【隔週更新】挟名紅治の、ふみ〜、不思議な小説を読んで頭が、ふ、沸騰しそうだよ〜 略して3F【読書日記】

第八回 『殺人のH』

あ、あれ、おかしいぞ。前作であれだけ親密な仲になったはずのロバート・ディーツの名前が登場人物表の中にない。キンジーとロバートのその後の関係が気になっていたのだけれど、今回は出番なし? 考えてみればグラフトンって、キンジーの身近な登場人物に対…

第七回 『探偵のG』

ふう、ようやく『G』まで辿り着いたぞ……。この企画を始めて、すでにシリーズを読んでいる方々に「どこら辺から面白くなるんですか?」と質問したところ、一番多く返ってきた答えがこの『G』である。というわけで、この作品だけ頁をめくる前から期待のハー…

第六回 『逃亡者のF』

前作『証拠のE』ではキンジーの悲しき「おひとりさま」の姿をたっぷりと堪能することができた。さて、『逃亡者のF』で寂しきキンジーの心は癒されているのでしょうか?逃亡者のF (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: スー・グラフトン,嵯峨静江出版社/メーカー:…

第五回 『証拠のE』

少々遅い御挨拶ですが、あけましておめでとうございます。2011年も「ふみ〜」をよろしくお願いします。今年は「ふみ〜」で流行語大賞を狙いますので(嘘)。 さて、今回は「キンジー・ミルホーン」シリーズ第五作『証拠のE』。ジャケットの登場人物紹介を見ると…

第四回 『騙しのD』

「キンジー・ミルホーン」シリーズとのお付き合いも早いもので、もう4作目。『死体のC』では前二作から一転、暗いトーンの作風になっていたが、『欺しのD』は如何に。欺しのD (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: スー・グラフトン,嵯峨静江出版社/メーカー: …

第三回 『死体のC』

前回、「キンジー・ミルホーンシリーズは好きじゃないんだよなー……」とぶっちゃけたところ、「スー・グラフトンは『死体のC』で一皮むけるのだよ。」というアドバイスを、とある先輩ミステリ評論家からいただいた。むむ、それならどう「一皮むける」のか、…

第二回 『泥棒のB』

前回の『アリバイのA』に続いて、今回は「キンジー・ミルホーン」シリーズ第二弾『泥棒のB』に挑戦。ちなみにこの作品は1986年の私立探偵作家クラブ賞とアンソニー賞を受賞しているそうな。ふうーん。泥棒のB (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: スー・グラフ…

第一回 アリバイのA

で、3Fってナニ? とタイトルを見て思われた方もいるのかも知れないので一応、用語解説を。3Fとは、主人公が女性、著者が女性、そして大半の読者が女性、というミステリー作品を示す言葉(Fは、Female = 女性の頭文字)。例を挙げるならば、スー・グラ…