ヨコハマは燃えているか―横浜読書会近況報告(執筆者・岡本真吾)

 
 
 3月に開催された第2回『ローラ・フェイとの最後の会話』読書会からおよそ半年。沈黙を続けていた横浜読書会ですが、実は水面下でひっそりと活動を続けていました。その名も「スピンオフ読書会」


「スピンオフ読書会」とは一体何か。それは横浜駅近郊の居酒屋でお酒と食事を楽しみながら議論を交わす、番外編の読書会のことです。読書会メンバーが増えたこともあり、レギュラーの読書会本会以外にも活動の場を広げていくことを主な目的としています。今回はその活動について紹介させていただきます。


1.これまでの活動
 そもそもの始まりはメーリングリスト登録メンバーで行われた4月の飲み会でした。尽きることのない(そしてゴールがない)翻訳ミステリ談義の中で、ある1冊の本の話題で大盛り上がり。
「じゃあその本で読書会をやってみたら面白いんじゃない?」
 ということでメンバーが集まり、5月に開催されたのがジョン・ハート『アイアン・ハウス』読書会でした。それを皮切りに6月のベニオフ『卵をめぐる祖父の戦争』、7月のインドリダソン『湿地』読書会と、これまで月1回のペースで開催しています。


 読書会本会よりも開催規模は小さいものの、中身の熱さは負けていません。
 よくあるパターンが、


3時間という長丁場でも居酒屋で喋りっぱなし→
「お客さん、お時間です」
議論は終わらない→
「お客さん、勘弁してください」
店を出て、横浜駅の改札前で議論継続


 というもの。時に大真面目に、時に脱線しながら(こちらの方が多い?)、時間を忘れてミステリについて楽しく語り合っています。お酒が入ったゆるい雰囲気ということもあり、本会とはまた違う熱気に包まれています。


2.課題書について
 課題書については、読書会の終盤に参加者で話し合って決めています。
「今度こんな新刊が出るみたいだよ」
「これぞ名作! という古典もやってみたい」
「この前読んだ本が面白かったなぁ」
 などなど、あーでもないこーでもないと話し合う、この時間がまた楽しい。
 ちなみに前回はうまくまとまらず、アンケートで多数決を採りました。課題書アンケートの内容は、インドリダソン『湿地』とカー『皇帝のかぎ煙草入れ』
 不可能犯罪の巨匠と北欧の巨人の夢の対決が時空を越えて実現! 結果は僅差で『湿地』に決定しましたが、こんなお遊びも番外編ならではです。


3.ミステリチーム
 参加者の読書歴や好きなジャンルは当然バラバラです。それでも、読書会は自分が今まで読まなかった作品を手に取る絶好の機会。
 だったら詳しい人にそのシリーズの魅力を紹介してもらおう! ということで始まったのが「ミステリチーム」の結成です。
 現在までに「チームコナリー」「チームクリスティ」が誕生しています。今後オススメの作品群をプレゼンしたり、入門編の読書コースなどを発表していく予定です。
 さらに「チーム北欧」「チームディーヴァー」など、たくさんのチームが誕生しそうな予感。
 その他にも課題書の翻訳者の方に質問を受け付けていただいたり、参加者が手作りの名札や名札入れ(これまたすごいクオリティ!)を作ってきてくれたり……。
 そんな試行錯誤の連続ですが、これから翻訳ミステリ同好の輪をさらに広げていくためにも、スピンオフ読書会はじめ様々なイベントを企画していきたいと考えています。現在はメーリングリストのメンバーが中心ですが、徐々にシンジケートのサイトや公式サイトで告知させていただこうと思います。その際はぜひご参加ください。


4.で、本会の開催は?
「ところで横浜本会の開催はどうなってるのよ?」という声も聞こえてまいります。はい。仰せのとおりです。
 先日行われた大阪クリスティーや千葉をはじめ、第1回札幌、大阪、名古屋、福岡、福島特別編と今年の夏は全国各地の読書会が大盛り上がりです。横浜もいざ続かん! ということで、ただいま第3回横浜読書会を準備しています。
 開催予定は9月上旬。課題書はアメリカの女性作家による「あの」作品とだけ…。詳細は8月に改めて告知させていただきます。


 ココ・ウク・ゴコ・キキ・タカ・イキ!


 横浜読書会運営チーム・公式サイト管理人 岡本真吾(ツイッターアカウントは @otemoto

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