【毎月更新】初心者のための作家入門講座

初心者のためのデニス・ル(レ)ヘイン入門(執筆者:加賀山卓朗)

ルヘインの作品紹介というお題をもらったが、じつはけっこう書きにくい。 なんせ惚れてるので。 冗談など交えつつ愉しく紹介したいのは山々だが、惚れた弱みで地が出てしまう。なんだか恥ずかしい。恥ずかしがっても仕方ないね。ではシリーズ5作とノンシリ…

初心者のためのパレツキー入門(執筆者:山本やよい)

25年前、早川書房の編集者から、「いまアメリカで話題の、女性探偵が主人公のハードボイルドがあるんですが、訳してみませんか」というお話があった。 「あの〜、わたし、ハードボイルド、苦手なんですけどォ……」 「じゃ、ハードボイルドだと思わずに訳しま…

初心者のためのリリアン・J・ブラウン〜シャム猫ココ・シリーズの新作は?〜(執筆者・羽田詩津子)

ココ・シリーズファンで、検索ワードによってこのHPにたどり着いた方、申し訳ありません。まだ新作は出ていないんです。今後いつ出版されるかの見通しも立っておりません。でも、作品ガイドなので、いちおう最後まで読んでくださいね。 「訳者が勝手につづ…

初心者のためのマイクル・コナリー入門その1(執筆者:古沢嘉通)

〈序〉 もしもあなたが国産、海外を問わず、ミステリ系の娯楽小説が好きな人で、なおかつコナリーを一度も読んだことがないなら、あなたは幸運だ。 最新刊、2010年4月刊行の『エコー・パーク』まで、17冊の邦訳長篇があなたを待っている。そのほぼすべてが水…

初心者のためのマイクル・コナリー入門その2(執筆者:古沢嘉通)

〈急〉 さて、ここから赤裸々な話をするが、日本でコナリーの翻訳が出なくなる可能性がある。少なくともわたしの翻訳ではなくなるかもしれない。後者に関して言えば、おまえの翻訳でなんか読みたくない、もっと上手な翻訳家の流麗な訳文で読みたいと思ってお…

初心者のためのドン・ウィンズロウ講座(執筆者・東江一紀)

邦訳されたドン・ウィンズロウの作品は、2010年3月現在、9点(10冊)あります。全部、文庫ですね。版元は東京創元社と角川書店。創元推理文庫の5点がニール・ケアリー・シリーズで、角川文庫の4点(5冊)がノンシリーズ、とすっぱりふたつのグループに…

初心者のためのコーマック・マッカーシー(執筆者・黒原敏行)

某月某日。コーマック・マッカーシー? コーエン兄弟の映画『ノーカントリー』の原作者? ああ、あの映画なら観たよ、観ましたよ。すごかったねえ。麻薬組織の大金をネコババした男が、建築家の安×××氏みたいな風貌のスーパークール、スーパーグレートな殺し…

初心者のためのマイクル・クライトン(執筆者・酒井昭伸)

もう十年以上も前、アメリカの書店員がこういってこぼしたという話を聞いたことがある。 「キングやグリシャムは固定客がついているが、クライトンは毎回作品傾向が変わるので、読者に訴求するのがたいへんだ」 ことほどさように、クライトンが手がけるテー…

初心者のためのジェフリー・ディーヴァー(執筆者・池田真紀子)

ジェフリー・ディーヴァー=ジェットコースター・ミステリー。 いきなり断言してしまいましょう。この看板に偽りはありません。ディーヴァー作品の表紙を開くのは、遊園地のジェットコースターの、あの狭苦しくも安心なシートにおさまり、安全バーをぐっと握…

初心者のためのスティーヴン・キング(執筆者・白石朗)

ここでいう初心者とは、本サイトをごらんになるほど読書好きなのに、なぜかキング作品にふれたことのない方や、そびえるキング山脈を見あげてボリュームに圧倒され、手を伸ばさずにいた幸運な方々のことです。そんな方々にキング作品を薦めるのは、ある意味…