集英社文庫11月の新刊

 
心理検死官ジョー・ベケットTHE DIRTY SECRETS CLUB (2008)
 メグ・ガーディナー(Meg Gardiner)/山田久美子・訳
 集英社文庫/定価950円(税込)/2010年11月19日発売/ISBN978-4-08-760615-7
 

 
自殺? 他殺? 事故死?
心理学的アプローチで死の背景を探る
ニュータイプのヒロイン、登場!
 
 深夜のサンフランシスコを疾走する一台のBMW。パトカーの追跡を振り切って、ストックトン・ストリートから飛び立つように大クラッシュしたこの車の運転席には、スター検事補のキャリー・ハーディングがいた。即死したキャリーの太腿には口紅で書かれた“dirty”の文字。このメッセージの意味は? また、同乗していた検事補インターンが、BMWから必死に飛び降りようとしていたのは何故?
 不可解な“事故”現場に呼ばれたのは、精神科医のジョー・ベケットだ。生前の人間関係や日常生活などあらゆる角度から、死者の心理分析を行って死に至る原因を探る彼女は、フリーランスとしてサンフランシスコ市警の依頼を受ける“心理検死官”だ。スター検事補の死をめぐりジョーは、キャリーの元夫や上司などインタビューや、サンフランシスコ市警のエイミー・タング警部補と行動を共にすることで、様々な情報をたぐり寄せていく。その過程でジョーは、有名デザイナーや高名な医師など相次ぐセレブの死、さらには彼らが加入していた「ダーティ・シークレット・クラブ」なる秘密クラブの存在を知る。そしてジョーのもとに、「Welcome to The Dirty Secrets Club(ダーティ・シークレット・クラブへようこそ)」と書かれた一通の招待状が届くのだった……。
一連の事件は、サンフランシスコを襲う地震とともに怒涛のクライマックスへ。キャリーの死の真相。ダーティ・シークレット・クラブの黒幕。メグ・ガーディナーお得意のジェットコースター・サスペンスに、読者が否が応にも乗せられて、一気に物語の終焉へと向かうことになる。
 
しかし、作者がエドガー賞を受賞したシリーズのヒロイン、エヴァン・ディレイニー(『裏切りの峡谷』『暗闇の岬』など)と本作のジョー・ベケットとは、かなり性格が異なることに注目。エヴァンが猪突猛進型の爆発系だとすると、ジョーは溜めに溜めて気づいたら爆発系、という感じだ。もともと精神科医なのに、閉所恐怖症を克服できずいたり、過去のヘリコプター事故のトラウマを引きずっている。エヴァンに比べ、一見「暗く」「弱い」。ところが土壇場では、エヴァンのように自棄っぱちになることなく、芯の強さを見せるところは、かえって日本人好みという感じだ。
 そして、このジョー・ベケットに、かのジェフリー・ディーヴァーは惚れ込んで大絶賛を送っている。
エドガー賞作家による新ヒロインの活躍を、ぜひ、注目してください!
 
メグ・ガーディナー公式サイトhttp://www.meggardiner.com/
Meg Gardiner discusses her two well known characters Jo Beckett and Evan Delaney

Author Meg Gardiner on her protagonist Jo Beckett

 
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殺意の試写状SMASH CUT(2009)
 サンドラ・ブラウン(Sandra Brown)/林 啓恵・訳
 集英社文庫/定価950円(税込)/2010年11月19日発売/ISBN978-4-08-760614-0
 
殺意の試写状 (集英社文庫)

殺意の試写状 (集英社文庫)

 
ニューヨークタイムズ紙 ベストセラーリストの常連、
56度目の快挙!
 
 うっとりするほどの美女がいて、ドキドキするような美男がいて、そこに殺人事件が起こったら……。そんなシチュエーションを巧みに描き分けたディテールで、毎度、読者を引きつけて止まないサンドラ・ブラウン。彼女の新刊『殺意の試写状』は、アメリカで発売と同時にベストセラーとなり、じつに56度目のニューヨークタイムズ紙ベストセラーリスト入りの快挙を成し遂げた作品です。
被害者はホイーラー・エンタープライズの経営者、ポール・ホイーラー。こともあろうに、愛人と目される美女で画廊オーナーのジュリーといるところを射殺されます。一見、強盗殺人事件のようだったこの事件には、不審な点が多く、警察は実行犯の裏に、すべての糸を操る者がいるはずだと睨みます。その容疑をかけられたのは二人――ジュリーと、ポールの甥で映画マニアのクライトンでした。二人はお互いを憎み合い、相手にとって不利な証言を続けます。
どちらかが嘘をついている……のは明らかなのですが、ジュリーのこともクライトンのことも信用できずにいるのは、それぞれにアプローチをされた辣腕弁護士のデリク(美男)。
 万が一の場合に弁護をしてほしいとの要請をしてきたクライトンには、彼の願いを却下したことから異常なまでの仕打ちを受け、粉々になるデリクですが、一方でポールを手玉にとった感じのあるジュリーの、閉口するほどの奇策にも戸惑い、誰を、何を、信じていいのかわからなくなります。泣く児も黙る名声を持ったデリクが、完全に手も足も出なくなるのです……。
 
サンドラ・ブラウンは、このように登場人物の感情に嵐を巻き起こしながら、読者に苛立ちにも似た高揚感を植えつけていきます。彼女特有のダイアログは「あぁ、こんな会話の応酬ができたらな」とため息さえ出ます(例えそれが、殺し云々を語っているとしても)。そして今回は、悪玉が完全に誰なのかわかっていつつも、最後まで「なにィ!?」とド肝を抜かされる仕掛けづくし。とことん読者をひきつけるサンドラ・ブラウンの筆力は、さすが、ニューヨークタイムズ紙ベストセラーリストの常連です。パブリッシャーズ・ウィークリー誌が「サンドラはクイーン・オブ・クライム(犯罪の女王)だ!」と絶賛した本作を、ぜひ堪能してください!
 
サンドラ・ブラウン公式サイトhttp://www.sandrabrown.net/
 
担当編集者による特製リリース(2ファイル全2ページ/画像クリックでPDFファイルを別窓でひらきます)
 
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