第1回松山読書会レポート

 
 1月21日(土)たべもの雑貨enowaさんに会場をお借りして、翻訳ミステリー読書会 松山を開催いたしました。
 記念すべき第一回目のゲストにお越しいただいたのは、翻訳家の越前敏弥さん。ほとんどの方が初対面にも関わらず、まるで懐かしい友人に再会したかのような雰囲気まで作り出していただきました。


 さて。初めて松山で開催するにあたり、課題図書に選んだのはドン・ウインズロウ「ストリート・キッズ」。海外ミステリーをあまり読まない方でも楽しめる作品で、なにより主人公のニール・ケアリーが本好き読書家。入門書としては、これでしょやっぱり。

ストリート・キッズ (創元推理文庫)

ストリート・キッズ (創元推理文庫)


 参加者のほとんどが女性だったせいか話題の中心は、やはり主人公のニール。残酷ともいえる生い立ちに深い傷を心に抱えたまま、それでも健気にグレアムとの探偵修行に勤しみ、時には反発しながらも真っ直ぐに成長していくニールの姿にキュンとなりつつ、そんなニールに皮肉とユーモアたっぷりに接する“おかん”グレアムだってニールに負けず劣らずの人気で、やはり男性は不器用な方が母性をくすぐられるような?
 もちろん、他のキャラクターだって魅力的だし、ストーリーそのものや、緻密な描写や、前半と後半で刻むリズムの違い、『犬の力』の種がこの作品ですでにまかれていること、などなど少人数ながらも共感し新たな発見に目からウロコを落とし、大いに笑ったひとときでした。
 この本、小説でありながら探偵入門にも最適な実用書でもあるので本格探偵を目指させる方は是非ご一読を。探偵なんて目指してない?なら、ニール・ケアリー・シリーズ(5冊)をどうぞ。


 最後になりましたが、越前敏弥さんをはじめ遠路はるばる瀬戸内海を超えてお越しいただいたみなさま、県内・市内からご参加の皆さまに深く感謝しております。
 本当にありがとうございました。
 そして、次回(7月予定)もどうぞよろしくお願いいたします。


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