東京創元社 10月の新刊

ミステリーズ!』vol.79 OCTOBER 2016
東京創元社(雑誌)/本体価格1200円/10月11日/ISBN:978-4-488-03079-7
【特別寄稿】
芦辺 拓 大英図書館で「本格」を語ろう ──ディテクション・クラブのイベントに参加して
【ブックエッセイ】
美輪和音 私の一冊 『養鶏場の殺人/火口箱』ミネット・ウォルターズ
伏見威蕃 私はこれが訳したい The Stories of Flying Officer X H. E. Bates
【評論】
川出正樹 ミステリ・ライブラリ・インヴェスティゲーション 第三十回

ミステリーズ!  vol.79

ミステリーズ! vol.79


『緑のカプセルの謎【新訳版】』/The Problem of the Green Capsule
ジョン・ディクスン・カー(John Dickson Carr)/三角和代・訳
創元推理文庫/本体価格900円/10月11日/ISBN:978-4-488-11841-9
小さな町の菓子店の商品に、毒入りチョコレート・ボンボンがまぜられ、死者が出るという惨事が発生した。一方で村の実業家が、みずからが提案した心理学的なテストの寸劇の最中に殺害される。透明人間のような風体の人物に、青酸入りの緑のカプセルを飲ませられて──。食いちがう証言。事件を記録していた映画撮影機(シネカメラ)の謎。そしてフェル博士の毒殺講義。不朽の名作が新訳で登場。解説=三橋暁

緑のカプセルの謎【新訳版】 (創元推理文庫)

緑のカプセルの謎【新訳版】 (創元推理文庫)


『満潮』上下/Springfloden
シッラ&ロルフ・ボリリンド(Cilla & Rolf Borjlind)/久山葉子・訳
創元推理文庫/本体価格各1100円/10月11日/ISBN:(上)978-4-488-21408-1(下)978-4-488-21409-8
警察大学の学生オリヴィアは、夏休みの課題で未解決事件を調べていた。刑事だった亡き父が、二十数年前に担当していた、ノードコステル島の砂浜に臨月の女性が生きたまま埋められ、溺死させられた、残酷な殺人事件だ。オリヴィアは話を聞こうと、当時父親の同僚だった男を探すが……。〈マルティン・ベック〉シリーズのシナリオを手がけた人気脚本家コンビが放つ衝撃のミステリ。訳者あとがき=久山葉子

満潮〈上〉 (創元推理文庫)

満潮〈上〉 (創元推理文庫)

満潮〈下〉 (創元推理文庫)

満潮〈下〉 (創元推理文庫)


『浴室には誰もいない』/Hopjoy Was Here
コリン・ワトスン(Colin Watson)/直良和美・訳
創元推理文庫/本体価格960円/10月20日/ISBN:978-4-488-15504-9
匿名の手紙を契機に、ある家の浴室から死体を溶かして流した痕跡が見つかる。住人の男性ふたりはともに行方不明。地元警察と、特殊な事情によりロンドンから派遣された情報部員が、事件解決に向けそれぞれ捜査を始めるが……。二転三転する展開の果てに待つ、「死体なき殺人」の真相とは? バークリーが激賞した、英国推理作家協会ゴールドダガー賞最終候補作の本格ミステリ。解説=法月綸太郎

浴室には誰もいない (創元推理文庫)

浴室には誰もいない (創元推理文庫)


『流砂』/Kvicksand
ヘニング・マンケル(Henning Mankell)/柳沢由実子・訳
東京創元社(単行本)/本体価格2400円/10月31日/ISBN:978-4-488-01065-2
これが私の生きる条件を変えた十日間の真実である。流砂は地獄への穴だが、私はなんとかそれに嵌(はま)らなくて済んだ。
がんの告知を受けた北欧ミステリの帝王マンケルは何を思い、押し寄せる絶望といかに闘ったのか。遙かな昔に人類が生まれてから今日まで、我々は何を受け継ぎ、そして遠い未来の人々に何を残すのか。〈刑事ヴァランダー・シリーズ〉の著者の最後の作品。闘病記であり、遺言でもある、魂の一冊。訳者あとがき=柳沢由実子

流砂

流砂


『死体は笑みを招く』/Mords Freunde
ネレ・ノイハウス(Nele Neuhaus)/酒寄進一・訳
創元推理文庫/本体価格1200円/10月31日/ISBN:978-4-488-27608-9
動物園で左腕と左足が切断された死体が発見される。殺人捜査課の刑事オリヴァーとピアたちの捜査で、被害者は高校教師で環境保護活動家だと判明。彼は動物園付近の環境破壊や動物園の動物虐待を批判し、さまざまな人間に憎まれていた。捜査が進めば進むほど、被害者を殺す動機を持つ者が浮上してくる。謎また謎の展開と、緻密極まる伏線。リーダビリティに溢れた傑作警察小説! 訳者あとがき=酒寄進一

死体は笑みを招く (創元推理文庫)

死体は笑みを招く (創元推理文庫)

東京創元社 9月の新刊

『犯罪は老人のたしなみ』/Kaffe med Ran
カタリーナ・インゲルマン=スンドベリ(Catharina Ingelman-Sundberg)/木村由利子・訳
創元推理文庫/本体価格1300円/9月10日/ISBN:978-4-488-15105-8
新しいオーナーになって、ホームはすっかり変わってしまった。食事は冷凍食品、外出も厳しく制限される。こんな老後のはずではなかった。ならば自分たちの手で変えてみせるとばかり、七十九歳のメッタは一緒にホームに入った友人四人と、合計年齢三百九十二歳の素人犯罪チームを結成する。美術館の名画を誘拐して身代金を要求しようというのだ。老人ならではの知恵と手段を駆使して、誰も傷つけず大金を手にすることはできるのか? 訳者あとがき=木村由利子

犯罪は老人のたしなみ (創元推理文庫)

犯罪は老人のたしなみ (創元推理文庫)


『ブラック・リバー』/Black River
S・M・ハルス(S. M. Hulse)/高山祥子・訳
創元推理文庫/本体価格1080円/9月10日/ISBN:978-4-488-23904-6
わたしのためにフィドルを弾いて──病で最期が迫った妻からの願いを、六十歳の元刑務官ウェズはかなえられない。刑務所の暴動で負った凄惨な傷のせいで。妻が逝って五日後、ウェズはその刑務所の町、ブラック・リバーへ旅立つ。妻の連れ子との十八年ぶりの再会と、暴動の首謀者の仮釈放を決める公聴会での証言が待つ、あの町へ。静かな語りで切ない物語を描き上げる、感動長編。訳者あとがき=高山祥子

ブラック・リバー (創元推理文庫)

ブラック・リバー (創元推理文庫)


『浮かんだ男』/The Balloon Man
シャーロット・マクラウドCharlotte MaCleod)/戸田早紀・訳
創元推理文庫/本体価格1000円/9月26日/ISBN:978-4-488-24633-4
セーラが陣頭指揮をとる、義理の甥の野外結婚式は好天に恵まれ、会場のテントに熱気球が墜落したことなど二三のトラブルを除いて、問題なく終了した。だが翌朝、片づけ中に潰れたテントの下から死体が見つかり、家の周囲でも事件が続発。セーラと夫マックスは休むことなく探偵活動に取り組むことになる――ケリング一族ほぼ総出の騒動が描かれる、人気ミステリ・シリーズ最終巻。解説=杉江松恋

浮かんだ男 (創元推理文庫)

浮かんだ男 (創元推理文庫)


『堆塵館 アイアマンガー三部作1』/Heap House
エドワード・ケアリー(Edward Carey)/古屋美登里・訳
東京創元社(単行本)/本体価格3000円/9月30日/ISBN:978-4-488-01055-3
19世紀後半、ロンドンの外れの巨大なごみ捨て場。幾重にも重なる屑山の中心に「堆塵館」という巨大な屋敷があり、ごみから財を築いたアイアマンガー一族が住んでいた。一族の者は、生まれると必ず「誕生の品」を与えられ、一生涯肌身離さず持っていなければならない。15歳のクロッドは、聞こえるはずのない物の声を聞くことができる変わった少年だった。ある夜彼は屋敷の外から来た召使いの少女と出会う。それが一族の運命を大きく変えることに……。『望楼館追想』から13年、作者が満を持して贈る超大作。訳者あとがき=古屋美登里

堆塵館 (アイアマンガー三部作1) (アイアマンガー三部作 1)

堆塵館 (アイアマンガー三部作1) (アイアマンガー三部作 1)


『J・G・バラード短編全集1 時の声』/The Complete Short Stories: Volume 1
J・G・バラード(James Graham Ballard)/柳下毅一郎・監修、浅倉久志・他訳
東京創元社(単行本)/本体価格3600円/9月30日/ISBN:978-4-488-01058-4
『結晶世界』『ハイ・ライズ』などの傑作群で、叙事的な文体で20世紀SFに独自の境地を拓いた鬼才の全短編を発表順に五巻に集成。第一巻は代表作「時の声」など15編を収める。序文=J・G・バラード、マーティン・エイミス/収録作品解題=柳下毅一郎/解説「二十一世紀の神話創造者」=柳下毅一郎

【収録作品】「プリマ・ベラドンナ」「エスケープメント」「集中都市」「ヴィーナスはほほえむ」「マンホール69」「トラック12」「待ち受ける場所」「最後の秒読み」「音響清掃」「恐怖地帯」「時間都市」「時の声」「ゴダードの最後の世界」「スターズのスタジオ5号」「深淵」


『晴れた日の森に死す』/Den som frykter ulven
カーリン・フォッスム(Karin Fossum)/成川裕子・訳
創元推理文庫/本体価格980円/9月30日/ISBN:978-4-488-17405-7
ノルウェーの森の奥で老女が殺害される。被害者の左目には鍬が突き刺さっており、精神病院に入院中の青年エリケが現場で目撃されていた。捜査陣を率いるセイエル警部は、エリケを犯人と決めつける者たちの偏見に左右されず、冷静に証言を集めていく。だが信じがたい事実が判明。エリケは銀行強盗に巻きこまれ、逃走する強盗犯の人質になっていた。ガラスの鍵賞受賞作家の代表作。解説=ヘレンハルメ美穂

晴れた日の森に死す (創元推理文庫)

晴れた日の森に死す (創元推理文庫)

東京創元社 8月の新刊

 
ミステリーズ!』vol.78 AUGUST 2016
東京創元社(雑誌)/本体価格1200円/8月12日/ISBN:978-4-488-03078-0
【ブックエッセイ】
田内志文 私はこれが訳したい Intimacy Hanif Kureishi
【評論】
川出正樹 ミステリ・ライブラリ・インヴェスティゲーション 第二十九回

ミステリーズ!  vol.78

ミステリーズ! vol.78


『北京から来た男』上下/Kinesen
ヘニング・マンケル(Henning Mankell)/柳沢由実子・訳
創元推理文庫/本体価格各1140円/8月12日/ISBN:(上)978-4-488-20918-6(下)978-4-488-20919-3
凍てつくような寒さの未明、スウェーデンの寒村に足を踏み入れた写真家は、信じられない光景を目にする。ほぼ全ての村人が惨殺されていたのだ。ほとんどが老人ばかりの村がなぜ。女性裁判官ビルギッタは、亡き母がその村の出身であったことを知り、ひとり現場に向かう。事件はビルギッタを世界の反対側へ、そして過去へと導く。北欧ミステリの帝王ヘニング・マンケルの超大作。訳者あとがき/文庫版に寄せて=柳沢由実子

北京から来た男〈上〉 (創元推理文庫)

北京から来た男〈上〉 (創元推理文庫)

北京から来た男〈下〉 (創元推理文庫)

北京から来た男〈下〉 (創元推理文庫)


『怪盗モンモランシー』/Montmorency
エレナー・アップデール(Eleanor Updale)/杉田七重・訳
創元推理文庫/本体価格840円/8月12日/ISBN:978-4-488-21704-4
囚人493ことモンモランシー。警察から逃げる際瀕死の重傷を負ったが、運良く若き外科医ファーセットの治療の被験者となり、一命をとりとめた男。無事刑期を終えたモンモランシーは高級ホテルに滞在しながら、昼間は紳士、夜は泥棒、ふたつの顔を使い分け、次々とお宝を頂戴していく。だがある日暴れ馬を取り押さえたことで、彼の運命は大きく変わることに。痛快シリーズ第一弾。訳者あとがき=杉田七重

怪盗紳士モンモランシー (創元推理文庫)

怪盗紳士モンモランシー (創元推理文庫)


『幻の屋敷 キャンピオン氏の事件簿Ⅱ』/Safe as Houses and Other Stories
マージェリー・アリンガム(Margery Allingham)/猪俣美江子・訳
創元推理文庫/本体価格920円/8月20日/ISBN:978-4-488-21005-2
ロンドンの社交クラブで起きた絞殺事件。証言からは、犯人は“見えないドア”を使って現場に出入りしたとしか思えないのだが……。名作「見えないドア」を始めとして、留守宅にあらわれた謎の手紙が巻き起こす大騒動を描く表題作や、警察署を訪れた礼儀正しく理性的に見える老人が突拍子もない証言をはじめる「奇人横丁の怪事件」など、本邦初訳作を含む日本オリジナル短編集。解説=若林踏

【収録作品】「綴られた名前」「魔法の帽子」「幻の屋敷」「見えないドア」「極秘書類」「キャンピオン氏の幸運な一日」「面子の問題」「ママは何でも知っている」「ある朝、絞首台に」「奇人横丁の怪事件」「聖夜の言葉」/「年老いてきた探偵をどうすべきか」

幻の屋敷 (キャンピオン氏の事件簿2) (創元推理文庫)

幻の屋敷 (キャンピオン氏の事件簿2) (創元推理文庫)


『叫びの館』上下/Fragments
ジェイムズ・F・デイヴィッド(James F. David)/公手成幸・訳
創元推理文庫/本体価格各1100円/8月20日/ISBN:(上)978-4-488-59102-1(下)978-4-488-59103-8
アメリカの閑静な大学町に館を借りた心理学者ウェス・マーティンは、サヴァン症候群の若者たちが持つ能力の断片を集約し、大いなる“統合人格”を生み出すという研究をしていた。それぞれ豊かな個性を持つ被験者たちに翻弄されながらも、ウェスは目論みどおり統合人格フランキーを誕生させるが、時を同じくして、町では四十年前に起きた連続殺人を彷彿とさせる事件が発生する。解説=古山裕樹

叫びの館〈上〉 (創元推理文庫)

叫びの館〈上〉 (創元推理文庫)

叫びの館〈下〉 (創元推理文庫)

叫びの館〈下〉 (創元推理文庫)


『霧に橋を架ける』/At the Mouth of the River of Bees
キジ・ジョンスン(Kij Johnson)/三角和代・訳
創元SF文庫/本体価格1060円/8月20日/ISBN:978-4-488-76401-2
【「本の雑誌」2014年SFベスト第1位】ヒューゴー賞ネビュラ賞をダブル受賞した表題作をはじめ、現代アメリカSF界きっての名手による、鮮やかな幻想SF短編集。訳者あとがき=三角和代/解説=橋本輝幸

【収録作品】「26モンキーズ、そして時の裂け目」「スパー」「水の名前」「噛みつき猫」「シュレディンガーの娼館(キャットハウス)」「陳亭、死者の国」「蜜蜂の川の流れる先で」「ストーリー・キット」「ポニー」「霧に橋を架ける」「《変化》後のノース・パークで犬たちが進化させるトリックスターの物語」

霧に橋を架ける (創元SF文庫)

霧に橋を架ける (創元SF文庫)


『泉』/The Well
キャサリンチャンター(Catherine Chanter)/玉木亨・訳
東京創元社(単行本)/本体価格2600円/8月31日/ISBN:978-4-488-01063-8
イギリス全土で3年にわたって異常な干魃が続いているにもかかわらず、“わたし”がいる農場〈泉〉にだけは雨が降り、草木が青々と茂っている。“わたし”はここで自宅監禁生活を送ることになった。〈無個性〉〈3〉〈ボーイ〉と名付けた男たちに常に監視され、行動を厳しく制限されながら孤独に暮らす“わたし”を、殺人事件の記憶が苦しめる。なぜ家族も友人も失うことになったのか? 自分は何をしてしまったのか? “わたし”は精神のバランスを崩すほど思い悩みながら〈泉〉での生活をふりかえり、殺人犯をつきとめようとする――。異様な状況下で傷ついた女性の、追憶と再生の物語。解説=川出正樹

泉


『ささやく真実』/The Deadly Truth
ヘレン・マクロイ(Helen McCloy)/駒月雅子・訳
創元推理文庫/本体価格980円/8月31日/ISBN:978-4-488-16811-7
悪趣味ないたずらで、周囲に騒動をもたらす美女クローディア。彼女は知人の研究室から盗みだした強力な自白剤を、自宅のパーティーで飲みものに混ぜてふるまい、宴を暴露大会に変えてしまう。その代償か、夜の終わり
に彼女は何者かに殺害された……! 精神科医ウィリング博士が、意外な手がかりをもとに指摘する真犯人は? マクロイ屈指の謎解き純度を誇る、傑作本格ミステリ。解説=若林踏

ささやく真実 (創元推理文庫)

ささやく真実 (創元推理文庫)

東京創元社 7月の新刊

『テロ』/Terror
フェルディナント・フォン・シーラッハ(Ferdinand von Schirach)/酒寄進一・訳
単行本/本体価格1600円/7月11日/ISBN:978-4-488-01056-0
2013年7月26日、ドイツ上空で旅客機がハイジャックされた。テロリストがサッカースタジアムに旅客機を墜落させ、7万人の観客を殺害しようと目論んだのだ。しかし緊急発進した空軍少佐が独断で旅客機を撃墜する。乗客164人を殺して7万人を救った彼は英雄か? 犯罪者か? 結論は一般人が審議に参加する参審裁判所に委ねられた。検察官の論告、弁護人の最終弁論ののちに、有罪と無罪、ふたとおりの判決が用意された衝撃の法廷劇。どちらの判決を下すかは、読んだあなたの決断次第。本屋大賞「翻訳小説部門」第1位『犯罪』のシーラッハが放つ最新作! 原書より、テロリストの襲撃を受け12人の犠牲者をだした「シャルリー・エブド」誌がMサンスーシ・メディア賞を授与された際の著者による記念スピーチ、「是非ともつづけよう」を併録。

テロ

テロ


『緑衣の女』/Grafartogn
アーナルデュル・インドリダソン(Arnaldur Indrioason)/柳沢由実子・訳
創元推理文庫/本体価格1100円/7月11日/ISBN:978-4-488-26604-2
男の子が拾った人間の骨は、最近埋められたものではなかった。発見現場近くにはかつてサマーハウスがあり、付近には英米の軍のバラックもあったらしい。付近の住人の証言に現れる緑のコートの女。封印されていた哀しい事件が長いときを経て捜査官エーレンデュルの手で明らかになる。CWAゴールドダガー賞・ガラスの鍵賞を受賞。世界中が戦慄し涙した、究極の北欧ミステリ登場。訳者あとがき/文庫版に寄せて=柳沢由実子

緑衣の女 (創元推理文庫)

緑衣の女 (創元推理文庫)


『人生の真実』/The Facts of Life
グレアム・ジョイス(Graham Joyce)/市田泉・訳
創元海外SF叢書(単行本)/本体価格2500円/7月21日/ISBN:978-4-488-01460-5
この子はあたしたちが面倒を見る。よそにはやらないよ――千里眼を持つ女家長マーサの決断により、赤ん坊はヴァイン家の八人の女たちに育てられることになった。フランクと名づけられた男の子は、戦争の残した傷跡から立ち上がろうとする街で、一風変わった一族に囲まれて大きくなってゆく。生と死のさまざまなかたちを見つめる家族の姿を、英国幻想小説界の巨匠が鮮やかに描き上げた、世界幻想文学大賞受賞作。訳者あとがき=市田


『エジプト十字架の謎【新訳版】』/The Egyptian Cross Mystery
エラリー・クイーンEllery Queen)/中村有希・訳
創元推理文庫/本体価格1000円/7月21日/ISBN:978-4-488-10440-5
クリスマスの寒村で起きた、丁字路にあるT字形の道標に、首を切断されたT字型の死体がはりつけにされる酸鼻な殺人。半年後、遠く離れた土地で第二の首なし殺人が発生したのを知ったエラリーは、ただちに駆けつけ捜査に当たる。〈国名シリーズ〉第五弾は、残酷な連続殺人に秘められた驚天動地の真相を、名探偵が入神の推理で解き明かす、本格ミステリの金字塔。解説=山口雅也


『悪徳小説家』/Die Wahrheit und andere Luegen
ザーシャ・アランゴSascha Arango)/浅井晶子・訳
創元推理文庫/本体価格980円/7月21日/ISBN:978-4-488-18405-6
ベストセラー作家のヘンリーには、編集者と愛人関係にあること以外にも、決して明かすことのできない秘密があった。新作が残り20ページまで書き上がったとき、ヘンリーは愛人から妊娠したことを告げられる。待ち合わせ場所に車で赴いたヘンリーは、魔がさして……。だが帰宅した彼を、驚愕の事実が待ち受けていた! 真実と嘘がちりばめられた、巧緻にして幻惑に満ちた傑作長編。訳者あとがき=浅井晶子

悪徳小説家 (創元推理文庫)

悪徳小説家 (創元推理文庫)


マトリョーシカと消えた死体』/One Good Turn
ケイト・アトキンソン(Kate Atkinson)/青木純子・訳
東京創元社(単行本)/本体価格2500円/7月28日/ISBN:978-4-488-01057-7
フランス暮らしを始めたブロディだったが、恋人で女優のジュリアが出演するエディンバラの芸術祭〈エディンバラ国際フェスティバル〉に出かけ、事件に巻きこまれる! 衝突した車のドライバー同士の暴力沙汰に出くわしたかと思えば、若い娘の死体を発見、そして死体が消えて……。ミステリ度は第一作に比べ格段にアップし、しかもアトキンソン力(りょく)はそのままの傑作。コスタ賞(一回目受賞当時の賞名はウィットブレッド賞)を三度受賞した作家による見事なミステリ。第二弾。訳者あとがき=青木純子


『パリの骨』/The Bones of Paris
ローリー・R・キング(Laurie R. King)/山田久美子・訳
創元推理文庫/本体価格1360円/7月28日/ISBN:978-4-488-14911-6
1929年パリ。私立探偵スタイヴサントは失踪したアメリカ人女性を捜索していた。彼女はピカソら名だたる芸術家と交流し、人気絶頂の写真家マン・レイのモデルをつとめていた。犯罪的行為を繰り広げる芸術家の“芸術的表現としての殺人”を疑う警察。スタイヴサントは“嘘を見抜く力”を持つ友人の助けを得て死の帝国たるパリの闇へと踏み込んでいく。MWA賞受賞作家が贈る雄編。訳者あとがき=山田久美子

パリの骨 (創元推理文庫)

パリの骨 (創元推理文庫)


『四人の女【新版】』/Follow, As the Night
パット・マガー(Pat McGerr)/吉野美恵子・訳
創元推理文庫/本体価格1000円/7月28日/ISBN:978-4-488-16406-5
前妻、現夫人、愛人、そしてフィアンセ――人気絶頂のコラムニスト、ラリーを取り巻く四人の女性。彼はひそかに自宅バルコニーの手摺(てすり)に細工をし、四人をディナー・パーティに招いた。ラリーには、そのなかの一人を殺さねばならない切実な理由があったのだ……。一作ごとに趣向を凝らす才人マガーが、犯人ならぬ「被害者捜し」の新手に挑んだ、いつまでも色あせない傑作ミステリ。訳者あとがき=吉野美恵子/解説=深緑野分

四人の女【新版】 (創元推理文庫)

四人の女【新版】 (創元推理文庫)

東京創元社 5月&6月の新刊

 

■5月の新刊

『ラスト・ウィンター・マーダー』/Blood of My Blood
バリー・ライガ(Barry Lyga)/満園真木・訳
創元推理文庫/本体価格1340円/5月12日/ISBN:978-4-488-20805-9
ランクルームのユニットに閉じこめられたジャズが目を覚ますと、そばにはふたつの死体が……。これでは自分が殺したと疑われてしまう。一方コニーは、ニューヨークに潜伏しているビリーの手に落ちていた。ジャズの、コニーの運命は? みにくいJとは誰か? 謎の言葉〈カラスの王〉の意味は? ジャズはビリーの跡継ぎとなってしまうのか。驚異の青春ミステリついに完結! 訳者あとがき=満園真木

ラスト・ウィンター・マーダー (創元推理文庫)

ラスト・ウィンター・マーダー (創元推理文庫)


『埋葬された夏』/Weirdo
キャシー・アンズワース(Cathi Unsworth)/三角和代・訳
創元推理文庫/本体価格1340円/5月21日/ISBN:978-4-488-27006-3
1984年、イギリスの海辺の町で、ある少女が殺人者として裁かれた――そして20年後、弁護士に依頼された私立探偵が町を訪れ調査を始めたことで、終わったはずの事件が再び動きだす。あの夏、少女のまわりで、本当は何が起きていたのか。現在と過去の交錯する語りがもたらす「被害者捜し」の趣向、深く心に刻まれる真相の衝撃と幕切れの余韻。現代英国ミステリの傑作、ここに登場。解説=霜月蒼

埋葬された夏 (創元推理文庫)

埋葬された夏 (創元推理文庫)


『戦地の図書館 海を越えた一億四千万冊』/When Books Went to War
モリー・グプティル・マニング(Molly Guptill Manning)/松尾恭子・訳
東京創元社(単行本)/本体価格2500円/5月30日/ISBN:978-4-488-00384-5
第二次世界大戦終結までに、ナチス・ドイツは発禁・焚書によって一億冊を超える書物をこの世から消し去った。対するアメリカは、戦場の兵隊たちに本を送り続けた――その数、およそ一億四千万冊。アメリカの図書館員たちは、全国から寄付された書籍を兵士に送る図書運動を展開し、軍と出版業界は、兵士用に作られた新しいペーパーバック“兵隊文庫”を発行して、あらゆるジャンルの本を世界中の戦地に送り届けた。本のかたちを、そして社会を根底から変えた史上最大の図書作戦の全貌を描く、ニューヨーク・タイムズ・ベストセラーの傑作ノンフィクション! 訳者あとがき=松尾恭子

戦地の図書館 (海を越えた一億四千万冊)

戦地の図書館 (海を越えた一億四千万冊)


『偽りの書簡』/Don de Lenguas
ロサ・リーバス&サビーネ・ホフマン(Rosa Ribas and Sabine Hofmann)/宮崎真紀・訳
創元推理文庫/本体価格1400円/5月30日/ISBN:978-4-488-12807-4
独裁政権下のバルセロナで上流階級の未亡人が扼殺された。新聞記者アナは被害者宅から押収された書類を調べ、恋文を発見する。差出人がわからなかったが、思わぬ援軍を得る。はとこの文献学者ベアトリズは、文章の綴り
方、言い回し、形容詞等から書いた人物像を巧みに導き出し、驚くべき手がかりを見つけ出してみせた。言語と文学を愛する文献学者の叡智が冴え渡る傑作ミステリ! 解説=大矢博子

偽りの書簡 (創元推理文庫)

偽りの書簡 (創元推理文庫)


『ルーフォック・オルメスの冒険』/Les Aventures de Loufock=Holmes
カミ(Cami)/高野優・訳
創元推理文庫/本体価格900円/5月30日/ISBN:978-4-488-18501-5
名探偵ルーフォック・オルメス氏。オルメスとはホームズのフランス風の読み方。シャーロックならぬルーフォックは「ちょっといかれた」を意味する。首つり自殺をして死体がぶらさがっているのに、別の場所で生きている男の謎、寝ている間に自分の骸骨を盗まれたと訴える男の謎等、氏のもとに持ち込まれるのは驚くべき謎ばかり。フランス式ホームズ・パロディ短篇集。必読の一冊。訳者あとがき=高野優

ルーフォック・オルメスの冒険 (創元推理文庫)

ルーフォック・オルメスの冒険 (創元推理文庫)


『幽霊はお見通し』/The Ghost and Mrs. Jeffries
エミリー・ブライトウェル(Emily Brightwell)/田辺千幸・訳
創元推理文庫/本体価格980円/5月30日/ISBN:978-4-488-20006-0
新年早々、またも殺人事件の捜査を任されることになったウィザースプーン警部補。裕福な婦人が殺されたのは、交霊会から帰宅した直後のことだった。今回も主人を陰で助けようとするジェフリーズ夫人と使用人一同だが、このところメイドと馭者の仲が険悪で、捜査に支障が出かねない。奇しくもその原因も、交霊会がらみで!?単純そうで手ごわい事件に探偵団が挑むシリーズ第3弾! 訳者あとがき=田辺千幸

幽霊はお見通し (創元推理文庫)

幽霊はお見通し (創元推理文庫)


■6月の新刊

ミステリーズ!』vol.77 JUNEL 2016
東京創元社(雑誌)/本体価格1200円/6月13日/ISBN:978-4-488-03077-3
【特集】パスティーシュ小説、エッセイで贈る 名探偵ルーフォック・オルメスがやって来る!
エッセイ「オルメスの魅力」高野 優
エッセイ「名探偵ルーフォック・オルメスの書誌事件簿」北原尚彦
小説「ルーフォック・オルメス対帆村荘六芦辺拓
【ブックエッセイ】
廣嶋玲子 私の一冊『パンプルムース氏のおすすめ料理』マイケル・ボンド
戸田早紀 私はこれが訳したい Peter Nimble and His Fantastic Eyes Jonathan Auxier
【評論】
川出正樹 ミステリ・ライブラリ・インヴェスティゲーション 第二十八回

ミステリーズ!  vol.77

ミステリーズ! vol.77


『邂逅 シドニー州都警察殺人捜査課』/Hades
キャンディス・フォックス(Candice Fox)/冨田ひろみ・訳
創元推理文庫/本体価格1100円/6月13日/ISBN:978-4-488-17905-2
シドニーのマリーナで、海底に沈められたスチール製の収納ボックスが発見された。1メートル四方の箱には全身傷だらけの少女の遺体が収められ、周囲から同様の遺体の入ったボックスが20も見つかった。シドニー州都警察殺人捜査課に異動してきた刑事フランクは、女性刑事エデンと未曾有の死体遺棄事件を追う。オーストラリア推理作家協会賞2年連続受賞の警察小説シリーズ開幕! 訳者あとがき=冨田ひろみ

邂逅 (シドニー州都警察殺人捜査課) (創元推理文庫)

邂逅 (シドニー州都警察殺人捜査課) (創元推理文庫)


『過去を殺した女』/Selvrisiko
エルスベツ・イーホルム(Elsebeth Egholm)/木村由利子・訳
創元推理文庫/本体価格1400円/6月22日/ISBN:978-4-488-15705-0
ディクテの隣家の厩舎が火事になり、同夜、市内の学校が放火された。さらに隣家で留守番をしていた女性が、惨殺死体で発見される。彼女は放火された学校の教師だった。二つの事件は繋がっているのか? 調べるうちに次第に明らかになる、殺された女性教師の意外な過去。母との確執、父の死、娘の巣立ち、年下の恋人との関係と、自らも悩み山積の新聞記者ディクテが、事件を追う。訳者あとがき=木村由利子

過去を殺した女 (創元推理文庫)

過去を殺した女 (創元推理文庫)


『古書贋作師』/The Forgers
ブラッドフォード・モロー(Bradford Morrow)/谷泰子・訳
創元推理文庫/本体価格1000円/6月22日/ISBN:978-4-488-18405-6
後頭部を殴打され、両手首を切断された状態で発見されたその男は、コナン・ドイルなど著名作家の直筆を偽造する贋作師だった。彼の妹と交際しているわたしも、かつて名を馳せた贋作師。だが逮捕されたことを契機に足を洗い、今は古書オークションハウスで働いている。文豪の筆跡で書かれた、謎の脅迫状に怯えながら……。異様な語りで稀覯本の世界へ読者を誘う、異色のミステリ。解説=三橋暁

古書贋作師 (創元推理文庫)

古書贋作師 (創元推理文庫)


『怪盗ニック全仕事3』/The Complete Stories of Nick Velvet: Vol.3
エドワード・D・ホック(Edward D. Hoch)/木村二郎・訳
創元推理文庫/本体価格1300円/6月22日/ISBN:978-4-488-20116-6
盗みの対象は価値のないもの、誰も盗もうとはしないものに限定されるが、一度引き受けた依頼はどんな困難なものでもやりとげるプロ中のプロ――それが怪盗ニックだ。本書にはそんな彼が日本を訪れる話や、足首を骨折しながらも盗みに挑む話、政府の依頼で動く話など、本邦初訳や単著初収録の作品を多数収めた。短編の魅力がふんだんにつまった傑作シリーズ、文庫版全集第3弾。解説=木村仁良

【収録作品】☆=本邦初訳/◇=単著初収録
「つたない子供の絵を盗め」◇
「家族のポートレイト写真を盗め」
「駐日アメリカ大使の電話機を盗め」◇
「きのうの新聞を盗め」
「消防士のヘルメットを盗め」◇
「競走馬の飲み水を盗め」◇
「銀行家の灰皿を盗め」
「スペードの4を盗め」◇
「感謝祭の七面鳥を盗め」☆
「ゴーストタウンの蜘蛛の巣を盗め」☆
「赤い風船を盗め」☆
「田舎町の絵はがきを盗め」☆
サパークラブの石鹸(せっけん)を盗め」
「使用済みのティーバッグを盗め」◇


『執着』/Los enamoramientos
ハビエル・マリアス(Javier Marias)/白川貴子・訳
東京創元社(単行本)/本体価格2500円/6月30日/ISBN:978-4-488-01662-3
出版社で働くマリアが憧れていた夫婦。その夫が殺された。通り魔殺人なのか? それとも、三角関係の清算か? それとも……。彼は不治の病だったという。ノーベル賞候補とも目される著者による愛と死をめぐる哲学的小説。訳者あとがき=白川貴子

執着 (海外文学セレクション)

執着 (海外文学セレクション)


『探偵は孤高の道を』/Claire DeWitt and the Bohemian Highway
サラ・グラン(Sara Gran)/郄山祥子・訳
創元推理文庫/本体価格1200円/6月30日/ISBN:978-4-488-16203-0
2011年1月。サンフランシスコの私立探偵クレアは、かつての恋人、ポールの死を知る。ギタリストの彼は自宅の居間で銃殺され、膨大なギターのコレクションのうち5本がなくなっていた。犯人の狙いは貴重なギターなのか? 想いを残したまま別れた相手が殺害され、極限まで自らを追い詰めて懸命に真実を追うクレア。『探偵は壊れた街で』で鮮烈な印象を残した女探偵の新たな苦闘。解説=久美沙織

探偵は孤高の道を (創元推理文庫)

探偵は孤高の道を (創元推理文庫)

東京創元社 4月の新刊


ミステリーズ!』vol.76 APRIL 2016
東京創元社(雑誌)/本体価格1200円/4月12日/ISBN:978-4-488-03076-6
【特別企画】
[追悼 ウンベルト・エーコ橋本勝雄 井垣真理
【ブックエッセイ】
木村二郎 私はこれが訳したい Hammett Unwritten Owen Fitzstephen
【評論】
川出正樹 ミステリ・ライブラリ・インヴェスティゲーション 第二十七回

ミステリーズ!  vol.76

ミステリーズ! vol.76


『ささやかで大きな嘘』上下/Big Little Lies
リアーン・モリアーティ(Liane Moriarty)/和爾桃子・訳
創元推理文庫/本体価格各1100円/4月21日/ISBN:(上)978-4-488-29704-6(下)978-4-488-29705-3
最初は子供同士のトラブルだった。海辺の公立幼稚園、その夜のパーティに子供たちの歌声はなく、聞こえるのは罵り言葉と保護者の乱闘の音。そして保護者の一人が死亡した。事故か殺人か? ……事の起こりは六カ月前、シングルマザーのジェーンの息子にいじめの嫌疑がかかった。本人は否定するが、保護者は険悪な雰囲気に。ジェーンは二人の友人とともに事態に立ち向かう。31カ国で翻訳、英米で150万部突破の傑作ミステリ登場。訳者あとがき=和爾桃子

ささやかで大きな嘘〈上〉 (創元推理文庫)

ささやかで大きな嘘〈上〉 (創元推理文庫)

ささやかで大きな嘘〈下〉 (創元推理文庫)

ささやかで大きな嘘〈下〉 (創元推理文庫)


『パンドラの少女』/The Girl with All the Gifts
M・R・ケアリー(M. R. Carey)/茂木健・訳
東京創元社(単行本)/本体価格2000円/4月21日/ISBN:978-4-488-01054-6
奇病の爆発的な蔓延〈大崩壊〉から二十年。人間としての精神を失い、捕食本能に支配された〈餓えた奴ら〉により、文明世界は完全に崩壊していた。荒廃したイギリスの街で発見された、奇跡の少女メラニー。持たないはずのものをもつ健気な彼女は、この世界の救世主ではないのか? ロンドンの北の軍事基地で、メラニーと、同じような特徴をもつ子供たちへの教育・研究が進められるなか、緊急事態が勃発。メラニー、彼女が大好きな教師、科学者、兵士ふたりの極限の逃避行がはじまる。一気読み必至、圧巻のエンターテインメント長編! 訳者あとがき=茂木健

パンドラの少女

パンドラの少女


『猫が死体を連れてきた【新版】』/Something the Cat Dragged In
シャーロット・マクラウドCharlotte MaCleod)/高田惠子・訳
創元推理文庫/本体価格1000円/4月28日/ISBN:978-4-488-24632-7
秋を迎えたバラクラヴァの町で、新たな騒動の始まりを告げたのは、シャンディ教授の家政婦ローマックス夫人の飼い猫がくわえてきたかつらだった。かつらの主アングレー名誉教授をさがしに出た夫人は、博物館の裏手で彼の死体を発見する。一見事故のようにも思われたが、夫人の要請で駆けつけたシャンディが少し調べただけで、おかしな点が次々に見つかり……。好評シリーズ第四弾。解説=澤木喬

猫が死体を連れてきた【新版】 (創元推理文庫)

猫が死体を連れてきた【新版】 (創元推理文庫)


『古城ゲーム』/Saeculum
ウルズラ・ポツナンスキ(Ursula Poznanski)/酒寄進一・訳
創元推理文庫/本体価格1300円/4月28日/ISBN:978-4-488-28904-1
医学生のバスチアンは、騎士や魔女になりきり14世紀の暮らしを疑似体験するゲームに参加するため、深い森に到着した。そこでは懐中電灯や消毒薬などゲームの時代になかった物の持ち込みが禁止されている。だが参加者が次々に謎の失踪を遂げ、主催者の携帯電話も紛失し外部と通信不能に。さらに閉じこめられた洞(ほら)で大量の白骨死体を発見。想定外の出来事が彼らの心を蝕(むしば)んでいく。訳者あとがき=酒寄進一

古城ゲーム (創元推理文庫)

古城ゲーム (創元推理文庫)

東京創元社 3月の新刊


モッキンバードの娘たち』/Mockingbird
ショーン・ステュアート(Sean Stewart)/鈴木潤・訳
海外文学セレクション(単行本)/本体価格1900円/3月12日/ISBN:978-4-488-01660-9
本物の魔術を使うことができ、奔放に生きた母。わたしはそんな彼女に反発し、まったく違う堅実な人生を歩んできた。だが母が亡くなったときなぜか、六人の奇妙な〈乗り手〉が降りてくる能力を受け継がされてしまう。素質のある妹ではなく、そんな力など望まない自分になぜ? わたしは母が大切にしていたシフォローブの扉を開ける……。一筋縄ではいかない母娘と家族の絆を、深く伝える物語。世界幻想文学大賞候補作。訳者あとがき=鈴木潤

モッキンバードの娘たち (海外文学セレクション)

モッキンバードの娘たち (海外文学セレクション)


『暁の死線【新版】』/Deadline at Dawn
ウィリアム・アイリッシュ(William Irish)/稲葉明雄・訳
創元推理文庫/本体価格1100円/3月12日/ISBN:978-4-488-12012-2
夢破れたダンサーのブリッキー。孤独な生活を送る彼女は、ある夜、不審な青年クィンと出会う。同じ町の出身だとわかりうち解けるふたり。窃盗を告白した彼に、ブリッキーは盗んだ金を戻そうと提案する。現場の邸宅へと向かうが、そこにはなんと男の死体が。彼が殺人犯にされてしまう! 潔白を証明するタイムリミットはたった3時間後。『幻の女』で名高い著者の傑作サスペンス! 訳者あとがき=稲葉明雄/解説=門野集


『愚者たちの棺』/Coffin Scarcely used
コリン・ワトスン(Colin Watson)/直良和美・訳
創元推理文庫/本体価格920円/3月12日/ISBN:978-4-488-15503-2
港町フラックスボローの顔役だったキャロブリート氏のつましい葬儀から七か月後。今度は参列者のひとり、新聞社社主のグウィルが感電死する。真冬に送電鉄塔の下で発見された遺体には不可解な点がいくつもあり、現場近くでは“幽霊”の目撃証言まで飛び出す始末。相次ぐ町の名士の死には関連があるのか。奇妙な謎と伏線の妙、個性的な登場人物、機知に富む会話……英国本格ミステリの粋が凝縮された巧手の第一長編。解説=森英俊

愚者たちの棺 (創元推理文庫)

愚者たちの棺 (創元推理文庫)


『ウィンター家の少女』/Winter House
キャロル・オコンネル(Carol O'Connell)/務台夏子・訳
創元推理文庫/本体価格1380円/3月12日/ISBN:978-4-488-19515-1
ウィンター邸で保釈中の殺人犯が殺された。屋敷にいたのは七十歳の老婦人と、小柄な聖書マニアの姪だけ。どちらかが侵入者を殺したのか? 老婦人は五十八年前、この屋敷で九人の人間が殺された“ウィンター邸の大虐殺”以来行方不明になっていた女性だった。果たして当時十二歳だった彼女が事件の犯人だったのか? 今回の事件との関わりは? 迷宮のような事件に、完璧な美貌の天才ハッカーニューヨーク市警のマロリーが挑む。解説=若林踏

ウィンター家の少女 (創元推理文庫)

ウィンター家の少女 (創元推理文庫)


『書店猫ハムレットのお散歩』/Words with Friends
アリ・ブランドン(Ali Brandon)/越智睦・訳
創元推理文庫/本体価格1260円/3月22日/ISBN:978-4-488-28603-3
ダーラが経営するニューヨークの書店のマスコット、黒猫ハムレットの元気がない。猫のセラピストに診てもらうと、最近の自分を出来損ないのように感じているという。あのふてぶてしいハムレットがそんなふうに思っているなんて! 愕然とするダーラだったが、通っている武術道場でさらに驚きのできごとが起きて……。名探偵(かもしれない)黒猫が大活躍するコージー・ミステリ。訳者あとがき=越智睦

書店猫ハムレットのお散歩 (創元推理文庫)

書店猫ハムレットのお散歩 (創元推理文庫)