【毎月更新】中国ミステリの煮込み

第7回:中国のミステリ・サスペンス短編小説集(執筆者・阿井幸作)

2月に入りました。このコラムが掲載されるであろう2月19日に中国は旧正月を迎えます。日本とは異なり正月に関しては旧暦を重視している中国人にとって旧正月(春節)は現代であっても大切なイベントであり今年は大晦日の2月18日から2月24日までが春節休暇に…

第6回:中国の推理小説賞(執筆者・阿井幸作)

先ごろ中国のミステリ雑誌『歳月推理』と『推理世界』が主催している推理小説賞『華文推理大賞賽』の第3回目が無事に執り行われるという話を聞き、これで中国ミステリの首の皮が一枚繋がったと胸をなでおろしました。何故なら中国ミステリに関連する賞は創…

第5回:中国のミステリ雑誌(執筆者・阿井幸作)

早川書房のミステリマガジンが2015年から隔月発行になるというニュースを受けて、以前に中国ミステリに関する拙文を寄稿した身としては少なからず驚き、今後またレビューなどを書かせていただけるのかと考えてしまいました。 今回はミステリマガジン隔月化に…

第4回:外部から内部へ向けられる視線(執筆者・阿井幸作)

第3回では1949年に誕生した中華人民共和国でミステリ小説が国民党やアメリカに対抗するプロパガンダに用いられたことに触れました。小説の中でそれらの政党や国家は新中国を混乱させる『敵』として登場し、公安が『正義』の味方として活躍して陰謀を暴くこ…

第3回:探偵のいない偵探小説(執筆者・阿井幸作)

先日、この翻訳ミステリー大賞シンジケートで稲村文吾氏により日本語訳された中国ミステリが4作品紹介されました。 中国語短篇ミステリが電子書籍で出版!(執筆者・稲村文吾) 上で紹介されている短篇ミステリの作者はいずれも中国大陸及び台湾では名の知…

第2回:1900年代前半の中国ミステリ(執筆者・阿井幸作)

今年8月の上海で中国国内の出版社の多くが出展し国内外から有名作家が招かれる上海ブックフェアが開催され、16日には日本から島田荘司・麻耶雄嵩両先生のサイン会が行われました。サイン会には両先生のサインを求め500人以上が列をなし、会場では一人で本を…

【新連載】第1回:ミステリ教育者 程小青(執筆者・阿井幸作)

阿井幸作と申します。以前松川良宏氏が連載していた『非英語圏ミステリー賞あ・ら・かると』の「第8回・中国編」では現代中国のミステリー賞を紹介するスペースを貰いましたが、今後はこの場を借りて中国ミステリに関する記事を発表いたします。 現在の中国…