第31回(シンジケート後援第14回)せんだい探偵小説お茶会レポート(執筆者:蒔野正徳)

 
 3月18日にせんだい探偵小説お茶会にて、第31回の読書会を開催いたしました。


 今回の課題図書はパーシヴァル・ワイルド『検死審問』
 既に絶版になっていることを知らずに告知を出してしまった世話人……。
 周りから指摘されて初めて既に絶版であることを知り、青くなりつつもAmazonをポチり。
 な〜んだ、マーケットプレイスで200円とか300円で買えるじゃん。大丈夫大丈夫♪……と思いつつも参加申し込みが来るまでは安心できないぞ、と。


 告知時に訳者である越前先生も参加を表明。
 お、ということは越前先生が何冊か提供してくれたりなんて……と他力本願なことを思っていたら、手元に1冊しかないことを告げられ、あえなく撃沈。


 不安いっぱいで読書会当日を迎えるわけですが、結局はホスト、越前先生を含めて過去最多の16人に参加頂けました。
 ありがたやありがたや。


 しかも、参加された中で図書館から借りての参加者はおらず、皆さんが何らかの方法にて課題本を入手しての参加で、これには越前先生も私もびっ くりでした。


 みなさんからのお菓子の差し入れに手をのばしつつ、読書会が開始となりました。
(みなさん、毎度毎度のお菓子の差し入れ、ありがとうございます)


 みなさんからの感想としては、好意的な意見が多く、
「ベネットが探偵小説について語っている部分がおもしろかった。特に、『腕利きの探偵が……』の部分」
「ベネットの小説があったら、好きになりそう。ベネットの作品はハーレクイン作品かも」
「〇〇が嫌いで、死ねばいいのに。と思ってたら、ホントに死んだ」
「最初に芝刈り人が語っているので、家主であるベネットが殺されたと思って、読み進めていたので、中盤でベネットが生きていることが分かって驚いた」
三谷幸喜作品のように思えた」
「ベネットが推理小説に関してけちょんけちょんに言っているが実は好きなんじゃないかな、と思われた」
「この作品については、批判めいたことは一切言わない。それぐらい好き」
「ユーモアミステリであり、謎解きはどうでもよい」
「証言者ひとりひとりが個性的」


 中でも、
「ベネットが殺されていたと思ってた」
という意見が多く聞かれました。
 確かに、使用人が証言している段階で、家主やお金持ちが殺される、というのは定番の1つですからね。


 読書会後は懇親会へと流れるのが通例ですが、今回はもうひとつイベントを設けてみました。


 当読書会の発起人が作成したミステリーカルタでのカルタ大会です。


 取り札がミステリー小説の装丁、読み札が裏表紙の解説という作り。
 登場する作品は、過去に当読書会で課題本となったミステリー+α。
 これがかなりのクオリティー
 量産して販売したら……と下世話なことも思いつつ。


 さて、参加者全員でのカルタ大会となり、みなさんかなり白熱した戦いを繰り広げていました。
 自分の好きな作品はどうしても取りたい! との思いから身を投げ出して取りに行く人も。


 当然、自分の好きな作品はよく知っているから、取りやすいはず。
 しかし、そこはこのカルタ 、一筋縄ではいかないのです。
 エラリー・クイーンを題材にすることが多いことから、全取り札の4分の1程度がクイーン作品という始末。
 さらには、『Xの悲劇』『Yの悲劇』については、出版社違いで同一作品が複数枚存在するというマニア仕様。
 普通、出版社毎の裏表紙の解説の違いなんて覚えてませんから……。


 最終的には、当読書会の重鎮2名が同数の取り札でトップとなりました。
 うちの1名はお手付き回数でもトップでしたが。


 白熱したカルタ大会の後は懇親会。
 ミステリー小説とカルタ大会の感想を肴においしいビールをいただきました。

これまでの読書会ニュースはこちら


検死審問―インクエスト (創元推理文庫)

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検死審問ふたたび (創元推理文庫)

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悪党どものお楽しみ (ちくま文庫)

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Xの悲劇 (角川文庫)

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Xの悲劇 (創元推理文庫)

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Xの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

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Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)

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Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)

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Yの悲劇

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