NY Timesベストセラー速報20150126(執筆者・満園真木)

 
アメリカのベストセラー・ランキング
2月1日付 The New York Times紙(ハードカバー・フィクション部門)
 
1. ALL THE LIGHT WE CANNOT SEE    Stay
Anthony Doerr アンソニー・ドーア

All the Light We Cannot See: A Novel (English Edition)

All the Light We Cannot See: A Novel (English Edition)

フランスに住む盲目の少女と、無線技師となり戦争に巻きこまれていくドイツ人の青年――第二次大戦直前、ふたりの人生がサン・マロで交錯する。短編集シェル・コレクターでデビューした著者の4年ぶりの新作長編。
 
2. THE GIRL ON THE TRAIN    New!
Paula Hawkins ポーラ・ホーキンズ
The Girl on the Train: A Novel (English Edition)

The Girl on the Train: A Novel (English Edition)

ロンドンに住むレイチェルは、毎朝同じ通勤電車に乗り、線路ぞいのある家に暮らす夫婦の朝食風景をながめるのを日課にしていたが、ある日意外な場面を車窓から目撃する。やがてその夫婦の妻の失踪が明らかになり……。イギリスの新人女性作家による心理サスペンス。
 
3. SAINT ODD    New!
Dean Koontz ディーン・クーンツ
Saint Odd: An Odd Thomas Novel (English Edition)

Saint Odd: An Odd Thomas Novel (English Edition)

死者の霊が見える青年オッド・トーマスの冒険を描くサイキック・スリラー・シリーズ第7作。悪魔崇拝のカルト集団が大量殺人を計画していることを予知夢により察知したオッドは、数年ぶりに故郷の町ピコ・ムンドに戻る。人気シリーズの完結編。
 
4. GRAY MOUNTAIN    Down
John Grisham ジョン・グリシャム
Gray Mountain: A Novel (English Edition)

Gray Mountain: A Novel (English Edition)

リーマン・ショックに揺れるアメリカ。新人弁護士のサマンサは、ウォール・ストリートの大手法律事務所からヴァージニア州の田舎町の法律相談所に移籍させられるが、そこで弁護士として成長しながら、悪辣な巨大石炭産業に立ち向かう。
 
5. COLD COLD HEART    New!
Tami Hoag タミー・ホウグ
Cold Cold Heart (Kovac & Liska) (English Edition)

Cold Cold Heart (Kovac & Liska) (English Edition)

連続殺人犯に命を狙われた経験を持つ元テレビ・レポーターのデイナ。事件から1年後、いまだ癒えないPTSDを抱えて故郷インディアナ州の田舎町に戻った彼女は、7年前の夏、高校卒業直後に忽然と姿を消したかつての親友のゆくえを捜しはじめる。
 
6. THE FIRST BAD MAN    New!
Miranda July ミランダ・ジュライ
The First Bad Man: A Novel (English Edition)

The First Bad Man: A Novel (English Edition)

40歳の独身女性シェリルは、上司の娘である21歳のクリーと同居することに。ふたりの奇妙な共同生活は、秩序に守られたシェリルの日常に思わぬ変化をもたらし……。短編集いちばんここに似合う人でデビューした著者初の長編小説。
 
7. THE ESCAPE    Up
David Baldacci デイヴィッド・バルダッチ
The Escape (John Puller Series Book 3) (English Edition)

The Escape (John Puller Series Book 3) (English Edition)

米陸軍犯罪捜査官ジョン・プラーのシリーズ第三作。反逆罪で終身刑に服していたジョンの兄が厳重警備の刑務所から脱獄した。調査に乗りだしたジョンは、どうやら事件には裏があるようだと気づく。真実が明るみに出ると困る人間が兄の命を狙っているらしい。
 
8. HOPE TO DIE    Down
James Patterson ジェイムズ・パタースン
Hope to Die: (Alex Cross 22)

Hope to Die: (Alex Cross 22)

ワシントン市警の敏腕刑事、アレックス・クロスを主人公とするシリーズの第22作。最愛の家族を誘拐されたクロス。犯人には身代金よりもはるかに邪悪な目的があった。家族を救うためにクロスは犯人に屈してしまうのか。
 
9. THE BOSTON GIRL    Stay
Anita Diamant アニータ・ディアマント
The Boston Girl: A Novel (English Edition)

The Boston Girl: A Novel (English Edition)

1900年、ボストンのユダヤ系一家に生まれたアディは、80代半ばを迎えたある日、孫娘に自分の人生を語りはじめる。家族の絆や仕事、フェミニズム――自立を求め、激動の世紀を生きぬいた女性の姿が情感豊かに描かれる。『赤い天幕』で知られる著者の第5作。
 
10. INSATIABLE APPETITES    Down
Stuart Woods スチュアート・ウッズ
Insatiable Appetites (A Stone Barrington Novel)

Insatiable Appetites (A Stone Barrington Novel)

ニューヨーク市警刑事から弁護士に転じたストーン・バリントンを主人公とするシリーズの第32作。師と仰ぐ老人が亡くなり、遺産整理を引き受けるバリントン。だが、師にはマフィアとの後ろ暗い繋がりがあったらしく、バリントンは新たな危険に巻きこまれる。
   
【まとめ】
2位、3位、5位、6位に初登場の新作がランクイン。2位の“THE GIRL ON THE TRAIN”は〈次の『ゴーン・ガール』〉として大注目を集めており、新人作家のデビュー作ながら発売後10日余りですでに25万部発行のベストセラーとなっています。3位の“SAINT ODD”で完結を迎えたオッド・トーマス・シリーズは第4作まで邦訳が刊行ずみ。5位は人気ロマンス作家として知られる著者の34作目の長編、6位は映画監督やパフォーマンス・アーティストとしての顔も持つマルチタレント作家の処女長編です。
 

満園真木(みつぞの まき)

東京在住の翻訳者。訳書はダン・T・セールベリ『モナ 聖なる感染』、ベリンダ・バウアー『ラバーネッカー』、アイザック・マリオン『ウォーム・ボディーズ ゾンビRの物語』など。年始に放送された三谷幸喜版『オリエント急行殺人事件』、豪華キャストや細かな部分の翻案が楽しめました。それにしても、ドラマ内でさらっと言及されていた「いろは殺人事件」というのがかなり気になります……。
 
オッド・トーマスの霊感 (ハヤカワ文庫 NV ク 6-7)

オッド・トーマスの霊感 (ハヤカワ文庫 NV ク 6-7)

オッド・トーマスの受難 (ハヤカワ文庫 NV )

オッド・トーマスの受難 (ハヤカワ文庫 NV )

オッド・トーマスの救済 (ハヤカワ文庫 NV ク 6-10) (ハヤカワ文庫NV)

オッド・トーマスの救済 (ハヤカワ文庫 NV ク 6-10) (ハヤカワ文庫NV)

オッド・トーマスの予知夢 (ハヤカワ文庫NV)

オッド・トーマスの予知夢 (ハヤカワ文庫NV)

新装版 ライトニング (文春文庫)

新装版 ライトニング (文春文庫)

明けない夜を越えて (MIRA文庫)

明けない夜を越えて (MIRA文庫)

風が見ていた午後〈上〉 (ヴィレッジブックス)

風が見ていた午後〈上〉 (ヴィレッジブックス)

風が見ていた午後〈下〉 (ヴィレッジブックス)

風が見ていた午後〈下〉 (ヴィレッジブックス)

楽園の暗い影〈上〉 (ライムブックス)

楽園の暗い影〈上〉 (ライムブックス)

楽園の暗い影〈下〉 (ライムブックス)

楽園の暗い影〈下〉 (ライムブックス)

心ふるえる夜に (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)

心ふるえる夜に (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)

いちばんここに似合う人 (新潮クレスト・ブックス)

いちばんここに似合う人 (新潮クレスト・ブックス)

ラバーネッカー

ラバーネッカー