NY Timesベストセラー速報20151206（執筆者・飯干京子）

アメリカのベストセラー・ランキング
12月6日付　The New York Times紙（ハードカバー・フィクション部門）

1. TRICKY TWENTY-TWO　　　　New!
Janet Evanovich　ジャネット・イヴァノヴィッチ

Tricky Twenty-Two: A sassy and hilarious mystery of crime on campus (Stephanie Plum 22) (English Edition)

学生部長をボコボコにして姿を消したキャンパスの人気者は、誰もが庇っているのか足取りがまるで掴めない。一方、自宅の裏で殺された男は嫌われ者で、リストに挙がる容疑者の数は増えるばかり。バウンティハンター、ステファニー・プラム・シリーズの第22作。

2. THE GUILTY　　　　New!
David Baldacci デイヴィッド・バルダッチ

The Guilty: A Will Robie Thriller (English Edition)

ヒットマン、ウィル・ロビー・シリーズの4作目。任務をしくじった失意のロビーは、郷里で父が殺人罪に問われていることを知る。20年振りの故郷は冷淡で、父自身にも頑なに助けを拒まれながら、ロビーは定まらない標的を探し、やがてみずからの過去と対峙する。

3. ROGUE LAWYER　　　　Down
John Grisham　ジョン・グリシャム

Rogue Lawyer

ミニバーとWi-Fiを備えた革装特別仕様の防弾車に乗り、その運転手兼用心棒兼ゴルフのキャディーでもある腹心の友を相棒に、ひとの嫌がる依頼人ばかりを弁護する異端児セバスチャン・ラッド。孤高の男を主人公に据えた、リーガル・サスペンスの名手による最新作。

4. THE BAZAAR OF BAD DREAMS　　　　Down
Stephen King　スティーヴン・キング

The Bazaar of Bad Dreams: Stories

2009年以降に雑誌等で発表された短編のほか、未発表の“Mister Yummy”、“Obits”の2編を含む全20編をおさめたキングの最新短編集。

5. SEE ME　　　　Stay
Nicholas Sparks　ニコラス・スパークス

See Me

すさんだ過去と決別して人生をやり直すため、教師を目指しながらひっそり暮らすコリン。弁護士のマリアと出会い、愛しあうようになるが、マリアにもまた深い心の傷があった……『きみに読む物語』で知られるベストセラー作家によるロマンティック・スリラー。

6. THE CROSSING　　　　Down
Michael Connelly　マイクル・コナリー

The Crossing (A Harry Bosch Novel)

ロス市警を退職したボッシュは、異母兄弟である弁護士ミッキー・ハラーの頼みで、ハラーの依頼人に容疑がかけられている殺人事件を調査する。やがて前の職場である市警の闇に踏みこむことになり……ハリー・ボッシュ・シリーズ第20作。

7. ALL DRESSED IN WHITE　　　　New!
Mary Higgins Clark and Alafair Burke　 メアリ・ヒギンズ・クラーク、アラフェア・バーク

All Dressed in White

未解決事件を扱うテレビ番組“アンダー・サスピション”のプロデューサーとして、ローリーは5年前の花嫁失踪事件に目をつけた。事件の起こった結婚式当日を再現すべく、すべての招待客を一同に集めてみると……クラークとバークの共作によるシリーズ第2作。

8. THE PHARAOH’S SECRET　　　　New!
Clive Cussler and Graham Brown　クライブ・カッスラー、グレアム・ブラウン

The Pharaoh's Secret (NUMA Files series Book 13) (English Edition)

アフリカとヨーロッパが一触即発の状況下、新エジプト帝国樹立を目論む黒幕が世界を滅ぼす毒物を手にしていた。危険な野望を打ち砕くべく闘うカートとジョーの行く手に、冥界の統治者オシリス神の伝説が立ちはだかる。NUMAファイル・シリーズ第13作。

9. THE MISTLETOE INN　　　　New!
Richard Paul Evans　リチャード・ポール・エヴァンズ

The Mistletoe Inn: A Novel (The Mistletoe Collection) (English Edition)

失敗続きの恋愛人生。ロマンス作家になる夢も諦める潮時かと、キンバリーは最後のつもりでホリデーシーズンの作家の会に参加する。そこで出会ったジークという男性には複雑な過去があるらしく……『クリスマス・ボックス』の作者によるラブストーリー。

10. THE MAGIC STRINGS OF FRANKIE PRESTO　　　　Down
Mitch Albom　ミッチ・アルボム

The Magic Strings of Frankie Presto (English Edition)

戦争孤児としてスペインで育ち、古いギターと大切な6本の弦を手に9歳でアメリカへ渡ったフランキー・プレスト。20世紀の音楽界を舞台に、天才ギタリストの波乱に満ちた不思議な人生を描いた小説。

【まとめ】
今週は1位、2位、7位、8位、9位と、5作が新たにランクイン。1位イヴァノヴィッチのステファニー・プラム・シリーズは12作目『あたしの手元は10000ボルト』まで邦訳で読むことができます。2位バルダッチは、最近では編者をつとめた9月刊行の『フェイスオフ　対決』が話題に。7位はサスペンスの女王メアリ・ヒギンズ・クラークが女検事補サム・キンケイド・シリーズのアラフェア・バークと組んだシリーズの2作目です。8位のクライブ・カッスラー、NUMAファイル・シリーズは、邦訳のある『パンデミックを阻止せよ』までがポール・ケンプレコスとの共著、次の9作目からグレアム・ブラウンに交代しました。9位のリチャード・ポール・エヴァンズはクリスマスシーズンの常連。ランク外では11位にイーサン・ホーク“RULES FOR A KNIGHT”、16位にテリー・グッドカインド“WARHEART”が入っています。

飯干京子（いいぼし　きょうこ）
関西在住。大阪読書会の世話人の1人。訳書にグレッグ･ルッカ『回帰者』など。 世話人さまに了解を得てこちらでプレ告知――漏れ聞いている方もおられると思いますが――関西では京都読書会がまもなく独立本格始動します。京都ならではの風情ある会場が使えるようです。京都の方も、京都に遊びに行きたい方も、正式告知に乞うご期待！

クリスマス・ボックス (講談社文庫)

あたしの手元は10000ボルト (ステファニー・プラム・シリーズ) (集英社文庫)

フェイスオフ 対決 (集英社文庫)

パンデミックを阻止せよ (新潮文庫)

Rules for a Knight (English Edition)

Warheart (Sword of Truth Book 17) (English Edition)

回帰者 (講談社文庫)