東京創元社 2月の新刊


ミステリーズ!』vol.75 FEBRUARY 2016
東京創元社(雑誌)/本体価格1200円/2月13日/ISBN:978-4-488-03075-9
【ブックエッセイ】
瀬那和章 私の一冊『夏を殺す少女』アンドレアス・グルーバー
古草秀子 私はこれが訳したい The Dog Who Knew Too Much: A Chet And Bernie Mystery Spencer Quinn
【評論】
川出正樹 ミステリ・ライブラリ・インヴェスティゲーション 第二十六回

ミステリーズ!  vol.75

ミステリーズ! vol.75


『10の奇妙な話』/Ten Sorry Tales
ミック・ジャクソン(Mick Jackson)/デイヴィッド・ロバーツ(David Roberts)絵/田内志文・訳
東京創元社(単行本)/本体価格1500円/2月13日/ISBN:978-4-488-01053-9
金持ち夫妻に雇われ隠者となった男や、蝶の修理屋を志し博物館の標本の蝶を蘇らせようとする少年。日常と異常の境界線を飛び越えてしまった人々を描く奇妙で愛おしい物語。訳者あとがき=田内志文

【収録作品】
「ピアース姉妹」
「眠れる少年」
「地下をゆく舟」
「蝶の修理屋」
「隠者求む」
「宇宙人にさらわれた」
「骨集めの娘」
「もはや跡形もなく」
「川を渡る」
「ボタン泥棒」

10の奇妙な話

10の奇妙な話


『罪悪』/Schuld
フェルディナント・フォン・シーラッハ(Ferdinand von Schirach)/酒寄進一・訳
創元推理文庫/本体価格720円/2月13日/ISBN:978-4-488-18603-6
ブラスバンドの男たちによる集団暴行事件。秘密結社にかぶれる男子寄宿学校生らのいじめが引き起こす悲劇。弁護士が語るさまざまな罪の形。『犯罪』を凌駕する第二短篇集! 解説=杉江松恋

【収録作品】
「ふるさと祭り」
「遺伝子」
イルミナティ
「子どもたち」
「解剖学」
「間男」
アタッシェケース
「欲求」
「雪」
「鍵」
「寂しさ」
「司法当局」
清算
「家族」
「秘密」

罪悪 (創元推理文庫)

罪悪 (創元推理文庫)


プラハの墓地』/Il cimitero di Praga
ウンベルト・エーコ(Umberto Eco)/橋本勝雄・訳
海外文学セレクション(単行本)/本体価格3500円/2月22日/ISBN:978-4-488-01051-5
ユダヤ人嫌いの祖父に育てられたシモーネ・シモニーニ。偽書作りの名手であるシモニーニがいかにしてユダヤ迫害のもととなった偽書『シオン賢者の議定書』を生み出し、どのように世界にそれが広まり憎しみの渦を作り上げたか? 訳者あとがき=橋本勝雄


『月の夜は暗く』/Todesfrist
アンドレアス・グルーバー(Andreas Gruber)/酒寄進一・訳
創元推理文庫/本体価格1380円/2月22日/ISBN:978-4-488-16007-4
大聖堂で見つかった女性の遺体。パイプオルガンの演奏台に縛りつけられ、脇にはインク、口にはホースと漏斗が。なにかの見立てか? 『夏を殺す少女』の著者が童謡殺人に挑む。訳者あとがき=酒寄進一

月の夜は暗く (創元推理文庫)

月の夜は暗く (創元推理文庫)


ヴァイキングヴァイキング【新版】』/Wrack and Rune
シャーロット・マクラウドCharlotte MaCleod)/高田惠子・訳
創元推理文庫/本体価格1000円/2月22日/ISBN:978-4-488-24631-0
地元紙の記者クロンカイトは、104歳の女性ヒルダへの取材で農場を訪れたあと、近くにあるというルーン石碑を見にいくが、途中で作男の死亡事故に遭遇してしまう。農場周辺ではその後も“事故”が続き、ヴァイキングの呪いが原因かとうわさがたつなか、シャンディ教授は右往左往しつつもやじ馬撃退と事件解決をめざす。温かなユーモア満載の、心から楽しめる傑作ミステリ第三弾。解説=宮脇孝雄

ヴァイキング、ヴァイキング【新版】 (創元推理文庫)

ヴァイキング、ヴァイキング【新版】 (創元推理文庫)


『貴婦人として死す』/She Died a Lady
カーター・ディクスン(Carter Dickson)/高沢治・訳
創元推理文庫/本体価格820円/2月27日/ISBN:978-4-488-11840-2
戦時下イギリスの片隅で一大醜聞が村人の耳目を集めた。海へ真っ逆さまの断崖へ続く足跡を残して俳優の卵と人妻が姿を消し、二日後に遺体となって打ち上げられたのだ。医師ルーク・クロックスリーは心中説を否定、二人は殺害されたと信じて犯人を捜すべく奮闘し、得られた情報を手記に綴っていく。警察に協力を要請されたヘンリ・メリヴェール卿とも行を共にし、検死審問前夜とうとう核心に迫るが……。張り巡らした伏線を見事回収、本格趣味に満ちた巧緻な逸品。解説=山口雅也

東京創元社 1月の新刊

『霜の降りる前に』上下/Innan Frosten
ヘニング・マンケル(Henning Mankell)/柳沢由実子・訳
創元推理文庫/本体各1100円/1月21日/ISBN:(上)978-4-488-20916-2(下)978-4-488-20917-9
リンダ・ヴァランダー、まもなく三十歳。警察学校を修了してイースタ署に赴任することが決まり、この夏は父クルトのアパートに同居している。久しぶりの故郷で、旧友との付き合いも復活。だが、その友人のひとりアンナが行方不明に。アンナになにが? 心配のあまり、まだ警察官になっていないからと諫める父の制止を無視して、勝手に調べ始めるリンダ。スウェーデンミステリの巨匠マンケルの人気シリーズ最新刊。訳者あとがき=柳沢由実子

霜の降りる前に〈上〉 (創元推理文庫)

霜の降りる前に〈上〉 (創元推理文庫)

霜の降りる前に〈下〉 (創元推理文庫)

霜の降りる前に〈下〉 (創元推理文庫)


『オータム・タイガー【新版】』/Autumn Tiger
ボブ・ラングレー(Bob Langley)/東江一紀・訳
創元推理文庫/本体1120円/1月21日/ISBN:978-4-488-23705-9
CIA退官を目前に控えたタリーは、その話を聞いた瞬間、耳を疑った。亡命を希望している東ドイツ諜報機関の大物が、自分を身柄を預ける際の要員に指名してきたというのだ。受け入れに赴いたパリで、その大物から示された古ぼけたライターが、あの第二次世界大戦末期の極秘作戦の記憶を呼び覚ます……。傑作『北壁の死闘』と並び称される第一級のスパイ小説! 解説=田口俊

オータム・タイガー【新版】 (創元推理文庫)

オータム・タイガー【新版】 (創元推理文庫)


『月の山脈と世界の終わり』上下/Expedition to the Mountains of the Moon
マーク・ホダー(Mark Hodder)/金子司・訳
創元海外SF叢書(単行本)/本体価格各2000円/1月29日/ISBN:(上)978-4-488-01458-2(下)978-4-488-01459-9
1863年、バートンは時間と精神を操る力を持つ伝説の黒ダイヤを独占せよとの密命を受け、新鋭飛行船で〈月の山脈〉探索に向かう。一方1914年、世界終末戦争の戦場で目覚めた記憶喪失の男は、従軍記者H・G・ウェルズとともに、ドイツ軍の異形の動植物兵器が徘徊する最前線をさまよう。二つの時間線の関係は? 人類の滅亡は防げるのか? 最悪の時空パラドックスの真相は? ディック賞受賞の時間SF三部作完結編! 解説=渡邊利道

月の山脈と世界の終わり〈上〉  (大英帝国蒸気奇譚3) (創元海外SF叢書)

月の山脈と世界の終わり〈上〉 (大英帝国蒸気奇譚3) (創元海外SF叢書)

月の山脈と世界の終わり〈下〉  (大英帝国蒸気奇譚3) (創元海外SF叢書)

月の山脈と世界の終わり〈下〉 (大英帝国蒸気奇譚3) (創元海外SF叢書)


『黄昏の彼女たち』上下/The Paying Guests
サラ・ウォーターズ(Sarah Waters)/中村有希・訳
創元推理文庫/本体各1240円/1月29日/ISBN:(上)978-4-488-25409-4(下)978-4-488-25410-0
1922年、ロンドン近郊。戦争とその後の混乱で兄弟と父を喪い、広い屋敷に母とふたりで暮らすフランシスは生計のため下宿人を置くことにする。募集に応じたのはレナードとリリアンのバーバー夫妻だった。ふとしたきっかけから、フランシスは自分よりも年下のリリアンとの交流を深めていくのだが……。禁断の恋と殺人を描く、ウォーターズの最新傑作ミステリ。解説=大矢博子

東京創元社 12月の新刊

ミステリーズ!』vol.74 DECEMBER 2015
東京創元社(雑誌)/本体価格1200円/12月12日/ISBN:978-4-488-03074-2
【ブックエッセイ】
法村里絵 私はこれが訳したい To Kill a Mockingbird Harper Lee
【評論】
川出正樹 ミステリ・ライブラリ・インヴェスティゲーション 第二十五回

ミステリーズ! vol.74

ミステリーズ! vol.74


『深い森の灯台』/The Redge
マイクル・コリータ(Michael Koryta)/青木悦子・訳
創元推理文庫/本体1300円/12月12日/ISBN:978-4-488-11706-1
深い森の中に立つ灯台で、それを建てた男が自殺した。死の直前の彼から謎のメッセージを受けた保安官代理主任のキンブルは、この土地ではるか昔から恐るべき出来事が続いていたことに気づく。さらに丘陵の周辺で次々に不穏な出来事が起こりはじめる。事故を起こし幻を見たキンブルの部下。夜が来ると攻撃的になる動物たち。そして森に正体不明の青い光が現れ、新たな惨劇が……。解説=千街晶之

深い森の灯台 (創元推理文庫)

深い森の灯台 (創元推理文庫)


『蹄鉄ころんだ【新版】』/The Luck Runs Out
シャーロット・マクラウドCharlotte MacLeod)/高田惠子・訳
創元推理文庫/本体1000円/12月12日/ISBN:978-4-488-24630-3
生涯の伴侶を得て、幸せいっぱいのシャンディ教授を新たな騒動が襲う。貴金属工芸店での強奪事件に巻きこまれたのを皮切りに、同僚が愛情こめて育てた美しい雌豚は誘拐され、殺人まで起きてしまう。すべては不幸のおまじない──何者かが逆さに打ちつけた馬房の蹄鉄のせいなのか? 年に一度の馬の競技会が迫るなか、教授は捜査に励む。温かな笑いに彩られた傑作ミステリ第二弾。訳者あとがき=高田惠子

蹄鉄ころんだ【新版】 (創元推理文庫)

蹄鉄ころんだ【新版】 (創元推理文庫)


『センター18』/The Ninth Configuration
ウィリアム・ピーター・ブラッティ(William Peter Blatty)/大瀧啓裕・訳
単行本/本体1700円/12月21日/ISBN:978-4-488-01042-3
1960年代後半、ヴェトナム戦争の時代。妄想に取りつかれた合衆国軍の将校たちは、仮病と疑われながら秘密収容所に送りこまれ、治療と研究の対象となっていた。最後の収容所となったセンター18には、元宇宙飛行士のカットショー大尉を始め、様々な強迫観念に囚われた兵士たちが収容されていた。新たに配属された海兵隊精神科医ハドスン・ケイン大佐は、収容者たちの話を聞き続ける中で、かつての患者が見ていた悪夢に繰り返し苛まれる──
館に蔓延する狂気と悪夢。そして“奇蹟”の顕現。『エクソシスト』の鬼才が贈る傑作。訳者あとがき=大瀧啓裕

センター18

センター18


『秋の城に死す』上下/Hostoffer
モンス・カッレントフト(Mons Kallentoft)/久山葉子・訳
創元推理文庫/本体各1300円/12月21日/ISBN:(上)978-4-488-25607-4(下)978-4-488-25608-1
長年にわたりフォーゲルシュー伯爵家が所有していたスコーグソー城。それを買い取った弁護士ピエテションが殺害された。被害者は幼い頃からこの土地で育ち、貧しい出自にもかかわらず評判の天才児だったらしい。警察の捜査線上に浮かんだのは、代々所有していた領地を売る羽目になった伯爵とその息子と娘。また、被害者は海外に逃亡中の詐欺師とも取引があったらしい。恨みか金か。古城での奇怪な殺人に女性刑事モーリンが挑む。訳者あとがき=久山葉子

秋の城に死す〈上〉 (創元推理文庫)

秋の城に死す〈上〉 (創元推理文庫)

秋の城に死す〈下〉 (創元推理文庫)

秋の城に死す〈下〉 (創元推理文庫)


『マジシャンは騙りを破る』/The Ambitious Card
ジョン・ガスパード(John Gaspard)/法村里絵・訳
創元推理文庫/本体1100円/12月21日/ISBN:978-4-488-28902-7
ミネソタ州ミネアポリスセントポール。ツインシティと呼ばれるこのあたりの川沿いの洞窟で、今夜、死後の世界と交信できるという男のショーがテレビで生中継される。マジシャンのぼくの役どころは、そのインチキを暴くこと。それがうまくいった翌日、ぼくは警察に連れていかれる。件の男が殺され、ぼくが容疑者のひとりだというのだ……。ライトなミステリ・シリーズ第一弾。訳者あとがき=法村里絵

マジシャンは騙りを破る (創元推理文庫)

マジシャンは騙りを破る (創元推理文庫)

東京創元社 11月の新刊

 
『カールの降誕祭(クリスマス)』/Carl Tohrbergs Weihnachten
フェルディナント・フォン・シーラッハ(Ferdinand von Schirach)/酒寄進一・訳
単行本/本体1500円/11月12日/ISBN:978-4-488-01050-8
本屋大賞翻訳小説部門第1位『犯罪』のシーラッハによる珠玉の3編と、気鋭の版画家タダジュンによる謎めいたイラスト。ふたりの天才が贈るブラックなクリスマス・プレゼント。訳者あとがき=酒寄進一

【収録作品】
「パン屋の主人」
「ザイボルト」
「カールの降誕祭(クリスマス)」

カールの降誕祭

カールの降誕祭


『殺人者たちの王』/Game
バリー・ライガ(Barry Lyga)/満園真木・訳
創元推理文庫/本体1200円/11月12日/ISBN:978-4-488-20804-2
ものまね師事件が解決して二カ月、ジャズのもとをニューヨーク市警の刑事が訪れた。21世紀最悪の連続殺人犯である父ビリーに施された殺人者としての英才教育を生かして、ニューヨークで起きている連続殺人の捜査を手伝って欲しいというのだ。渋々同行するジャズ。だが事件を調べるうちに、ものまね師事件との繋がりに気づく。そして被害者の遺体に書かれた〈ゲームへようこそ、ジャスパー〉のメッセージ。大好評のシリーズ第二弾! 解説=穂井田直美

殺人者たちの王 (創元推理文庫)

殺人者たちの王 (創元推理文庫)


『不思議なキジのサンドウィッチ』/The Dead in Their Vaulted Arches
アラン・ブラッドリー(Alan Bradley)/古賀弥生・訳
創元推理文庫/本体1300円/11月21日/ISBN:978-4-488-13607-9
父の衝撃の発表から一週間あまり。とうとうあの人が載った列車が、バックショー仮駅に到着した。みんなで列車を出迎えている折、フレーヴィアは見知らぬ男から父への謎めいた伝言を頼まれる。しかしその直後、男は誰かに押され、列車に轢かれて死んでしまった……。徐々に明らかになる謎めいた言葉の意味、ド・ルース家の秘密。大人気のフレーヴィア・シリーズ、大団円の第六弾。解説=穂井田直美

不思議なキジのサンドウィッチ (創元推理文庫)

不思議なキジのサンドウィッチ (創元推理文庫)


『消えた修道士』上下/The Monk Who Vanished
ピーター・トレメイン(Peter Tremayne)/甲斐萬里江・訳
創元推理文庫/本体各1060円/11月21日/ISBN:(上)978-4-488-21820-1(下)978-4-488-21821-8
敵対していた小国の族長がモアン王国を訪れたそのとき、族長とモアン国王を何者かの矢が襲った。どちらも命に別状はなかったが、襲撃がモアン側の陰謀だという相手の主張に、両国は一色触発の危機に陥る。国王は自国の潔白の証明を、妹であり、法廷弁護士、裁判官の資格をもつ修道女フィデルマに託した。だが襲撃者は既に殺され、フィデルマはわずかな証拠をたよりに襲撃に使われた矢の出所と思われる村に向かう。好評シリーズ第七弾。解説=若林踏

消えた修道士〈上〉 (創元推理文庫)

消えた修道士〈上〉 (創元推理文庫)

消えた修道士〈下〉 (創元推理文庫)

消えた修道士〈下〉 (創元推理文庫)


『火打箱』/Tinder Box
サリー・ガードナー(Sally Gardner)/デイヴィッド・ロバーツ(David Roberts)絵/山田順子・訳
単行本/本体2400円/11月28日/ISBN:978-4-488-01052-2
「きさまは恋に落ち、自分の王国を手に入れる」皇帝軍の兵士だったとき、おれは死神を見た。死神の手を逃れ、森の中で出会ったのはサファイアーという名の少女。おれたちは恋に落ち、そして……。元兵士の若者オットーが深い森で出会う男装の美少女、狼の怪物、城に住む恐ろしい魔女。文豪アンデルセン最初期の作品に、カーネギー賞受賞作家サリー・ガードナーが新たな息吹を吹き込む。不思議と怪奇が詰まった美しくも不気味な物語。

火打箱

火打箱


『12人の蒐集家/ティーショップ』/Twelve Collections and The Teashopand Other Stories
ゾラン・ジヴコヴィッチ(Zoran Zivkovic)/山田順子・訳
単行本/本体1600円/11月28日/ISBN:978-4-488-01659-3
「当店には各種、極上のケーキがそろっております」紫一色に染められたケーキショップの、八ページにわたるメニューに並ぶのは〈よろけヴァイオリン〉〈惚れ睡蓮(すいれん)〉そして〈陽気な骸(むくろ)〉……。パティシエがコレクションする“あるもの”と引き換えに、メニューにはない特製ケーキを頼んだ男の運命は?
連作「12人の蒐集家」と中編「ティーショップ」を収めた東欧の鬼才ジヴコヴィッチによる、愛らしくも不気味な世界。摩訶不思議なファンタスチカの世界へ、ようこそ。訳者あとがき=山田順子

【収録作品】
「12人の蒐集家」日々/爪/サイン/写真/夢/ことば/小説/切り抜き/死/Eメール/希望/コレクションズ
ティーショップ」


『ハザール事典』男性版・女性版/Hazarski recnik
ミロラド・パヴィチ(Milorad Pavic)/工藤幸雄・訳
創元ライブラリ(文庫本)/本体各1500円/11月28日/ISBN:(男)978-4-488-07075-5(女)978-4-488-07076-2
歴史上から姿を消した謎の民族ハザールに関する事典の形をとった前代未聞の物語集。キリスト教イスラーム教、ユダヤ教の交錯する45項目は、通して読むもよし、関連項目の拾い読みもよし、たまたま開いた項目を一つ読むもよし、読者の意のまま。男女両版の違いはわずか10行。どちらの版を選ばれますか? 解説=沼野充義


『髑髏城【新訳版】』/Castle Skull
ジョン・ディクスン・カー(John Dickson Carr)/和爾桃子・訳
創元推理文庫/本体800円/11月28日/ISBN:978-4-488-11839-6
ドイツ・ライン河畔に聳える奇城“髑髏城”。城の持ち主であった稀代の魔術師マリーガーが、走行中の列車内から身を投げてから十七年が経った。そして今、城を継いだ男が火だるまになって胸壁から転落、凄絶な最期を迎える。魔術師の遺産を共同相続していた富豪から依頼を受けて、予審判事アンリ・バンコランは死の影が漂う城へと捜査に赴く。そこで彼は、ベルリン警察の主任捜査官にして好敵手フォン・アルンハイム男爵と邂逅を果たす――。古城を舞台に火花を散らす仏独二大名探偵の推理、新訳決定版。解説=青崎有吾

髑髏城【新訳版】 (創元推理文庫)

髑髏城【新訳版】 (創元推理文庫)

東京創元社 10月の新刊

 
ミステリーズ!』vol.73 OCTOBER 2015
東京創元社(雑誌)/本体価格1200円/10月13日/ISBN:978-4-488-03073-5
【ブックエッセイ】
高橋恭美子 私はこれが訳したい Unlikely Friendships Jennifer S. Holland
【評論】
川出正樹 ミステリ・ライブラリ・インヴェスティゲーション 第二十四回

ミステリーズ! vol.73

ミステリーズ! vol.73


『もうひとりのタイピスト』/The Other Typist
スーザン・リンデル(Suzanne Rindell)/吉澤康子・訳
単行本/本体1900円/10月13日/ISBN:978-4-488-01048-5
1924年、ニューヨーク。ローズは警察署のタイピストとして、地味ながら安定した生活を送っていた。だが、美しい黒髪を断髪にし、最新流行の高級な服に身を包んだ自由奔放なタイピスト、オダリーが現れ彼女の人生は一変する。ローズはオダリーに魅了され心酔するが、しだいに彼女のふるまいに犯罪の影を感じ、生い立ちにも疑問を覚えはじめる。嘘と秘密を纏う、美貌の新人タイピストの真の目的とは──。訳者あとがき=吉澤康子

もうひとりのタイピスト

もうひとりのタイピスト


『スパイ学校の新任教官』/The Prime Minister's Secret Agent
スーザン・イーリア・マクニール(Susan Elia MacNeal)/圷香織・訳
創元推理文庫/本体1260円/10月21日/ISBN:978-4-488-25505-3
1941年初冬。スパイ任務で心に癒しがたい傷を負ったわたし、マギー・ホープ。辛い記憶を振り払うように、スコットランドにある特別作戦執行部(SOE)の訓練キャンプの鬼教官として、スパイのひよっこたちを鍛え上げていた。そんな折、親友のバレリーナから公演に招待され、エディンバラを訪れることに。だが、舞台で事件が発生して……。マギーがさらなる成長を遂げる、シリーズ第四弾。訳者あとがき=圷香織/解説=穂井田直美

スパイ学校の新任教官 (創元推理文庫)

スパイ学校の新任教官 (創元推理文庫)


『獣の記憶』/Wolfszeit
ニーナ・ブラジョーン(Nina Blazon)/遠山明子・訳
創元推理文庫/本体1160円/10月21日/ISBN:978-4-488-28703-0
首のない死体。噛みさかれたような傷跡。狼か未知の獣の仕業か。博物学者の卵トマスは、襲撃を生き延びた少女に出会う。十八世紀フランスを舞台にしたゴシックミステリ決定版。訳者あとがき=遠山明子

獣の記憶 (創元推理文庫)

獣の記憶 (創元推理文庫)


人形遣い』/Blut sommer
ライナー・レフラー(Rainer Loffler)/酒寄進一・訳
創元推理文庫/本体1200円/10月30日/ISBN:978-4-488-23509-3
解体され、内臓を抜かれた死体……解体屋事件と呼ばれる連続殺人事件の犯人は人形遣いと名乗る人間だった。遺体の声を聞くという独特なプロファイリング手法で数々の事件を解決してきた分析官は、死体から何を聞き出すのか? 訳者あとがき=酒寄進一

人形遣い (事件分析官アーベル&クリスト) (創元推理文庫)

人形遣い (事件分析官アーベル&クリスト) (創元推理文庫)


『にぎやかな眠り【新版】』/Rest You Merry
シャーロット・マクラウドCharlotte MacLeod)/高田惠子・訳
創元推理文庫/本体1000円/10月30日/ISBN:978-4-488-24603-7
農業大学のある田舎町バラクラヴァに、今年もクリスマスがやってきた。町をあげての浮かれ騒ぎを見に、群衆が押し寄せる季節が。毎年の喧噪に業を煮やした大学教授のシャンディは、自宅をどぎつく飾りたて旅に出るが、それが事件を招いてしまう。戻ってきたわが家で、友人の妻が変死していたのだ! アガサ賞生涯功労賞作家が贈る、万人に愛された傑作ミステリ・シリーズ第一弾。解説=浅羽莢子

にぎやかな眠り【新版】 (創元推理文庫)

にぎやかな眠り【新版】 (創元推理文庫)


『なんでもない一日 シャーリイ・ジャクスン短編集』/The Smoking Room and Other Stories
シャーリイ・ジャクスン(Shirley Jackson)/市田泉・訳
創元推理文庫/本体1000円/10月30日/ISBN:978-4-488-58304-0
家に出没するネズミを退治するため、罠を買うようにと妻に命じた夫が目にする光景とは……ぞっとする終幕が待ち受ける「ネズミ」。謎の追跡者から逃れようと都市を彷徨う女の姿を描く、美しい悪夢の結晶のごとき一編「逢瀬」。犯罪実話風の発端から、思わぬ方向へと話がねじれる「行方不明の少女」など、悪意と妄念、恐怖と哄笑が彩る23編にエッセイ5編を付す。本邦初訳作多数。訳者あとがき=市田

【収録作品】
「序文 思い出せること」
「スミス夫人の蜜月(バージョン1)」
「スミス夫人の蜜月(バージョン2)――新妻殺害のミステリー」
「よき妻」
「ネズミ」
「逢瀬」
「お決まりの話題」
「なんでもない日にピーナツを持って」
「悪の可能性」
「行方不明の少女」
「偉大な声も静まりぬ」
「夏の日の午後」
「おつらいときには」
「アンダースン夫人」
「城の主(あるじ)」
「店からのサービス」
「貧しいおばあさん」
メルヴィル夫人の買い物」
「レディとの旅」
「『はい』と一言」
「家」
喫煙室
「インディアンはテントで暮らす」
「うちのおばあちゃんと猫たち」
「男の子たちのパーティ」
「不良少年」
「車のせいかも」
「S・B・フェアチャイルドの思い出」
カブスカウトのデンで一人きり」
「エピローグ 名声」

なんでもない一日 (シャーリイ・ジャクスン短編集) (創元推理文庫)

なんでもない一日 (シャーリイ・ジャクスン短編集) (創元推理文庫)

文藝春秋・10月の新刊

 
『悲しみのイレーヌ』ピエール・ルメートル 橘明美
Travail soigné, Pierre Lemaitre

悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3)

悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3)

 
 大ベストセラーとなった『その女アレックス』。
 あの事件を追った刑事たちが立ち向かう
 史上最悪の犯罪計画とは?
 
 異様な手口で惨殺された二人の女。パリ警視庁のカミーユ・ヴェルーヴェン警部は部下たちと捜査を開始するが、やがて第2の事件が発生、ふたつの事件をつなぐ恐るべき共通点が浮かび上がる。警察を挑発する殺人鬼。そいつの狙いは何なのか? フランス・ミステリ界の殺人芸術家ピエール・ルメートルのデビュー作。コニャック・ミステリ大賞ほか4つのミステリ賞に輝いた悪意の傑作。
 
『その女アレックス』『死のドレスを花婿に』で、大胆な驚愕とツイストの技を見せつけたピエール・ルメートル。そのデビュー作がついに登場です。「アレックス事件」を追った小男のカミーユ、気のいい富豪刑事ルイ、ケチで鳴るベテラン刑事アルマンの3人に加え、放蕩者のマレヴァル刑事を加えた4人が、「アレックス事件」をしのぐ凶悪連続殺人に挑みます。
 
 事件は、過剰な残虐性をみせる連続女性殺し。しかも第1の事件と第2の事件の殺しの手口は、「惨殺」という以外の共通点をみせない。そんな奇妙な連続殺人をつなぐ「リンク」が、最初のフック。そこから物語は、「犯人はなぜこんな殺人をくりかえしているのか?」という謎を生んで、『その女アレックス』に劣らぬ勢いで驀進してゆきます。
 
 そして399ページ。
 
 物語も終盤にさしかかったこのページで犯人の真意が明らかになり、『その女アレックス』とも『死のドレスを花婿に』とも違う種類の逆転が、読者を襲うことになります。この悪意にみちた恐るべき「計画」。ミステリというものを考えつくした芸術家ルメートルの一世一代の大技に、驚愕の声をあげてください。
 
 なお、10月末から11月にかけて、著者ピエール・ルメートル氏が来日します。サイン会のほか、藤田宜永さん(東京)、中村文則さん(名古屋)、法月綸太郎さん(京都)との対談イベントが予定されています。ゴンクール賞を受賞したルメートル氏初の文芸大作『天国でまた会おう』早川書房さんから刊行の予定です。
 


 
『スキン・コレクター』ジェフリー・ディーヴァー 池田真紀子訳
The Skin Collector, Jeffery Deaver
スキン・コレクター

スキン・コレクター

毒の針で刺青を刻むスキン・コレクター
――すぐには殺さない。
 
名探偵リンカーン・ライム、ニューヨークの地下に潜む殺人鬼を追う。
複雑巧緻に組み上げられた完全犯罪の全貌とは?
すべてを解く鍵は証拠のなかにある!
 
 ウォッチメイカー、獄死す――その報に愕然とするリンカーン・ライムだったが、好敵手を失ったことを噛み締める時間は与えられなかった。ニューヨークの地下で異様な変死体が発見されたのだ。被害者は毒物により謎の文字のいれずみを彫られて、中毒死していたという。「the second」。それが刻まれていた文字だった。現場からは証拠が丹念に拭い去られていたが、ひとつだけ紙片が残されていた――それは本のページの断片。かつて名探偵ライムが捜査した連続殺人「ボーン・コレクター事件」を描くノンフィクションのページ片だった。犯人は「ボーン・コレクター事件」に学び、殺人をくりかえしているのか? ライムはアメリア・サックスらとともに次の犯行を予測し、犯人の阻止をめざすが……
 
ボーン・コレクター。そして『ウォッチメイカー』。現代最高のミステリ・シリーズを代表する2つの名作です。そして今回の新作『スキン・コレクター』は、この2つの名作の血脈をつぐ野心作に仕上がりました。ニューヨークで謎の手がかりを残しながらリンカーン・ライムに挑戦するように殺人をくりかえす犯人――まさにリンカーン・ライム・シリーズの真骨頂のような作品なのです。
 
 サスペンスフルなのは当然のこと。ディーヴァーらしく幾重にも擬装された完全犯罪計画も緻密の極み。名探偵ライムのツンデレ加減も冴えわたり、『12番目のカード』から登場の新米刑事“ルーキー”ロナルド・プラスキーのコメディリリーフぶりも板についてきて、シリーズものとしての楽しさも、もちろん満載です。しかも今回は、いつも以上に謎解きミステリとしての充実ぶりが見事なのです! ちょっとした伏線、微細な手がかり――ちょっとした証拠が予想外の真相を導き出すミステリならではの快感が増量されています。おなじみの証拠物件リストを熟読して、スキン・コレクター事件の真相に挑んでみてください。
 

リンカーン・ライム・シリーズ特設サイト開設!■

http://hon.bunshun.jp/sp/lincolnrhyme
 

文藝春秋翻訳出版部・N)  
 

 

その女アレックス (文春文庫)

その女アレックス (文春文庫)

死のドレスを花婿に (文春文庫)

死のドレスを花婿に (文春文庫)

天国でまた会おう(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

天国でまた会おう(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

天国でまた会おう(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

天国でまた会おう(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

天国でまた会おう

天国でまた会おう

ボーン・コレクター 上 (文春文庫)

ボーン・コレクター 上 (文春文庫)

ボーン・コレクター 下 (文春文庫)

ボーン・コレクター 下 (文春文庫)

ウォッチメイカー 上 (文春文庫)

ウォッチメイカー 上 (文春文庫)

ウォッチメイカー 下 (文春文庫)

ウォッチメイカー 下 (文春文庫)

東京創元社 9月の新刊&創元推理文庫2015年復刊フェア

 
『消えたメイドと空家の死体』/Mrs. Jeffries Dusts for Clues
エミリー・ブライトウェル(Emily Brightwell)/田辺千幸・訳
創元推理文庫/本体980円/9月12日/ISBN:978-4-488-20005-3
人柄の良さに反比例して刑事の才能はない主の警部補のため、こっそり事件を解決してきた屋敷の家政婦ジェフリーズ夫人と使用人たちは、その実績を見こんだ知人に、行方知れずのメイド捜しを依頼される。一方、警部補は新たに身元不明の若い女性が殺された事件を担当することに。捜査を始めるや、このふたつの事件が意外な形で結びつく? 話題沸騰、痛快ヴィクトリア朝ミステリ〈家政婦は名探偵〉シリーズ第2弾。訳者あとがき=田辺千幸

消えたメイドと空家の死体 (創元推理文庫)

消えたメイドと空家の死体 (創元推理文庫)


『曲がり角の死体』/Death at Dyke's Corner
E・C・R・ロラック(E. C. R. Lorac)/藤村裕美・訳
創元推理文庫/本体1140円/9月12日/ISBN:978-4-488-21107-3
大雨の夜、急カーブの続く難所で起きた自動車の衝突事故。大破した車の運転席からは、著名な実業家が死体となって発見される。しかし検死の結果、被害者は事故の数時間前に一酸化炭素中毒によって死亡したことが判明する。事故直前には、現場と別の場所を走る被害者の車の目撃証言も……。死者が自動車を運転したのか? 謎解きの醍醐味が味わえる英国探偵小説黄金期の快作。解説=林克郎

曲がり角の死体 (創元推理文庫)

曲がり角の死体 (創元推理文庫)


『幽霊ピアニスト事件』/Nachleben
フレドゥン・キアンプール(Fredun Kianpour)/酒寄進一・訳
創元推理文庫/本体1160円/9月12日/ISBN:978-4-488-23403-4
青年ピアニスト、アルトゥアは死んでから50年後の世界にいきなり蘇った。音楽大学の学生たちと知り合い共同生活をはじめるが、常に古風な舞踏会用ドレスを着ている少女や、双子の霊媒たちと過ごす新しく愉快な日常には、なぜ事件ばかり起きるのか。音大でのリサイタルの妨害や美人ピアニスト殺し、そして自分が蘇った理由を解明するため、幽霊ピアニストは音大生たちと走る走る! 再会の秘密をめぐる、心に響く傑作ミステリ! 訳者あとがき/文庫版訳者あとがき=酒寄進一(単行本版タイトル『この世の涯てまで、よろしく』改題・文庫化)

幽霊ピアニスト事件 (創元推理文庫)

幽霊ピアニスト事件 (創元推理文庫)


『失われたものたちの本』/The Book of Lost Things
ジョン・コナリー(John Connolly)/田内志文・訳
単行本/本体2200円/9月30日/ISBN:978-4-488-01049-2
【全米図書館協会アレックス賞受賞作】
第二次世界大戦下のイギリス。本を愛する12歳のデイヴィッドは、母親を病気で亡くしてしまう。孤独に苛まれた彼はいつしか本の囁きを聞いたり、不思議な王国の幻を見たりしはじめる。ある日、死んだはずの母の声に導かれて、おとぎ話の登場人物や神話の怪物たちが蠢く、美しくも残酷な物語の世界の王国に迷い込んでしまう。元の世界に戻るため『失われたものたちの本』を探す旅に出るが……。少年の謎に満ちた旅路と、困難を乗り越えて成長する姿を描く異世界冒険譚。訳者あとがき=田内志文

失われたものたちの本

失われたものたちの本


『恐怖の谷【新訳版】』/The Valley of Fear
アーサー・コナン・ドイルArthur Conan Doyle)/深町眞理子・訳
創元推理文庫/本体800円/9月30日/ISBN:978-4-488-10123-7
シャーロック・ホームズのもとに届いた暗号の手紙。悪の首魁モリアーティー教授の配下からのそれは、サセックス州の〈バールストン館〉のあるじに危険が迫っていることを告げるものであった。そして実際、その館で凄惨な殺人事件が発生する。捜査に乗りだしたホームズが解き明かした驚愕の真相とは? 第一部と第二部の双方に意外性が秘められたシリーズ最後の長編、新訳決定版。解題=戸川安宣/解説=北原尚彦


『ホテル1222』/1222
アンネ・ホルト(Anne Holt)/枇谷玲子・訳
創元推理文庫/本体1200円/9月30日/ISBN:978-4-488-25706-4
雪嵐の中、オスロ発ベルゲン行きの列車が脱線、トンネルの壁に激突した。運転手は死亡、乗客は近くの古いホテルに避難した。ホテルには備蓄がたっぷりあり、救助を待つだけのはずだった。だがそんな中、牧師が他殺死体で発見された。吹雪は止む気配を見せず、救助が来る見込みはない。乗客のひとり、元警官の車椅子の女性が乞われて調査にあたるが、またも死体が……。ノルウェーミステリの女王がクリスティに捧げた、著者の最高傑作! 解説=若林踏

ホテル1222 (創元推理文庫)

ホテル1222 (創元推理文庫)


創元推理文庫2015年復刊フェア〉
※ミステリ関連のものだけ取りあげています。全10点のラインナップおよび新カバーは下記参照。9月下旬から開催(購入可能)です。
http://www.webmysteries.jp/topic/1509-01.html


『船から消えた男』/Man Overboard!【新カバー!】
F・W・クロフツ(F. W. Crofts)/中山善之・訳
創元推理文庫/本体1200円/9月下旬/ISBN:978-4-488-10625-6
ガソリンの危険性を除くという化学的大発見の実用化計画が進められていた。巨万の富を期待する四人の若者と資金援助をする老人一人。化学会社との契約を目前に、その会社から派遣された調査員が連絡船上から姿を消し数日後に水死体となって発見された。ベルファスト警察の要請で捜査に乗り出すフレンチ警部。一見単純そうな事件だったが。訳者あとがき=中山善之

船から消えた男 (創元推理文庫)

船から消えた男 (創元推理文庫)


『ピカデリーの殺人』/The Piccadilly Murder【新カバー!】
アントニイ・バークリー(Anthony Berkeley)/真野明裕・訳
創元推理文庫/本体1100円/9月下旬/ISBN:978-4-488-12303-1
伯母と犯罪学と切手蒐集から成る人生に安住していたチタウィック氏が、たまさか訪れた午後のホテルで毒殺の現場に遭遇する。なんとも伯母さんというほかない被害者、そして、同じ卓を囲み怪しい振舞を見せた、その甥っ子。皮肉な成行きに嘆息しながらも氏は訴追側の証人として渦中の人となる。考え抜かれた話術が生きる手練の謎解き編! 解説=小林晋

ピカデリーの殺人 (創元推理文庫)

ピカデリーの殺人 (創元推理文庫)


『手斧が首を切りにきた』/Here Comes a Candle
フレドリック・ブラウン(Fredric Brown)/青田勝・訳
創元推理文庫/本体1100円/9月下旬/ISBN:978-4-488-14603-0
本書において、著者は小説の合間に、ラジオ、映画、スポーツ放送、ビデオ、演劇等の台本の形式を挟みストーリーを展開させ、結末を小さな新聞記事で締め括っている。そして不気味なマザー・グースの歌が、二人の女性の間で揺れ動く一青年のやるせない青春像を、鮮やかに浮き彫りにする。1940年代後期のアメリカの地方都市を舞台に、ブラウンが趣向を凝らして描く初期長編異色作。訳者あとがき=青田勝

手斧が首を切りにきた (創元推理文庫)

手斧が首を切りにきた (創元推理文庫)


『暗闇の薔薇』/The Rose in Darkness【新カバー!】
クリスチアナ・ブランド(Christianna Brand)/高田惠子・訳
創元推理文庫/本体940円/9月下旬/ISBN:978-4-488-26202-0
嵐の夜、サリーは一台の車があとをつけてくるのに気がついた。いったんは無事やりすごせたかに思えたが、折りからの暴風に巨木が倒れ、行く手を塞いでしまう。あせった彼女は、倒木の向こうで同じ憂き目にあっていた未知の男性と車を交換、それぞれの目的地をめざすが……。英国の重鎮が華麗に描く、巧緻にして型破りの本格傑作。解説=山口雅也

暗闇の薔薇 (創元推理文庫)

暗闇の薔薇 (創元推理文庫)


『納骨堂の奥に』/The Family Vault【新カバー!】
シャーロット・マクラウドCharlotte MaCleod) /浅羽莢子・訳
創元推理文庫/本体1000円/9月下旬/ISBN:978-4-488-24603-7
ケリング家の若妻セーラは、フレデリック大伯父の葬儀に押しかけてくる人々に出す食事のことを考えながら、納骨堂の開扉に立ち会っていた。ところがようやく開いた扉の奥にあったのは、見知らぬ女性の他殺死体。数十年間埋もれていた犯罪と関わってしまったセーラは、成り行きで事件を調べることに……古都ボストンを舞台にした人気シリーズの第一弾、臨場感に溢れた傑作長編。訳者あとがき=浅羽莢子

納骨堂の奥に (創元推理文庫)

納骨堂の奥に (創元推理文庫)