ「悪魔のディッコン」南條竹則
フィッツ=ジェイムズ・オブライエン「鐘突きジューバル」南條竹則
リチャード・マーシュ「仮面」青木悦子訳
ラルフ・アダムズ・クラム「王太子通り(リュ・ムッシュー・ル・プランス)二五二番地」青木悦子訳
ロバート・W・チェンバース「使者」夏来健次
エルクマン−シャトリアン「ふくろう」藤田真利子訳
C・ツィオルコフスキー「宇宙の呼び声」大野典宏
作品解題


『忘却の声』上下/Turn of Mind
アリス・ラプラント(Alice LaPlante)/玉木亨・訳
東京創元社(単行本)/本体価格各2100円(税抜)/6月28日/ISBN:(上)978-4-488-01023-2(下)978-4-488-01024-9
わたしはジェニファー。わたしは六十四歳。わたしは認知症。ノートにその日にあった出来事を書いている。ある日、貼ってある新聞の切り抜きを見つけた。「アマンダ・オトゥール(75)が不審死。右手の指が四本切断されていた」。アマンダは親友だった。彼女を殺した覚えはない。でも警察が会いにきたし、ノートからは事件当日のページが切り取られている――。親友の殺害容疑をかけられた、認知症を患う女性。彼女の独白とノートに書かれた文章、介護人や娘たちが記した伝言の断片で綴られた衝撃作!

忘却の声 上

忘却の声 上

忘却の声 下

忘却の声 下


『犯罪心理捜査官セバスチャン』上下/Det Fordolda
M・ヨート&H・ローセンフェルト(Michael Hjorth and Hans Rosenfeldt)/ヘレンハルメ美穂・訳
創元推理文庫/本体価格各1100円(税抜)/6月28日/ISBN:(上)978-4-488-01023-2(下)978-4-488-01024-9
「息子が帰ってこないんです」警察にかかってきた一本の電話。少年は心臓をえぐり取られた死体で発見された。センセーショナルな事件に、国家刑事警察の殺人捜査特別班に救援要請が出された。四人の腕利き刑事。そこにひとりの男が加わった。セバスチャン・ベリマン、かつてのトッププロファイラー。だがこの男、自信過剰で協調性ゼロ、アドレナリンとセックス中毒、捜査中でも関係者を口説いて寝てしまう、はた迷惑な奴だった。訳者あとがき=ヘレンハルメ美穂

犯罪心理捜査官セバスチャン 上 (創元推理文庫)

犯罪心理捜査官セバスチャン 上 (創元推理文庫)

犯罪心理捜査官セバスチャン 下 (創元推理文庫)

犯罪心理捜査官セバスチャン 下 (創元推理文庫)


『路地裏の迷宮踏査』
杉江松恋(Sugie McKoy)
キイ・ライブラリー(単行本)/本体価格1500円(税抜)/6月28日/ISBN:978-4-488-01538-1
『毒入りチョコレート事件』(アントニイ・バークリー)、『赤い館の秘密』(A・A・ミルン)、『クロイドン発12時30分』(F・W・クロフツ)、『失踪当時の服装は』(ヒラリー・ウォー)、『野獣死すべし』(ニコラス・ブレイク)……などなど、数々の傑作を著した53人の海外ミステリ作家たち。その意外な交友関係や、執筆にまつわる知られざるエピソードを、風の向くまま気の向くままにご紹介します。寝る前や、ちょっとした空き時間に、ページをぱらぱら捲っていただければ幸いです──
ミステリのみならず、文芸全般に精通する気鋭の書評家・杉江松恋が、丸9年にわたり連載した「ミステリーズ!」伝説のブックレビュー。ミステリ読者必携の一冊!