第1回岐阜読書会レポート・後編(執筆者・佐伯ちづる)

(前編はこちら


 無事に(無事に?)『容疑者』読書会を終了し、会議室から川へと場所を移した岐阜読書会一行。そう、これから今回の読書会の目玉である鵜飼が始まるのだ!
 いえ本番じゃありませんから。二次会ですからあくまで、ええ。



 今回観覧するのは愛知県犬山市で行われる木曽川うかい。有名な岐阜の長良川鵜飼、そのさらに上流で行われる関市の小瀬(おぜ)鵜飼と並ぶ、この地方での三大鵜飼の一つ。1300年もの昔、美濃国各務郡で行われていた鵜飼が起源とされています(岐阜読書会的にはここ強調)。東海地方初の女性鵜匠もいらっしゃるのですが、この時はお休み中とのことで、残念。



屋形船に乗り込みます


 貸切の屋形船のなかはくつろげるお座敷。天井からは提灯もぶら下がり、なんともいい風情。暮れかけてはいても闇夜にはまだ早いこの時刻。まずは船で川を遊覧しつつ、お食事を召し上がっていただこうという趣向。



お弁当


 塩焼き、甘露煮、南蛮漬け。二段重ねのお重には鮎の魅力がたっぷり。食べ終えたおかずの下からひょっこり枝豆が顔を出したりするのも嬉しいところ。


 川を上った船は方向を変えて対岸近くに。実はこのあたり、木曽川の真ん中が県境なのです。つまり岐阜読書会、ようやく愛知県から岐阜県に突入。
「みなさん、岐阜です! 岐阜県です!」
 テンションの上がる世話人をよそにご飯をパクつく読書会のみなさん。い、いいんですけどね……。



国宝犬山城


 鉄橋の下をくぐって、ライトアップされた犬山城が見え始めると、木曽川遊覧もそろそろ終盤。




 岸に戻るとすでに鵜のみなさんが鵜舟でスタンバイ。首に縄(手縄というそうです)を巻いたその姿が、リードを繋いだ警察犬に見えてくるのは我々だけでしょうか。



鵜匠のおもてなし


 鵜匠さんも登場して、鵜を手に乗せながら鵜飼のみどころを紹介してくれます。手乗りインコならぬ手乗り鵜になってるこの子の名前がダダちゃん。駄々っ子だからダダちゃん、だそうです。誰だ、「マギーじゃないんだ……」って呟いた人は。
 ちなみに「リーランドって鵜匠の格好したら似合うよね」発言も。腰簑つけたモーガン・フリーマンですか……。


 先を行く鵜飼舟を追って再び屋形船に乗船。舟がエンジンを止め、篝火を灯したら「狩り下り」の始まりです。
 流れに潜っては魚を獲る鵜。12本にもなる手縄を操る鵜匠が、鵜を引き上げては魚を籠に吐き出させていきます。手縄は縄じゃない、神経だ!



 ホーホーと響く声は鵜を励ますための掛け声なんだとか。頑張る彼らに向かって読書会メンバーも叫びます。せーの。


「マギー!」「マギー!」「マギー!」「マギー!」
「マギーじゃないっ!」


 鵜飼も終わり船を下りるみなさんの満足そうな顔に、我々世話人も一安心。が。


「あー楽しかった」「これなら来年も鵜飼でいいよね!」
「ら、来年も……?(それはちょっと……)」


 あっ鵜飼担当のYさんが死んでる。


 さてさて、第1回岐阜読書会のレポートはこれにて閉幕。
 次の課題本は未定ですが、県内での開催を予定しております。
 みなさん、今度こそは岐阜県でお会いしましょう!
(鵜飼写真は参加者の浜松読書会・BECHA☆さんにご提供いただきました。この場を借りてお礼を申し上げます)

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容疑者 (創元推理文庫)

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