東京創元社 7月の新刊

『本を隠すなら本の中に』/Bookplate Special
ローナ・バレット(Lorna Barrett)/大友香奈子・訳
創元推理文庫/本体価格1200円(税抜)/7月14日/ISBN:978-4-488-21307-7
「いますぐわたしの家から出ていって!」大学時代のルームメイト、パミーが家に転がり込んで二週間、家を占領するだけでなく、書店で客に迷惑をかけるにいたって、ついにトリシアの堪忍袋の緒が切れた。なのに追い出したその日のうちに、隣の書店の店主でトリシアの姉が、彼女を雇ってしまったのだ。そのパミーが店の裏で殺された。古書と専門書の町、読書家の聖地ストーナムで起こる事件を描く、ライトミステリ。アガサ賞候補作。訳者あとがき=大友香奈子

本を隠すなら本の中に (創元推理文庫)

本を隠すなら本の中に (創元推理文庫)


『チェシャーチーズ亭のネコ』カーメン・アグラ・ディーディ、ランダル・ライト(Carmen Agra Deedy and Randall Wright)/バリー・モーザー(Barry Moser)・絵/山田順子・訳
東京創元社(単行本)/本体価格1800円(税抜)/7月22日/ISBN:978-4-488-01025-6
●動物写真家・岩合光昭氏推薦――「ネコにドアはいらない。ネズミの親友と英国一のチーズがあればいい。女王陛下と動物たちに幸あれ!」
のらネコのスキリーには秘密があった。ネズミが嫌いでチーズが好き。彼は英国一チーズがうまいと評判のパブ、チェシャーチーズ亭ですばらしく賢いネズミのピップと出会い、ある取引を交わすことになった。次第にあたたかな友情がはぐくまれていくが、じつはネズミたちは英国の存続にかかわる秘密を抱えていて……。ネコとネズミの友情と、ヴィクトリア朝ロンドンを揺るがす大騒動!? 個性豊かな動物たちと、大作家ディケンズらが活躍する、にぎやかで楽しい物語。訳者あとがき=山田順子

チェシャーチーズ亭のネコ

チェシャーチーズ亭のネコ


『北京から来た男』上下/Kinesen
ヘニング・マンケル(Henning Mankell)/柳沢由実子・訳
東京創元社(単行本)/本体価格各1600円(税抜)/7月22日/ISBN:(上)978-4-488-01030-0(下)978-4-488-01031-7
凍てつくような寒さの早朝、スウェーデンの中部の小さな谷間でその惨劇は起きた。村のほぼ全ての家の住民が惨殺されていたのだ。ほとんどが老人ばかりの過疎の村が、なぜ? 女性裁判官ビルギッタは、亡くなった母親がその村の出身であったことを知り、現場に向かう。現場に落ちていた赤いリボン、ホテルの防犯ビデオに映っていた謎の人影。事件はビルギッダを世界の反対側へと導く。北欧ミステリの帝王ヘニング・マンケル渾身の大作。訳者あとがき=柳沢由実子

北京から来た男 上

北京から来た男 上

北京から来た男 下

北京から来た男 下


『テニスコートの殺人【新訳版】』/The Problem of the Wire Cage
ジョン・ディクスン・カー(John Dickson Carr)/三角和代・訳
創元推理文庫/本体価格900円(税抜)/7月22日/ISBN:978-4-488-11837-2
雨上がりのテニスコート、中央付近で仰向けに倒れた絞殺死体。足跡は被害者のものと、殺された男の婚約者ブレンダが死体まで往復したものだけ。だが彼女は断じて殺していないという。では殺人者は、走り幅跳びの世界記録並みに跳躍したのだろうか? “奇跡の”殺人に挑むのは、名探偵フェル博士。驚天動地のトリックが炸裂する巨匠の逸品! 『テニスコートの謎』改題・新訳版。解説=大矢博子


『ゴースト・ヒーロー』/Ghost Hero
S・J・ローザン(S. J. Rozan)/直良和美・訳
創元推理文庫/本体価格1200円(税抜)/7月22日/ISBN:978-4-488-15314-7
天安門事件の最中に死んだ中国人画家の“新作”がある、という噂の真偽を確かめてほしい──私立探偵リディアは畑違いの依頼に疑問を抱き、相棒ビルと、ビルの知人で美術品専門の探偵ジャックに会うが、彼もまた別の人物から同様の依頼を受けていた! 現代アート業界が秘めた謎と陰謀に、名コンビは成り行きからトリオを組んで挑む。傑作私立探偵小説シリーズ、ディリス賞受賞作。解説=小路幸也

ゴースト・ヒーロー (創元推理文庫)

ゴースト・ヒーロー (創元推理文庫)


『原作と映像の交叉光線 ミステリ映像の現在形』
千街晶之(Sengai Akiyuki)
キイ・ライブラリー(単行本)/本体価格2500円(税抜)/7月22日/ISBN:978-4-488-01539-8
映画、テレビドラマ、アニメにも、原作付きの作品が多くを占めている現代。中でもミステリを原作とした映像化作品は人気が高く、続々と製作されている。国内ミステリ映画の名作『犬神家の一族』は、映画だけでなくテレビドラマとしても幾度となく製作されているほどである。同作をはじめ、映像ならではの魅力を駆使した全28作品について、ミステリ評論家・千街晶之が切り込んでゆく、読み応えある評論集。


『ハリー・クバート事件』上下/La Verite sur l'affaire Harry Quebert
ジョエル・ディケール(Joel Dicker)/橘明美・訳
東京創元社(単行本)/本体価格各1600円(税抜)/7月30日/ISBN:(上)978-4-488-01026-3(下)978-4-488-01027-0
アカデミー・フランセーズ賞、高校生が選ぶゴンクール賞受賞】
デビュー作が大ヒットして一躍ベストセラー作家となった新人マーカスは第二作の執筆に行き詰まっていた。そんな時、頼りにしていた大学の恩師で国民的作家のハリー・クバートが、少女殺害事件の容疑者となる。33年前に失踪した美少女ノラの白骨死体が彼の家の庭から発見されたのだ! マーカスは、師の無実を証明すべく事件について調べ始める。全ヨーロッパで200万部のメガセラーとなったスイス人作家ディケールのミステリ登場。

ハリー・クバート事件 上

ハリー・クバート事件 上

ハリー・クバート事件 下

ハリー・クバート事件 下


ギリシャ棺の謎【新訳版】』/The Greek Coffin Mystery
エラリー・クイーンEllery Queen)/中村有希・訳
創元推理文庫/定価1100円(税抜)/7月30日/ISBN:978-4-488-10439-9
盲目のギリシャ人美術商ハルキスの葬儀が厳粛におこなわれた直後、遺言書をおさめた鋼の箱が屋敷の金庫から消えた。警察による捜索が難航する中、クイーン警視の息子エラリーが意外なありかを推理する。だが、捜査陣がそこで見つけたのは、身元不明の腐乱死体だった──〈国名シリーズ〉第四作は、若き名探偵が挑む“最初の難事件”にして、歴史に残る傑作である。解説=辻真先


『ゴールドスティン』上下/Goldstein
フォルカー・クッチャー(Volker Kutscher)/酒寄進一・訳
創元推理文庫/定価各1300円(税抜)/7月30日/ISBN:(上)978-4-488-25807-8(下)978-4-488-25808-5
【ベルリン・ミステリ賞受賞作シリーズ】
1931年のその日、ベルリン警視庁殺人課警部のラートを呼び出した副警視総監の機嫌は最悪だった。ニューヨーク・ギャングの殺し屋と目されている危険人物ゴールドスティンがベルリンに来訪しているというのだ。その目的は一切不明。犯罪組織リングフェラインが、彼に殺しを依頼したのだろうか? だれもが疑心暗鬼になる中、ラートはこの男の二十四時間の監視を命じられるが……。訳者あとがき=酒寄進一

ゴールドスティン 上 (創元推理文庫)

ゴールドスティン 上 (創元推理文庫)

ゴールドスティン 下 (創元推理文庫)

ゴールドスティン 下 (創元推理文庫)