早川書房 1月下旬の新刊


一年でいちばん暗い夕暮れに/The Darkest Evening of the Year
ディーン・クーンツ(著) /松本依子(訳)佐藤由樹子(訳)
ISBN:978-4-15-041211-1 刊行日:2010/01/22
ハヤカワNV文庫 定価1,029円(税込)


サスペンス・ホラーの巨匠クーンツの犬愛がほとばしる! 至高のドッグ・ストーリー

ドッグ・レスキューに情熱を注ぐエイミーはその夜、恋人のブライアンとともに一頭のゴールデン・レトリーバーを助けた。どこか不思議な雰囲気を持つその犬の訪れは、かつて失われた「希望」を取り戻すための闘いの幕開けを告げていた。二人は過去からの邪悪な追跡者に打ち勝つことができるのか。宿命的な対決に黄金の犬がもたらす奇跡とは? 巨匠クーンツが犬への深い思いを込めて贈るサスペンスフル・ドッグ・ストーリー!

一年でいちばん暗い夕暮れに (ハヤカワ文庫 NV ク 6-9) (ハヤカワ文庫NV)

一年でいちばん暗い夕暮れに (ハヤカワ文庫 NV ク 6-9) (ハヤカワ文庫NV)


夜の冒険/The Night People and Other Stories
エドワード・D・ホック(著) /
木村二郎(訳)田村義進(訳)嵯峨静江(訳)真野 明裕(訳)七搦理美子(訳)茅律子(訳)

ISBN:978-4-15-178258-9 刊行日:2010/01/22
ハヤカワ・ミステリ文庫 定価1,050円(税込)


現代短篇の名手たち 8 

神父は、その谷にただ一人で住んでいた。若者たちを皮切りに、古くからの住人たちは次々と谷を出ていき、村はすっかり寂れてしまった。今や住民と呼べるのは彼だけなのだ。それでも神父は、毎朝鐘を鳴らし、教会を守っている。そこへ……過疎の村で起こった奇妙な事件を描く「静かに鐘の鳴る谷」をはじめ、極北の荒野で、夜中の港町で、異郷の小さな町で、次々起こる20の怪事件。名手中の名手が贈るサスペンスフルな傑作集。


台北の夜/The Foreigner
フランシー・リン(著) /和泉 裕子(訳)
ISBN:978-4-15-178601-3 刊行日:2010/01/22
ハヤカワ・ミステリ文庫 定価945円(税込)


エドガー賞アメリカ探偵作家クラブ賞) 最優秀新人受賞!


急死した母の遺灰を抱いて、エマーソン・チャンは生れて初めて台北の街に降り立った。母の遺言に従い、家出した後ここに来たまま音信不通だった弟のリトルPを探すためだ。アメリカ生まれの彼にとって、言葉もわからず、地理にも不案内な台北は、完全な異郷だった。しかも、ようやく探し当てた弟の背後には無気味な闇が……異様なムードと迫力で迫る力作サスペンス。アメリカ探偵作家クラブ賞を射止めた注目のデビュー作。

台北の夜(ハヤカワ・ミステリ文庫)

台北の夜(ハヤカワ・ミステリ文庫)


平原の町/Cities of the Plain
コーマック・マッカーシー(著)/黒原敏行(訳)
ISBN:978-4-15-120058-8 刊行日:2010/01/22
ハヤカワepi文庫 定価1,113円(税込)


十九歳になったジョン・グレイディ・コールは国境近くの牧場で働いていた。メキシコ人の幼い娼婦と激しい恋に落ちた彼は、愛馬や祖父の遺品を売り払ってでも彼女と結婚しようと固く心に決めた。同僚のビリーは当初、ジョン・グレイディの計画に反対だったが、やがてその直情に負け、娼婦の身請けに力を貸す約束をするが……。運命の恋に突き進む若者の鮮烈な青春を、失われゆく西部を舞台に謳い上げる、国境三部作の完結篇。解説/豊崎由美

平原の町 (ハヤカワepi文庫)

平原の町 (ハヤカワepi文庫)

早川書房発のひとりごと(執筆者・早川書房編集部C)


 機械オンチのくせに新しいもの好きで、これまでも数々の「ハイテク・ガジェット」を買っては結局、粗大ゴミにしてきました。
 PDAの元祖、アップルのNewtonは、今のiphoneの4倍くらいの大きさで日本語対応はしておらず、とても実用的とは言えない代物。当時としてはゴミ箱に書類を捨てる時の動作が新鮮で悪戯書きをしては捨てて遊んだくらい。その後、3台くらい買ったソニーClieはスケジュールや住所録の管理に役にたったけれど、残念ながら生産中止に。
 そんな私が昨年、懲りずに購入してしまったのがアマゾンのkindle。ご存じのように英語にしか対応していないのですが、翻訳ものの編集者にとってはなかなかの優れものなんです。
 これまでワードファイルやPDFで届いていた「タイプ原稿」は、全部プリントアウトして、大量の紙の束を持ち歩く必要がありました。重たいし、どこまで読んだかわからなくなったり、順番がグチャグチャになって大変でしたよね。
 そんなデータをkindleに入れればスマートに検討本を読むことができるんです。おまけに音声で読み上げてくれる機能もついている(男性・女性の切替可)ので黙読するスピードよりずっと早く読める(集中していないと英語の聞き取りがチトきびしいけど)。
 さらに、英語にしか対応していないkindleで日本語を読む裏ワザが。じつは暮れの翻訳忘年会で白石朗さんに教えてもらったんですが、日本語の文書もPDFにして取り込めば画像として表示されるんです。いったん画像になってしまうと活字の大きさを変えることができないので、あらかじめかなり級数を大きくしてPDFを作る必要はありますけど。
 原書のリーディングから割付までこれ一台で仕事が全部できる日も遠いことではないかもしれません。その前にkindleのような電子書籍のシステムが確立すれば、出版社もいらなくなるかも!?


執筆者・早川書房編集部C