年末特別企画2009〜2010年末年始に読みたいこの1冊 その4
4番手は村上貴史リストです。
【村上貴史のお薦め作品】※他の七福神との重複除く。☆は残念ながら現在品切れです。
32『高い砦』デズモンド・バグリイ/矢野徹訳(ハヤカワ文庫NV)1965年刊行
飛行機はアンデス山脈の高地に不時着した。下山しようとする彼等を、謎の銃撃が襲う。人間の知力と体力の限りを尽くし、大自然のなかで繰り広げられる闘いはまさに圧巻。(村上)
33『少年時代』ロバート・R・マキャモン/二宮磬訳(ヴィレッジブックス)1991年刊行
アメリカ南部で暮らす十二歳の少年の一年間を描いた一冊。殺人事件、野球のうまい少年、愛犬との交流……様々な出来事を経験して成長する少年の姿の、なんと輝いていることか。(村上)
34『暁の死線』ウィリアム・アイリッシュ/稲葉明雄訳(創元推理文庫)1944年刊行
明日の朝に出るバスで故郷に帰るんだ――そう決意した若い男女の必死の調査を描いた一夜のサスペンス。タイムリミットの不自然さをねじ伏せ、緊迫感のなかで男女の心の動きをきっちりと伝えきるアイリッシュの筆力に驚嘆。(村上)
35『五輪の薔薇』チャールズ・パリサー/甲斐萬里江訳(ハヤカワ文庫NV)1989年刊行
少年対大陰謀。みっしりとエピソードが詰まっており、文庫全五巻という巨篇であることそれ自体も幸せであると思える。(村上)
36『シンプル・プラン』スコット・スミス/近藤純夫訳(扶桑社ミステリー)1993年刊行
偶然手にした大金が、三人の運命を狂わせる……。先の読めない展開、強烈なスリル。とにかく一気読み必至の一冊だ。(村上)
37『黒後家蜘蛛の会』アイザック・アシモフ/池央耿訳(創元推理文庫)1974年刊行(邦訳は1〜5巻)
SFの大家が生んだ洒落たミステリ短篇集。おなじみの面々がゲストを交えて一つの謎についてあれやこれやと語り合う様が実に愉しい。給仕ヘンリーによるしめくくりも鮮やか。(村上)
38『深夜プラス1』ギャビン・ライアル/菊池光(ハヤカワ・ミステリ文庫)1965年刊行
大富豪を目的地まで連れて行く仕事を請け負ったドライバー。ガンマンを相棒に移動する彼等を殺し屋が狙う……。タイトルもキャラクターも展開もとことん魅力的な冒険小説だ。(村上)